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2006年10月01日(日)

僕が9歳だったころ 美しい記憶の断片

テーマ:映画
僕が9歳だったころ デラックス版
¥3,990
株式会社ファミマ・ドット・コム

◆レンタルDVDにて鑑賞。1080i出力。2chステレオ音声。

◆イ・セヨンちゃんつながりでのレンタルだったが,映画自体も実に叙情豊かな作品で満足できる。昨日のインドの監督とは雲泥の差である。


◆田舎の小学校にソウルから一人の美少女が転校してくる。教室に一陣の風を巻き起こし,感動的な独白を残して再び転校していく。


◆題名からして,現在があり回想へと入るのかと思いきや,いきなりの9歳のころから始まり,そして終わる。つまり,映画の中の誰かの回想でなく,監督自身のあるいは観客の回想として映画がつくられている。


◆主役の二人は芸歴も長く,すばらしい演技を見せるが,周りのオーディションで選ばれた子供たちがとても自然である。特におかっぱのクルボムという少女は,主人公ヨミンとイ・セヨン演じるところの美少女ウリムの仲が接近するのを目の当たりにし,取り残されたような気持ちを爆発させるその演技のすばらしさは筆舌に尽くしがたい。「小さな恋のメロディ」のジャック・ワイルドを思い出して切なくなる。


◆夏・秋・冬と田舎の美しい風景の中で,小学生の関係,親子の関係など自然に描き出していく。小学4年生ではこなせりふは言わないだろうという部分もある。最後のウリムの独白などその最たるものだが,観る側が感動して許してしまう。


◆監督がインタビューでも話していたが,どんなにつらい記憶でも,時がそれを美しくしてしまう。人間の記憶とはうまくできているものである。4年生の頃,いろいろ悩みはあっただろうが,今は楽しかった記憶だけが思い出される。港が美しく見えた小学校のまでからの景色。その小学校は今年で閉校となる。あの景色は永遠に私のこころの中に生きることとなる。


◆色はこってり気味で,夜の突撃シーンに続くウリムの美しさ,秘密基地の外の吹雪の白さ,秋の林の中など映画的色彩感も堪能できる。おすすめの逸品。

2006年09月30日(土)

レディ・イン・ザ・ウォーター 初日 どんでん返しすら捨てて何が残るのか

テーマ:映画
レディ・イン・ザ・ウォーター
¥2,200
株式会社 ビーケーワン

◆ユナイテッドシネマの招待券の期限が今日までだったので,「時間が合うものを見よう」とふらりと出かける。ナイト・シャマランの新作が本日封切りで,少しの不安を抱えながらも8番スクリーンへ。

◆映画の内容の予備知識はほとんどなし。「90億円投入」だけ,直前に映画雑誌立ち読みで知る。


◆映画のほとんどがアパルトメントの中で展開。CGも控えめ,役者は知らない人ばかり。おい,どこに90億かかるんじゃい!まさか,監督料や脚本代でシャマラン自身に入るんじゃないでしょうね!


◆これまでの6センスを除く悲惨な作品群には,ブルース・ウイリス,ホアキン・フェニックス,ウイリアム・ハート,メル・ギブスンなどせめても役者は一流だったのに,今回はそれもなく,唯一の取り柄である「どんでん返し」すら放棄して,いったい何が残るのだ。何もない。自分の娘へのお話は家庭の中だけに納めなさい。こんな作品で他人様からお金を取ってはいけない!


2006年09月25日(月)

ライディング・ザ・ブレット スティーブン・キング原作 佳作かな

テーマ:映画
日活
ライディング・ザ・ブレット

◆レンタルDVDにて鑑賞。1080i。5.0chドルビーサラウンド音声。

◆スティーブン・キング御大原作。何の予備知識もなく観たので,結構楽しめた。


◆冒頭の70年代の音楽や風俗(ヒッピー・マリファナ)が懐かしい。ジョージ・ハリスンの耽溺していたインド音楽やジョンレノンのコンサートに行くというエピソードなども共感できる。ビートルズ再結成を期待するところなどいいねえ。すでに今はジョンもハリスンも天国だ。


◆映画は主人公の大学生が母親尾入院を聞き,故郷へもどるいわばロードムーヴィー。ヒッチハイクをしていくわけだが,不気味な人や幽霊の車に乗ることに。少年の頃乗れなかったブレットというジェットコースターに乗ること,つまり「逃げるな」ということかな。自分のエゴをさらけ出しながらも,決して逃げずに前を向いて立ち向かう。これは,母親の「これから人生に立ち向かうのよ」というせりふでわかりやすくガイドされる。

