-
23 Feb
-
浴衣の語源
一説によると「浴衣(ゆかた)」の語源は平安時代の貴族が入浴時にまとっていた「湯帷子(ゆかたびら)」にあると言います。平安期のお風呂は今のような湯舟につかるお風呂ではなく、蒸し風呂であったことから火傷の防止、汗の吸湿、裸を隠すなどの目的で着用されていたそうな。単純に「帷子」と書くと今度はなるようの単衣の着物を意味するようです。江戸時代以降になると大衆浴場の普及により庶民の間に湯帷子が普及し、この頃より入浴に関係なく夏に着る単衣のことを「ゆかた」と呼ぶようになり、バスローブの役割から外着へと用途を変えていったと言われています。しかし浴衣が夏の普段着として全国に定着したのは明治期に入ってから。現代の縁日に着ていくスタイルや夏のおしゃれとして楽しむスタイルは最近の風潮と言えます。
-
-
23 Dec
-
01 Dec
-
兵児帯(ヘコオビ)
子供が浴衣を着る時や、男性の大人が着流しに締める帯に兵児帯というモノがあります。高級なものでは羽二重や縮緬(チリメン)の端絞り、鹿の子の総絞りなどがあり、セット物などではナイロン地等の化繊で作られた物などがあります。幅は50~74㎝、長さは長いものでは4m近くになり、しごいて二巻きし体の後ろで結び垂らします。この兵児帯の「へこ」とは九州や中国地方では褌(フンドシ)の事。九州では男女13歳前後に行う成年式を兵児祝(褌祝)といい、男児は褌を、女児は腰巻を始めて着けます。鹿児島県では15歳以上25歳以下の青年男子を「兵児」と呼びます。幕末から明治にかけて薩摩藩士が筒袖股引の軍装の上に白木綿のしごき帯を締めて帯刀したところから兵児帯が起こったと言われています。
-
-
21 Aug
-
狛猫- 金刀比羅神社内木島神社
神社やお寺さんに行くと敷地や社殿の入り口に狛犬がいますね。日本で唯一、これが狛猫の神社があります。京都府京丹後市にある金毘羅神社内の木島神社(コノシマ神社)です。こちらの神社祭神が保食神(ウケモチノカミ)です。この神様、養蚕の神様、織機の神様として知られています。丹後ちりめんの産地、峯山ではかつて鼠が白生地の原料となる繭の蚕を食い荒らしてしまい、養蚕業者は大損をこうむってきました。そこで登場したのが鼠の天敵である猫。猫は鼠を追い払い、大切な繭と蚕を守る貴重な存在だったそうです。そしてこの狛猫、言い伝えによると丹後ちりめんの原材料生糸を扱っている江州承認と当地の糸や屋が、蚕の守護神として寄進したものと言われています。狛猫の画像はコチラ↓https://goo.gl/kb3K2G
-
-
04 Jul
-
図案
浴衣にはそれぞれ異なった絵柄がプリントされています。このプリントされたデザインの事を私たちの業界では「図案」と呼んでいます。図案はどのような染色技法(技術)を用いるかを前提として、専門の絵師により作成されることが圧倒的多数です。と言うのも、染色技法(技術)ごとに用いる型(かた)が異なり、またそれぞれ専用の機械や技術を用いるためです。それらの技術的制約や、経験的に培われた傾向を念頭に図案を作成していかなければなりません。自然配色などのバランスも考えていく必要がありますし、元々のアイデアがある場合にはその意匠を歪めることなく図案に再現していくのは絵師の腕の見せ所です。昭和30年代から昭和末期に掛けては浜松工業高校出身の絵師の方が多くおり、それらの方々の手がけた図案が多く会ったとのことです。今でも勿論いらっしゃいますが、活動拠点を浜松から伊勢エリアに移されている方も少なくないそうです。
-
小巾(こはば)
小巾(こはば)の反物(たんもの)と言えば、巻物のように巻き上げられた生地を指します。生地巾は36㎝~40cm弱、長さは12m程度です。これは通常サイズの浴衣や浴衣を1枚(着)縫い上げることが出来るジャストな数量です。殊遠州産地の浴衣地に限ってお話すると、生地巾はやはり36㎝~40cm弱ある生地が一般的です。大ぶりな方用の浴衣を縫製する場合に広めの生地巾の反物を用意することもありますが、それでも染め上がり生地巾で42cmを上回る事はなかなか多くはありません。長さの12mに関してもぴったり12mという事はまずなく、概ね12mで1反となります。1反が2枚連続した状態を1疋(ひき)と言います。 こうなると小巾以外に生地はあるのか?という話になってきますが、2巾、3巾、4巾と生地巾の異なる反物があります。アパレルの世界ではインチで生地巾を表現することが多いですが、遠州産地の浴衣地では上記のような背景より2巾、3巾などの表現を用いることが多くあります。
-
綿(コットン)の特性
綿(コットン)の特徴としては・吸水性の良さ・肌触りの良さ・加工性の高さ(染色加工しやすい等)の長所が一般的に列挙されます。逆に短所としては・縮みやすい・皺になりやすいなどが挙げられますが、これは立ち位置によって長所、短所の視角は変わってきます。皺加工などが一番端的な例です。また、綿(コットン)100%素材に限らずですが、その繊維や生地の産業用資材としての耐性を試験する手法がJIS規格により定められており、長所につけ短所につけ定量的な判断がなされる対象となっています。それら試験を総じて堅牢度試験と言いますが、それに関しては別項にて記載します。
-
綿(コットン)とは
綿(コットン)は綿花から取れます。綿花は植物学上はゴシピウム属に分類されます。(『テキスタイル・エンジニアリング』日本紡績協会編集より)その綿花の花が咲いた後にできるコットンボール(≒綿花の果実)から採取されたものが綿(コットン)となります。産業革命以降の繊維産業ではコットンボールからの繊維の採取以降の紡績、織布、染色の工程は一般的に機械化されています。綿の歴史を紐解いていくと、上記にもある産業革命、植民地主義、三角貿易、WTO、セーフガードなど世界史と経済史、貿易史をなぞることになってしまいますのでここではそれは割愛します。三幸株式会社のある遠州地方も江戸時代以降綿花の産地でしたので、別項にてその話に触れていきます。
-
繊維の種類
一般的な被服やアパレルの世界で使われる繊維素材は基本的に下記の2種類です。 ・天然繊維・人造繊維「天然繊維」は自然界の動植物に由来する繊維で大別すると「植物繊維」と「動物繊維」それから「鉱物繊維」に分けられます。植物繊維の代表格は何と言っても綿。コットンの別称を持ちます。他にも麻(ヘンプ、リネン)、竹繊維などがあります。動物繊維の代表格は羊毛。ウールの別称を持ちます。カシミアやフェザーも動物繊維の分類となります。鉱物繊維は悪名高くなってしまった石綿などがその代表格です。「人造繊維」は化学的な作業により製造された繊維を指し、化学繊維と呼ばれることが多いです。化学繊維も原材料により更に細分化された名称を持ちますが、被服やアパレルに使われることが多いのはポリエステル系の合成化学繊維になります。勿論それ以外の化学繊維も被服に使われることはあります(レーヨンなど)。 <テキスタイル原料の分類> ※『テキスタイル・エンジニアリング』日本紡績協会編集
-
-
07 Mar
-
-
24 Feb
-