月9ドラマの『イノセント・ラブ』を観ていて、両親殺しの容疑で留置されている堀北真希の兄役の俳優をどこかで見たことがあるように思えたので、調べると案の定、NHK朝ドラの『純情きらり』(2006年4月~9月)のヒロインを演じた宮崎あおいの夫松井達彦役の福士誠治だった。そう、あの『のだめ~』にも出ていた。思えば、ここ5年くらいで朝ドラの視聴率も20%の大台を下回り、どんどん下降する傾向にある。そういえば、前回の朝ドラ『瞳』(榮倉奈々主演)が最低視聴率の記録を更新してしまったらしく、今度、NHKが朝ドラに関して見直しをするのだという。

<NHK朝ドラの視聴率ワースト5>
(括弧の中はヒロイン役の女優)
5.芋たこなんきん(藤山直美)
4.ファイト(本仮屋ユイカ)
3.天花(藤澤恵麻)
2.ちりとてちん(貫地谷しほり)
1.瞳(榮倉奈々)

で、私は考える。NHKはどういう風に見直すべきかを。いつものように勝手に言わせてもらうことにする。
まず、視聴率低下の理由を挙げると

①放送がNHK総合の朝、昼の2回だけでなく、BS2やBSハイビジョンでも行われるようになった。特にBS2では土曜日にまとめて1週間分観れるようになった。つまり、朝ドラ自体は観られていても平日の朝8時15分から観る人が減少した。

②視聴者の趣味の多様化~衛星放送やパソコンの普及による。つまり、昔のように朝の娯楽は朝ドラを観ることだけという訳ではなくなり、それ以外にも娯楽がたくさんあるということ。

③話が視聴者が求めているようなものとずれていて面白くない。『天花』に関しては脚本の失敗。『ファイト』も話としては面白くなかった。『瞳』に関しては「ヒップホップ」が田舎のおじちゃんおばちゃんに敬遠された。

以上のようなものが考えられる。『瞳』に関しては最初からヒロインが「ヒップホップダンサー」を目指すという設定だったので、視聴率で苦戦することは目に見えていた。もともと、朝ドラは若者が観るというよりは、主婦や定年後の年配の方が観るというイメージがある。そこが夜の民放でやるような連ドラとは違うところだ。その辺はドラマの製作者も心得ていて確かに「ダンス」よりも、「里親」や「下町の人情」に重きを置いていた。子供向けの「眉毛ネコ」をしつこいぐらいに登場させ、子供や年配者に躍らせたのもその表れだろう。しかし、やはり「ヒップホップ」の言葉を聞いただけで逃げ出した年配の人たちも多かったかも知れない。もっとも、私は『瞳』を面白いと思って観ていた。キャスティングも良かった。榮倉奈々と飯島直子と西田敏行の親子と孫の関係もいいし、AAAの宇野実彩子、EXILEのMAKIDAI、そして香子らもカッコイイ。ちょっと惹かれたのが萌チャン役の鈴木聖奈で、ちょっと気になったのが大阪から来たライバルグループ「ブルーシューズ」の太った子(マニアだね)。(笑)

その苦戦している最近の朝ドラの中で平均19%以上の視聴率をたたき出して健闘したのが、前述、『純情きらり』(宮崎あおい主演)と『どんど晴れ』(比嘉愛末主演)である。
この二つのドラマに共通しているのが、ヒロインをいじめる憎まれ役のベテラン女優の存在である。『純情きらり』では宮崎あおいと福士誠治が結ばれるのを反対する福士誠治の母親役の戸田恵子がいたし、『どんど晴れ』では老舗の旅館の実権を実の息子である東幹久に渡すため、やはりヒロインである比嘉愛末をいじめる宮本信子がいて、いずれも好演した。

『純情きらり』に関して言うと、このドラマ、往年の朝ドラの王道を行くような内容だった。女性の一生を描き、かつ、ヒロインは太平洋戦争など歴史的な障害に翻弄される。確か80年代までの朝ドラにはこのパターンが多かった。年配者が多く見るだろう朝ドラにこういった歴史的な背景を描くことはかなり重要だと私は考える。こういったものが無いと民放の夜の連ドラとあまり変わらなくなってしまう。つまり、NHKが朝ドラを見直すならば、まず、朝ドラの原点を見つめ直す必要があるということである。


「赤いスイートピー」 - 松田聖子
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