◆映像的にも,主人公(名前がなんと,アラン・パーカー)はジョニーディップぽい感じで,陰がありなかなかよろしい。現実と妄想が入り交じり,かつわかりやすい。


◆キングの作品の映像化は失敗が多いが,これは小品の佳作というところ。「スクリーム」のアークエットがいい味出します。


2006年09月17日(日)

地下迷宮映画二本立てその1  「稀人」

テーマ:映画
ジェネオン エンタテインメント
<ホラー番長シリーズ> 稀人

◆レンタルDVDにて鑑賞。1080i。2chステレオ音声。

◆呪怨の清水崇が塚本晋也を役者として迎え,小中千昭脚本,高橋洋監修という夢のようなスタッフが結集。


◆恐怖を探求するビデオ撮影オタクの主人公が,地下迷宮に迷い込み,そこで出会う少女との生活。


◆何と言っても,クトゥルフ神話を下敷きにした点が印象的。特に,「狂気の山脈」の映像化は映画の閉鎖的な世界に開放感を与え突出している。地下なのに地上よりさわやかなパラドックスのおもしろさ。


◆地下の山脈の麓で出会うFの硬質陶器のような美しい肌は目に焼き付く。演じた宮下ともみは童顔のおっとりした顔に大変な美しい足で観る者を魅了する。地下で鎖につながれた絵が映画の中で最も美しい。地上に出るとその魅力はとたんに色あせてしまう。まさにクトゥルフ賛歌と言えよう。


◆塚本は声がいい。かなり長い塚本の主観のナレーションで映画は進行していくが,声がいいので心地よい。


◆清水崇が新しい面を見せようとがんばったわけだが,全身白塗りではいつくばって進む「デロ」は清水崇が常にとり続けているDNAである。呪怨以前のショートフィルムの時代から白塗りの彼らには怖がらせられてきた。


◆地下迷宮その1は「地下こそ楽園」,地上世界の愚かしさ窒息感と対比的に地下が描かれる。当然塚本はFとともに地下へ。



2006年09月10日(日)

グエムル 漢江の怪物  家族の団結は勝利なのか

テーマ:映画

guemuru  


◆ユナイテッドシネマ長崎にて鑑賞。ドルビーサラウンドEX。


◆「殺人の追憶」のポン・ジュノ監督,ソン・ガンホ兄貴コンビによる,モンスター映画。


◆モンスターの形状は,「パトレイバー3 廃棄物13号」に酷似。大きな影響を受けてたものと考えられる。日本のアニメはやはりすごい。

◆「廃棄物13号」が母の歪んだ愛が実体化したのに対し,「グエムル」では人間の身勝手さが生み出した怪物に,ある家族が孤独な闘いを挑んでいく。家族の団結が感動を呼ぶ。どちらも家族の愛が描かれているわけだが,視点が全然違うので映画の印象は全く違うといっていい。

◆また,「廃棄物13号」が暗く陰鬱な物語なのに対し,ポン・ジュノの感性は,怪物映画でたくさん死ぬのに,くすりと笑わせる演出が,映画を不思議な雰囲気に彩る。

◆キャストがいい。ソン・ガンホ兄貴は当然のごとき自然体のすばらしさ,素晴らしいのが家長役のビョン・ヒボン。息子の馬鹿さを真剣に語る場面のおもしろみなど映画を奥深くする。「リンダ リンダ リンダ」のペ・ドゥナも役になりきる。怪物にさらわれるヒョンソ役のコ・アソンがまたいい。少女らしい笑顔と少年を救おうとする場面では母の強さを見せ,まさに女優である。

◆パニック時の個人を無視したおバカな政府とよその国のことに,平気で介入してくる某大国への皮肉を背景に一家族の団結した闘いだけが,怪物を滅ぼすそのカタルシス。ところが,結末が家族が万々歳にならないところがこれまた印象的だ。久しぶりに満足行く映画に出会う喜びよ。


◆エンドタイトルの終わりに音のサービスがあるので,最後まで席を立たないように。

2006年09月09日(土)

Singles キャメロン・クロウらしい選曲

テーマ:映画
ワーナー・ホーム・ビデオ
シングルス

◆レンタルDVDにて鑑賞。480P。直視管32インチモニターにて鑑賞。2chステレオ音声。

◆「エリザベス・タウン」にひかれて,キャメロン・クロウ監督作品をリクエストしたもの。


◆シングルスとは「独身専用のアパートメント」のこと。このアパートの住人達の群像劇。かっこつけて素直になれないスティーブとリンダ,紆余曲折しながらも,自らを見つめ,最後には物とのさやに収まるB・フォンダとマット・ディロン(こちらは役者名)の二つのカップルが中心となる。


◆キャメロン・クロウ監督らしい,ご機嫌な曲が選曲されており最高。スティーブは大学時代天才DJとしてならしたという役柄。ロック評論家のキャメロンと重なる部分があるのだろう。むろん脚本もキャメロン自身。


