2006年06月28日(水)

フライトプラン スケール感は・・・小さい

テーマ:映画
ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
フライトプラン

◆レンタルDVDにて鑑賞。1080i出力。ドルビーデジタル音声。5.0ch再生。

◆予告編は良くできていて,とてもおもしろそうで観たくなる。だが,実際はこじんまりしたあまり心のひだに訴えてこないスケールの小さい作品である。


◆飛行機の内部という限定された密室で,濃密なドラマを展開するにはシナリオのおもしろさが大切になってくる。ここがこの作品の弱点であろう。犯人が分かったとたんしらけてしまう。


◆予告編では,子どもの失踪を確信するのに,窓に残したハート型がその根拠となるというふうに見えるが,本編ではそうでなく,ジョディーは終始,自分の考えに確信をもっている。セラピストとの会話にも,一瞬人間的な弱さが出そうになるが,強固な意志で打ち消され,鉄の女は戦い続ける。彼女には迷いや葛藤が無く,そこが逆に感情移入を妨げたのでは無かろうか。


◆ネタもととなった,ヒチコックの「バルカン超特急」は観てみたい。



2006年06月25日(日)

ぼくは怖くない 広い空驚異の高画質

テーマ:映画
ビデオメーカー
ぼくは怖くない

◆BS-iハイビジョン放送をHDD録画して視聴。2ch音声。

◆どこまでも続く黄金の麦畑。とんでもなく広い青空。白い雲。麦の穂の中を進むキャメラ。麦の穂が手に取れそうなほど恐るべき高画質ソフトである。


◆イタリアの海にほど近い村の明るい太陽と対比的に真っ暗な穴。汚れた毛布の中の闇。どこまでも吸い込まれそうな漆黒の闇に恐怖心は募る。それに負けない少年の勇気を描いた作品である。


◆うだるような夏の暑さを,母親アンナの胸元にしたたる汗が匂い立つばかりに官能的に表現する。イタリアの女性は非常に魅力的だ。


◆音楽は弦楽器を主体とした,美しい繰り返しの音楽だ。マイケル・ナイマンだろうか?エンドタイトルまで放送されなかったのは残念。


◆遠景と接写の美学。一言で言うとそんな作品だ。

2006年06月22日(木)

プリズン・ブレイク#3 セルテストとは

テーマ:映画
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
プリズン・ブレイク コレクターズ BOX1

◆レンタルDVDにて鑑賞。480P。32inchブラウン管モニターにて。ドルビーデジタル音声。

◆「24」の20世紀フォックスが送るサスペンスドラマ。その第3話。第2話の終わりで,植木ばさみで足の小指を切られそうになるが,そのおぞましい仕打ちは現実となり,一気にリアリティを増す。自分の無くなった足の指を見て,一筋の涙を流す主人公。知的でクールな中に,人間くささを見せてすばらしい演出である。


◆さて,題名がわかりにくい。「セルテスト」とは何だろうか?脱獄計画を練るシーンがフラッシュバックされるが,壁いっぱいの地図や張り紙の中に,「CELL TEST」との手書き文字が出てくる。「CELL」は「細胞」あるいは「小部屋」という意味であるが。


◆本話でテストされるのは,同じ部屋のスクレという黒人である。彼は石けんの携帯電話で主人公スコフィールドを裏切るかどうかが試される。見事に期待に応え,スクレは裏切らない。脱獄のための仲間と認定される。脱獄をひとつの生命体と考えると,スクレはそれを構成する「細胞」の一つということなのだろう。


◆脱獄計画の張り紙には「狐は速い」という文も見受けられた。これは今後のストーリーに関係してくるのであろうか。だんだんに謎が提示されてきて,おもしろくなってきた。

2006年06月19日(月)

エレクトラ 暗いシーン

テーマ:映画

◆レンタルDVDにて鑑賞。1080i。ドルビーデジタル音声。

◆アメリカ人の日本の武道・あるいは忍者への思い入れの強さを感じる。しかし,その流派の名前が「キマグレ」とは・・・。日本語がわかっていないというか。「気まぐれ」という言葉は良い意味には使われない。日本人が見ると,「あらら」となってしまう。


◆ヒロインのエレクトラは冷徹なアサシンなのに,情に厚く,また幼少時の体験で夢にうなされる,いわば精神が不安定な暗殺者である。この矛盾が感情移入を妨げる。


◆絶対的に強い敵との対決も,なぜか勝ってしまう。いいキャラのタトゥや毒ガス女も案外あっさり敗れてしまい,あれれ?ボブ・サップが一番リアルだったかな。


◆独自の作品世界を組み上げるに至っておらず,何より,エレクトラがセクシーでないところが,痛い。


◆暗いシーンが多く,3管式ではその雰囲気が良く出る。顔の半分影とか。

2006年06月17日(土)

ヴィレッジ 役者はそろった・・・だが

テーマ:映画
ポニーキャニオン
ヴィレッジ

◆レンタルDVDにて鑑賞。1080i出力。ドルビーデジタルEX音声!

