ルイスポールセン風ペンダントシェードが動態保存されている山陰歴史館の増築部分、旧米子市役所新館の完成は、ミッドセンチュリー終期の1965(昭和四〇)年頃。日本の時代背景としては、高度成長転型期終期。

 

 

「ミッドセンチュリー」は一世紀の中ごろを意味し、一般的に20世紀中頃の1940~60年代にデザインされた家具・インテリアを指します。イームズやネルソン、柳宗理などのデザイナーが有名ですね。

 

米子市企画部地域政策課主催「まちなかを巡るモニターツアー」 ~山陰歴史館&新旧〇〇見学~のつづきは、旧市庁本館後方に位置する新館です。

 

 

一切の装飾を廃した直線的構成を持つ立方体、ただの四角い箱にも見えるため、戦前の古典主義建築の本館(現山陰歴史館)と比較して不遇をかこつように見える新館。

 

 

それは機能性と合理性を追求したモダニズム建築か?あるいは廉価に早く完成させることを目的とした四角い箱か?

 

まじまじと見ると垂直に立ち上がった柱と水平に積み上がった庇、それを支える垂木のように見える小梁、水平連続窓。

 

 

鉄筋コンクリート4階建、延床面積3,650平方メートル、1961(昭和三六)年完成。1982(昭和五八)年の現庁舎完成後は市観光協会などの外郭団体が入居しています。完成から50年以上が経った2013年6月、老朽化を理由に解体が決定したと地元紙が報じています。なお、取り壊し時期は今のところ未定です。

 

庁舎建築のプロトタイプとされる霞が関の外務省庁舎や庁舎建築の究極の完成品ともされる島根県庁舎、あるいは丹下健三初期の傑作とされる香川県庁舎東館を連想させるTHE庁舎。

 

玄関正面壁を飾るオブジェは、鳥取県日野郡二部村(現西伯郡伯耆町)出身の彫刻家・辻晋堂の作品。

 

 

階段。

 

 

旧議場は3階に設けられており一般立入は禁止です。

 

階段近くに設けられた傍聴席入口は開かずの扉。

 

 

旧議場への入口はこの奥。

 

 

通常は一般立入禁止ですが今回はツアー特典、特別許可を得て入室。

 

 

現在は書庫として利用されており、一部撮影(公開)不可。

 

 

この木製の構造物を古い写真で確認したところ、議長席背後の衝立であることが判明。

 

 

衝立の後ろは出窓で外から見るとこの部分のようですが、立ち入りが規制されているため未確認です。

 

 

冒頭のルイスポールセン風ペンダントシェードは、旧議場を照らす灯具。

 

 

灯具に加え、両サイドに備え付けられた巨大な時計も当時のままのようです。

 

 

さらに、天井に見える穴はこの時代ならではのもので、その正体は空調吹き出し口。

 

 

建物屋上部に備えられた冷暖房用ボイラー煙突もこの時代の建物ならではの附属物で、大規模な公共建築や商業建築などに見られました。

 

 

議場横廊下から見る旧館背面。

 

 

現在、新旧館をつなぐ連絡通路は塞がれており往来は不可。

 

 

旧日本長期信用銀行(1993-2013)を模した謎の空中楼閣。

 

 

いや、旧長銀本店よりも旧米子市役所新館の方が歴史は古い(汗)

 

モニターツアー実施日は日曜だったため旧市役所新館は休庁。玄関ではなく旧館裏の通用口より出入り。

 

 

これまでノーマークだった旧本館通用口に気づいたこともちょっとした発見。

 

 

次回、モニターツアーの特典をフルに駆使した、現米子市役所5階の市議会議場を探検バクモン。

 

 

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