2006年04月24日(月)

ミリオンダラーベイビー 終盤30分の重み

テーマ:映画
ポニーキャニオン
ミリオンダラー・ベイビー

◆レンタルDVDにて鑑賞。480P。5.1chドルビーデジタル音声。

◆劣悪な家庭環境に生まれ,13年もウエイトレスをしながら,客の残した食事を持ち帰り,小銭をためているのは,ボクシングチャンピオンになる夢があったからである。決して人に頼らず,甘えないその姿はさわやかである。彼女の真摯さとガッツは2人の男の心を動かしていく。


◆2人の男の教えを受けた彼女は,破竹の勢いで試合に勝っていく。どんどん高揚していく観る者の心。そのままカタルシスへと思いきや,最後に物語は突如方向を変えてしまう。この終盤の30分くらいがこの映画に賛否両論を巻き起こしたのは言うまでもない。


◆頸椎骨折で全身が麻痺してしまい,彼女のボクサー人生は残酷にも取り上げられてしまう。その彼女からさらに奪い取ろうとする最低の家族。夢を奪われた彼女にこれ以上生きていく理由は無くなってしまう。尊厳死を願う彼女。苦悩の末,それをかなえてやる老トレーナー。この老トレーナーにとてつもない重荷を背負わせて物語は終わる。最後の30分が,本作品を「生きる意味を深く問いかけてくる名画」へ結実させている。


◆尊厳死を扱った映画は,昨年「海を飛ぶ夢」を劇場で観た。これも軽妙さの中に,重いテーマを重ねたすばらしい作品であった。私たちが生きていくのは何のためなのだろうか。生きていくために生きていく他の動物と,人間との違いがそこにある。「海を飛ぶ夢」の飛行シーン,「ミリオンダラーベイビー」の病院のドアを開けて出て行くシルエットは一生忘れられない名シーンとして私の心に刻み込まれる。

ポニーキャニオン
ミリオンダラー・ベイビー 3-Disc アワード・エディション
2006年04月23日(日)

ドラマ日和 2時間の映画が重くなったとき

テーマ:ドラマ

◆この週末はドラマを数本見て楽しんだ。ドラマ日和である。

◆BSデジタル等をHDD録画して鑑賞。


◆まず,土曜日の朝は連ドラ「純情きらり」を一週間分楽しむ。宮崎あおいの笑顔にさわやかになり,そのがんばりに励まされる。連ドラの王道をいく展開である。劇団ひとりもいい味を出しており,インテリっぽい役が似合うし,嫌みがない。にぎやかな岡崎のストーリーの中に,長女杏子の封建的な悲劇の筋が一本挿入されていてなかなかにすばらしいのだ。次週はこの長女を救うために桜子が奮闘するようだ。楽しみだ。

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◆さて,HDD録画分の新番組「LOST」を観る。飛行機の残骸のリアリティはなかなかすばらしい。しかし,あそこまでめちゃくちゃに壊れていると,生存者は絶望的な気もするが・・・まあ,いいか。さらに,いきなりの姿の見えない怪物の登場には驚く。「ザ・グリード」のラストシーンを思い出してしまった。木をなぎ倒して進む恐ろしい怪物。こりゃのっけからハイテンションである。

 第2話は録画忘れしており,リアルタイムで最後の5分くらいを観た。くやしい!十年以上も発せられているフランス語の救助メッセージ。不気味である。第3話は録画忘れに注意しなくちゃ。木曜日,クッキの前だ。


◆次はその「クッキ」。第2話「家出」を観る。違う目的からの2人の子供の家出。敵役の子も憎たらしいが笑顔とえくぼがかわいくてよい。やはり敵役がどんと存在感なくっちゃいけない。その点では合格。クッキの明るさ素直さそして元気よさには励まされる。また,養母の醜さにも驚いてしまう。人間の様々な姿を極端な形で描いているのでわかりやすいドラマである。クッキの父の部下役は,「真実のために」の主人公かな。

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◆最後はハイビジョンドラマ「彗星生物WoO」第2話「私は殺される!」

 ハードな題名だが,内容もなかなかにハードである。ただ一人生き残ったアイは「防衛司令部」へ秘密裏に隔離。母親との連絡も取れぬよう細工をされる。そして登場マッドサイエンティスト「長倉博士」こと塚本伸也。白髪交じりのふけメイクで,足はびっこをひく。いいねえ。今回はそれほどクレイジーな演技は見せなかったが,終盤の内輪もめでは,その片鱗を垣間見せ,今後の狂い振りに期待したい。

 さて,ただ一人の協力者にも思えた葛城少尉にも裏切られたと思い,孤立無援のアイ。この状況は怖い。少年ドラマシリーズのダークさも少し含みつつドラマはあっという間に終わった。次は5月の放送だ。次回がヒーロー登場のようだ。

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◆結局2時間の映画より長い時間観たのかもしれない。けれど,良質のドラマには素晴らしい吸引力がある。何より,次をすなわち未来を楽しみにさせてくれる。


2006年04月16日(日)

フォーガットゥン  ロケット団!