◆どんでん返しが持ち味の,Mナイト・シャマラン監督作品。本作もやはり,そのどんでん返しが最大かつ唯一の見せ場。


◆脇を固める役者がすごい。ウイリアム・ハート,シガニー・ウィーバー,そしてエイドリアン・ブロディ(キングコング)が重要な汚れ役を演じる。おっと,忘れていた。ホアキン・フェニックス。しかし,十分に彼らのキャラ立てができていない。特にシガニーはただのおばさんである。ホアキンも印象薄い。ああ,もったいない。


◆さらに,前半の物語は淡々としており,寝てしまう。100年前に観客を閉じこめながら,なおかつそこでもドラマが欲しい。どんでん返しのために映画のすべてがつぎ込まれてしまうのはあまりにもったいない。


◆音声はドルビーデジタルEXを奢り,サラウンドバックが加わるが,ことさらに感心するサラウンドシーンも記憶にない。(家のセッティングが,三管プロジェクターの後方にサラウンドバックスピーカーがあるので,かんがえなくちゃあいけないなあ)


◆どんでん返しは,むろん「へぇー」と感心させられるが,精神としては「逃避」である。後ろ向き。そこにヒロインは無意識に闘いを挑むわけだが,最後はまた元の鞘に収まり,「逃避」村は続く。人間,戦ってこその人生ではないか,その中にこそ成長がある。いや成長のために困難は用意されているのだ。

2006年06月11日(日)

ダーク・ウォーター 救いのティム・ロス

テーマ:映画
角川エンタテインメント
ダーク・ウォーター

◆レンタルDVDにて鑑賞。1080i。DTS音声。

◆中田秀夫の秀作「仄暗い水のそこから」のハリウッド・リメイク。監督にウォルター・サレスが起用された。「モーターサイクル・ダイアリー」はとてもすてきな作品だったので,期待できる。


◆映像は暗く陰鬱。ざらざらとしたフィルムの質感があり,始終雨が降っているのに,何となくほこりっぽい感じがして不思議である。この暗い画面は,3管プロジェクターの得意とするところ。液晶の固定画素では厳しいだろう。


◆オリジナルとどうしても比べてしまうが,リメイク版は幽霊っぽさ,例えばエレベーター内のカメラに少し写るなどのオリジナルの見えそうで見えない「ぞっ」とする部分は少なく,ついにナターシャが姿を現したときも,お人形のようにかわいい生きた少女である。その辺はオリジナルの軍配が上がる。


◆リメイク版では弁護士のキャラクターを創出し,彼がジェニファー・コネリーを救う心強い味方を演じる。この弁護士の存在がほっとさせる。何と,ティム・ロスが演じている。ひげ面でメガネをかけており,背もそれほど高いと感じさせない(ティム・ロスは大男)ので,エンドタイトルが出るまで分からなかった。自然な演技に納得である。


◆音声はDTSを奢っており,音像が天上近くに定位することが何度かあり,「おおっ」と思わせた。クリアで迫力あるサウンドはさすがはDTSである。


◆テーマとしては「母親に捨てられた少女」という悲しい底流が流れており,それを見るものに強く印象づける。そんな子どもはたくさんいるのだろう。その悲しみは一生ぬぐえぬものだが,それを繰り返さぬ勇気を母ジェニファーは提示して終わる。「ずっと見守っているわ」と。

2006年06月09日(金)

ウォーク・ザ・ライン 君に続く道 吹き替え無し!

テーマ:映画
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
ウォーク・ザ・ライン 君につづく道 特別編

◆レンタルDVDにて鑑賞。480P。5.0Ch再生。


◆パンク・ロカビリーの寵児ジョニー・キャッシュと彼が愛したジューンの物語。

◆刑務所の慰問演奏でジョニーの登場を待つ囚人達。刑務所の作業場でするどいのこぎりの刃をさわりながら,回想へと入っていく冒頭のすばらしさ。どこまでも続く綿花畑の緑いろの映像にジョニーの過去へと自然に誘い込まれていく。


◆長男を失い,ジョニーにはどこまでも冷ややかな父。その冷徹な目で見事に印象深いのは,「ターミネータⅡ」の液体金属ロボットT1000の彼ではないか。貫禄付いたなあ。


◆ジョニーのホアキン・フェニックス,見事アカデミー主演女優賞を得たジューンのリース・ウイザースプーンとも吹き替え無しの自分の歌とのこと。すばらしい。実際のジョニーやジューンの歌声は知らないが,何の違和感もない。「ムーラン・ルージュ」「オペラ座の怪人」と吹き替え無しで役者さんが歌う映画が多いが,どれも上手く感心させられる。ジョニーの奥深い低音とジューンの軽妙な歌いまわし。うまいなあ。


◆ウォーク・ザ・ライン,「まっすぐ歩け」の通り,何の虚飾もなくまっすぐに愛を表現するジョニー,そしてクライマックスのプロポーズの感動。こんな愛の表現もアリだ。

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