キンカ堂が潰れていた。
池袋の顔として、長いあいだ親しまれていたキンカ堂が、池袋から消えた。
ショック・・・だった。が、同時に、あぁ、やっぱりなぁ、とも思わずにはいられなかった。
城北エリアの服飾関係者や、手芸、裁縫等の愛好家はもちろん、はたまた全く無関係な私でさえ、
高校時代の家庭科の課題のために、ずいぶんとお世話になったものだった。
加えて私などは意味も無く、蒲田のユザワヤには負けてくれるなよ、
などと無駄なライバル意識を燃やしたくらい、
池袋といえば、ビックカメラ、サンシャイン、キンカ堂だったのだ。
閉められたキンカ堂のシャッターに、破産勧告の貼紙と、たくさんのキンカ堂愛用者たちのメッセージが貼ってありました。
中には、こんなのも。
感謝状。泣かせるねぇ。
「なくなんないで!」の文字が、ひときわ目立ってました。
ほかにも、社長や経営者宛てに、従業員にちゃんと給料を払ってあげて下さい、なんてのもあって、何と言おうか言葉も無いんだけど、、、
この長い不景気で潰れた会社や店舗は数知れず、しかしこれほど反響が大きい倒産は久しぶりのような気がした。
それだけ多くの人から愛され親しまれていたのかと胸が熱くなると同時に、経営者に対して少なからず憤りを感じずにはいられない。これは私だけでは当然無いでしょうね。この貼り紙が物語っていますから。
店内をご覧になった方ならお分かりだと思いますが、
「こりゃあいったい誰が買うんだろーな?」と思うような商品が大量にあったり、
「在庫管理ったって・・・これじゃ大変だろーな」と感じるほど、雑然と物が積み上げてあったり、
古いビルに古い店舗だからって、もう少し綺麗に見せる工夫をしてもいいんじゃないかなーとか、
客から見ても、改善点は山のようにあったと思われるわけです。
当然、商品としては洒落たパーツも置いているのに全くオシャレに見えない、むしろ野暮ったく見える。
だってそれがキンカ堂じゃん。・・・という定義づけさえ、あった感は否めない。
いつ行ってもあまり賑わっているようには見えなかった。し、生地や手芸用品、ボタンだの糸だのビーズだの、いわゆるパーツ、部品ですな、そういうものを買いに行っても、まさかキンカ堂で靴や洋服(既製品)や下着でさえも購入する気にはついぞなれなかった。
なんだろうな、キンカ堂を嫌いなんじゃないのに。デパートと同じものを売ってたりもしたのに。
下着なんてワコールとかトリンプとかグンゼとか、どこで買ってもメーカーは一緒なんだしね。
なのに、なんだか恥ずかしい気分になったり、既製品を買う気分にならなかった記憶がある。
「なにもキンカ堂で買うこと無いか」
つまりは、そういうことなんじゃないかと思います。
同じメーカーの同じ商品が同じ値段で別のもっと小奇麗な店で売ってると知っていたら。
そう思われちゃったら、おしまいだ。
本当はみんな、わかってたと思うけど。
お客さんも、お店の人たちもみんな。
それでも変われなかったのかな。
トップの人たちの耳には入らなかったのかな。
残念です。
とても。
社会人ビッグバンドのユニフォーム。
オレンジシャツと黄色いネクタイ。
キンカ堂で生地買ってオーダーメイドで揃えたのに。
新メンバー募集の際には、在庫でサイズ制限しなきゃいけないじゃないか。
どうしてくれるんだい。え?
他にも困っている人は大勢いると思うんですが。
時代なんでしょうか。