テーマ:映画
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
フォーガットン

◆レンタルDVDにて鑑賞。DVI-D接続。1080i。5.1chドルビーデジタル音声。

◆人にとって記憶とはいかにも大切なものである。うれしい記憶があるから,明日を生きられる。辛い記憶があるから,次は同じ轍をふむまいと考えもする。リドリー・スコットの「ブレードランナー」では,レプリカント(人造人間)が,古い写真を大切に取っているシーンがある。だれも記憶無しには生きられないのかもしれない。


◆そんな記憶物である。ミステリアスな要素はおもしろいし,親子の見えない絆実験という着想もいい。しかし,全体に軽い感じがするのはシナリオの練りが今ひとつか。


◆特筆すべきは,2回のロケット団現象である。さすがに最後の「キラーン」の星は出ないけれど,実写でみると怖いものだ。


◆ヒロインのジュリアン・ムーアはさすがの名演技だが,この人あんまり好きじゃない,顔が。色白だが,肌にはそばかす状のものがびっしり。これもベッドシーンではいただけないよ。


◆音楽はジェームズ・ホーナーで,それなり。サラウンドもそれほど印象的ではない。

2006年04月11日(火)

彗星生物WoO 揺れる思いは戦場へ

テーマ:映画

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◆BS-hi放映をHDD録画して鑑賞。2ch音声。

◆円谷英二と金城哲夫がウルトラマン以前に企画したストーリーが復活。ハイビジョンの高画質で作製されるとは円谷氏は思わなかっただろう。


◆さて,ストーリー。学校でも家庭でも,自分でわかっているのに素直になれない少女像が語られ,彼女が否応もなく戦場へと巻き込まれていく。物語の先に少女の成長があることは想像に難くない。彼女のたった一人の理解者は先輩の男の子で中学中退という設定。主人公アイは中学2年の設定であり,揺れる年頃として最適。


◆脇を固めるは,美女黒谷由香(何と役名は葛城シオン少尉!エヴァに影響されてるか?),軍服の似合う役者永島敏行,そして第2話からは,奇才塚本伸也がマッドサイエンティストとして出演らしい。期待。


◆1話では彗星群の美しさ,その下には涙を流すシオン少尉が。これは名シーン。ラストの怪物襲来は唐突でスピーディー。CG臭くはあるが,次々におそわれる生徒達のシーンはなかなか怖い。さすがにNHKの少年少女向けなので,殺戮でなく生徒達は閉じこめられてしまうにとどまる。


◆WoOの造形は・・・うーん,ちと子供っぽすぎるかな。


◆2話ではいよいよヒーロー登場。期待しよう。一番の期待は塚本伸也ね。

2006年04月09日(日)

真実のためにVol2 第3話4話 ライバルはこうでなくちゃ

テーマ:映画
ジェネオン エンタテインメント
イ・ヨンエ主演 真実のために DVD-BOX

◆レンタルDVDにて鑑賞。480P出力。TV37型モニターにて鑑賞。1ch音声。

◆弁護士としての初仕事で,過労死に対する見事な弁を聴かせる。自らの父親の事故死との関連も明らかになり,過労死事件へのただならぬ主人公の思いが感動的な弁論となって,法廷の人々の心を打つ。

 しかし,敵もさるもの,シンファ事務所のはえぬきオ弁護士は,「大変感動的な演説」とさらりと流し,客観的に過労死を証明する物は何もないとクールに弁論。結局主人公ミンジュのデビュー戦は敗北に終わる。やはりライバルはこうであらねばなるまい。


◆物語は,切れ目無く今度はレイプ事件へとつながり,そこでもオ弁護士の弁舌はさえる。今度は,ミンジュと同期の検事のデビュー戦で,新人検事を苦況に陥れる。


◆この2回のストーリーでは,強力なライバルたるオ弁護士にスポットが当たった。美人検事は少ししか出番が無く残念。われらが,イ・ヨンエ様は父親の登場でぐっと庶民的になり,父親とのケンカしながらも仲良しという関係を見事に演じる。次回がますます楽しみなドラマだ。惜しむべくは音声が1chということ。

2006年04月09日(日)

セルラー ケータイコースタームービー

テーマ:映画
アミューズソフトエンタテインメント
セルラー

◆レンタルDVDにて鑑賞。DVI-D接続,1080i。5.1chDTS音声。

◆ケータイを上手に使った,ジェットコースタームービーである。姿さえ見たことがないヒロイン(キム・ベイシンガー)のために,主人公の男の子が駆け回るという設定がおもしろい。


◆深刻な状況なのに,カリフォルニアのビーチの明るさとコミカルな演出で暗くならない。ケータイショップでスマイルマークを拳銃で打ち割って,充電器を買う(盗むのではない)シーンや,ポルシェカレラの弁護士のまぬけさなど,実に楽しい。


◆最後にケータイの新機能(録画機能)が意味をもつところが,ケータイ会社の広告映画か?と思ったりする。エンドタイトルで,ケータイの表示部分にキャストやスタッフの名前が出るのもしゃれてる。


◆キム・ベイシンガーは相変わらずスレンダーでセクシー。生物の教師で,人体に5本しかない動脈を切って,相手を死に至らしめるなど,伏線がよく生きている。エンドクレジットにジェシカ・ビールの名前があった。主人公の恋人役かな?