◆随所に笑いを振りまきながら,「自分に素直に」というテーマがストレートに胸に迫ってくる佳作である。


2006年09月06日(水)

新耳袋 「幽霊マンション」 悲しい結末

テーマ:映画
キングレコード
怪談新耳袋劇場版 幽霊マンション

◆レンタルDVDにて鑑賞。1080i。2chステレオ音声。

◆新耳袋の長編劇場版。原作は第6巻の最終章,京都の幽霊マンションに関わる数話のエピソード。それを一つのストーリーの中に織り込んだ脚本。幽霊マンションにとらえられた数家族の物語。


◆ヒロインの黒川芽以(ケータイ刑事シリーズ)は優しい顔立ちと自然な演技で好感がもてる。しかし,なにせあまりに悲しくおぞましい結末に「悪魔が来たりて笛を吹く!」と叫んでしまう。そんなダメおやじばかりじゃないぞ世の中は。おやじたちは毎日がんばってるぞ!と親父である私自身は憤る。


◆また,原作の不気味さが,このようにうまく解決されると薄れていってしまうきらいがある。「わけがわからないのがこわい」というのは小中千昭理論。私はそっちが好きだ。

2006年09月03日(日)

韓流フィルムフェス2 「君に捧げる初恋」 テヒョンらしさ全開

テーマ:映画
エスピーオー
君に捧げる初恋 特別版

iejin

◆長崎セントラル劇場にて鑑賞。韓流フィルムフェスティバル2006の一環。実は「ラブリー・ライバル」と連続して鑑賞した。


◆「猟奇的な彼女」や韓国版セカチューのチャ・テヒョンと「消しゴム」のソン・イエジンの熱血初恋貫徹物語。


◆冒頭からテヒョンらしさ全開で実に楽しい。こんなあたたかい暴走キャラというのは日本ではなかなかお目にかかれない。美女ソン・イエジンは最近のあか抜けた美しさよりも,初々しさが魅力的。高校生からOLまで演じるが,違和感なく素敵である。


◆ここでもう一人いい味を出すのが,父親で生物教師のアジシである。この映画でも,教師への敬いが根底にあり,その上に生徒と教師のつながりが固く成立する姿が見える。自分より長く生きている目上の人を敬い,大切にするという思想の重要さを感じる。日本ではなくなりつつあるものである。そんな社会で教育が成立するのだろうか。


◆さてお話はお決まりの不治の病にイエジンがなってしまいそれでも初恋を貫徹する男の純情がさわやかである。楽しめた。

2006年09月01日(金)

韓流フィルムフェス 「ラブリーライバル」 チビクミョンの涼やかな目

テーマ:映画
タキコーポレーション
ラブリー・ライバル
seyon

◆長崎セントラル劇場にて鑑賞。韓流フィルムフェスティバル2006の一環。

◆はたやめちゃな小学校の女教師と大人っぽい小学5年生の女の子の,ハンサムな美術教師をめぐる恋のライバル合戦。


◆めあては,もちろんチビクミョンこと主人公の5年生の女の子役のイ・セヨンちゃんだ。知的で涼やかなまなざしはすばらしい存在感だ。落ち着いた大人っぽい演技はチビクミョンの「私は王様の女なの」と言い放ったシーンを思い出させる。どこかさびしげな美しさは実に魅力的だ。


◆ストーリー自体はたわいないものだが,教師賛歌を感じさせる点が,日本とはちょっと趣が違う。師を敬う思想は大きい。日本の教師は受難の時代では無かろうか。そのような伝統的規範が崩壊しているのだから。 

2006年08月26日(土)

亡国のイージス  楽しめました

テーマ:映画
ジェネオン エンタテインメント
亡国のイージス

◆レンタルDVDにて鑑賞。1080i。DTS音声5.0ch。

◆「ローレライ」でがっくりした経験があったので,期待せずに鑑賞したのがよかったのか,なかなかに楽しめました。


◆あの分厚い原作をうまく映画の枠に収めてあり,クライマックスの空自の爆撃を回避するスリルなどなかなかでした。原作では,如月の生い立ちがかなりしっかり書き込まれており,また「へのこディストラクション」での「グソー」の強奪場面も肉厚の筆致で書かれるのだが,その辺が割愛されるのは仕方がないか。原作で楽しんでください。


◆自衛隊の全面協力が生きており,現代の攻撃がどのようなものであるのか,あっというまに多くの人間が死んでしまう恐怖が,もう一隻のイージス艦を攻撃する場面ではよく感じられる。


◆国防とは何かというようなテーマも大きくあるわけだが,素直にアクションを楽しめる作品である。

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