能力不足の社員を退職させる際に注意する3つのポイント③-不当解雇の訴えに負けない会社を作る | 労働基準法の解説ー休憩時間、労働時間、解雇、退職、残業など

能力不足の社員を退職させる際に注意する3つのポイント③-不当解雇の訴えに負けない会社を作る

 前回までに、「退職願をとりつけること」「能力不足について証拠を残す」ことが不当解雇の訴えに負けない会社を作る大事なポイントですと書きました。


 今回は3つめ目のポイントについて書きたいと思います。


 解雇する前に「別の仕事を担当させる」ということが重要なポイントになります。


 裁判所で解雇が正当と認められるためには、会社として別の仕事を与えるあるいは配置転換をするなどして、「本人の能力に見合う仕事を与え雇用を維持しようと努力した。しかし、それでもダメだったのでやむなく解雇した」という実績が必要です。

 

 「そこまでしなきゃいけないのか」と思われる経営者の方もおられると思いますが、そこまでしないと裁判所は企業側の声に耳を傾けてくれません。


 別の仕事を担当させる、あるいは配置転換をするときのポイントは、問題の社員に対して、「今回別の仕事に移ってもらうのは、あなたが現在の職務を十分にこなせてないからですよ」というメッセージを明確に伝えることです。


 経営者や管理職の立場からすれば、能力不足などということはなかなか面と向かっていいにくいことかもしれません。


 しかし、これを明確に言っておかないと、問題の従業員の立場からすれば、「いままで特に問題点をしてきされていなかったのに、ある日突然呼び出されて能力不足だと言って解雇された」ということになります。

 このような場合、裁判所は絶対に解雇を正当とは認めません。


 別の仕事を担当させる、あるいは配置転換をすることを決めたら、能力不足の社員と面談をもち、その場で、異動の原因は能力不足にあることを明確に伝えて下ださい。そして、伝えた内容を記録に残すことが必要です。

 

 このような明確な警告をしながら、能力不足の社員を配置転換し、別の仕事を担当させた実績を作り、それでも能力不足だと言う場合に裁判所はようやく解雇が正当だと認めてくれるのです。

 

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