今から丁度20年前の1996年5月9日、
日生球場で行われた近鉄・ダイエー戦の試合後、事件は起きました。
その年ダントツの最下位を走っていたホークスは、この日も
秋山のホームランで先制したものの逆転され、そのまま敗れました。
チームは4連敗、これまでに9勝22敗の借金13、勝率3割を割る惨状に、
怒ったファンがバスを取り囲み、生卵約50個ほどを
バスのフロントガラス等に投げつけたのです。
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予兆は試合中からありました。
秋山・工藤・小久保などスター選手を集めながら勝てない現状に
「頼むから辞めてくれ、サダハル」
「その采配が王まちがい(大間違い)」
「病原性敗北菌OH-89」
「5年も待てるか、今すぐ辞めろ」
目を覆いたくなるような横断幕がスタンドに掲げられていました。
卵を投げつけるファンの暴挙に、選手の中には
「バスの外に出て、ファンを止めるよう言いましょうか?」と
いう者もいましたが、
王監督は「俺たちが負けるからこうなる。むしろ、この光景を
目に焼き付けておけ・・・」と選手たちに話したといいます。
「今のホークスの強さの原点は、あの一件。
あの日からすべてが始まった・・・」
監督以下選手たちが「こんな思いまでしないといけないのか・・・」
と考える辛い経験があればこそ、今の強いホークスがあるのでしょう。
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野球評論家の小早川氏が、各球団を見て回って
思うことがあるそうです。
「2年連続日本一のホークスが、やはり一番真剣に、
一番たくさん練習している。この差はどこから来るのだろう・・・」
我々ホークスファンが毎年のキャンプなどを見ていても、
ふざけ合いながら、のんびりやっていた20年前と比べて
質量ともに充実し、緊張感の伝わってくる練習風景になりました。
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昨日時点でホークスの成績は、20年前の丁度「勝ち負け逆転」の
22勝9敗の貯金13、勝率7割・・・
早くも独走態勢を固めつつあります。
「怒りが我々の人生を変えてくれる」ということも
あるのかもしれません。。。。。
井崎