◆DTS音声は大迫力。車のクラッシュシーンや銃弾の爆発音などリアルだ。鳥の声などの環境音も見事にサラウンドする。


◆コーエン兄弟の兄か弟がプロデュースしており,そのへんがおもしろさの理由の一つ。おすすめの快作。

2006年04月05日(水)

阿修羅のごとく 女は・・・

テーマ:映画
東宝
阿修羅のごとく

◆BS-フジ放送分をHDD録画にて視聴。ハイビジョン,2ch音声。

◆かなりのボケボケ画面に冒頭の「東宝」のマークからがっかり。しかし,映画の内容はよかった。


◆「猜疑心が強く,争いを好む・・・」阿修羅の定義が冒頭で示され,終末にこの映画のテーマを小林薫につぶやかせる。「女は・・・阿修羅だよなあ」実にわかりやすい。映画の中身は,この阿修羅たる女の姿が,4人姉妹で体現され,最後にひょうひょうとした母親もまた阿修羅なりで終わる。


◆であるから女優陣が輝いている映画であり,4姉妹それぞれに個性を放っている点が感心する。中でも,黒木瞳は見た目の清楚さと,内面の悶々とする阿修羅性がぶつかり合い,一層に印象的である。


◆深田恭子は自然な演技で,映画になじむのでいい女優だと思う。大竹しのぶは貫禄の演技だし,深津絵里はずいぶん小さい人だと思った。大竹しのぶもかなり小さいがそれよりも小さいのが,終末の墓参りで一一列に並んでいる場面でよくわかった。背丈は小さくても,演技はきりっとしていて大きく見えるのだから,これまたいい女優さんだ。


◆男優陣はそれを引き立てる役。昔ながらの向田組は小林薫だけだが,中村獅童がコミカルな演技で盛り上げてくれる。御大仲代達也はいわずもがな。


◆いい作品なので,画質がもう少し鮮明であってほしかった。音楽は大島ミチルで,トルコの音楽に負けない,雰囲気あるコミカルな楽曲で楽しませてくれた。ナレーションで「和田勉阿修羅」の加藤治子がクレジットされているが気付かなかったなあ。和田勉版で娘役だった八千草薫は,母親役に。この人もすばらしい女優さん。女優のすばらしさを感じさせる佳作だ。

2006年04月03日(月)

アビエイター 演技力にたじたじ

テーマ:映画
松竹
アビエイター プレミアム・エディション

◆レンタルDVDにて鑑賞。DVI-D接続,1080i。5.1chドルビーデジタル音声。

◆オスカーに縁が薄いマーチン・スコシージ監督のイーストウッドにオスカーを持って行かれた作品。


◆何と言っても,ディカプリオの演技の凄さに驚く。潔癖性で常軌を逸し,何度も同じ事をつぶやく異常な姿は鬼気迫るものがある。「ギルバート・グレイプ」の障害をもつ少年の演技も同様にすばらしかったから,根っからの演技派なのである。「タイタニック」ではこの底力が全然出ていない。そういう点でも,本作は彼の演技力を十全に見せてくれることで価値がある。


◆異常かと思うと,公聴会での大演説で,相手政治家をこてんこてんにやっつける場面は,実に小気味よい。この二重性が不気味でもある。


◆サラウンド感はふつうというところ。偵察機の初飛行で飛行機が人家に落下するところはなかなか。


◆天才の苦悩と喜びを感じられる佳作だ。


◆2人のケイト。ブランシェットとベッキンセールは対照的な美しさだが,ブランシェットのセレブさ,知性,苦しみはより印象的。

2006年04月02日(日)

真実のために 骨太の法廷ドラマに清楚な花

テーマ:ドラマ
ジェネオン エンタテインメント
イ・ヨンエ主演 真実のために DVD-BOX

◆レンタルDVDにて鑑賞。1ch音声。

◆「親切なクムジャさん」の予告編で知った,韓国法廷ドラマ「真実のために」レンタルリクエストかけるとすぐに届いた。まだ,みんな知らないのかもしれない。


◆全8巻の第1巻目を鑑賞(1話・2話)。ロースクールの研修生を主人公に(ジャッキーチェン似?),エリート弁護士集団「シンファ(神話)」と小さな法律事務所の天才弁護士の対決が,骨太の法廷ドラマを見せてくれる。この小さな法律事務所の秘書役が,清楚な花のごときイ・ヨンエ様である。自らも事件を調査し,弁護士を支える。その存在はまだ脇役に徹している。


◆対照的にエネルギッシュな正義感を全開して見せてくれるのが,女性検事(ソン・ユナ)。上からの圧力に屈することなく,起訴状の締め切り時間に間に合わせるために走る走る!大変に印象的である。


◆3話からは,天才老弁護士が病に倒れ,ロースクールを出たばかりの主人公が,弁護士として活躍する。それを支えるヨンエ。楽しみなドラマのスタートだ。

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