魔のランチタイム

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昼御飯は社食。お弁当を持って行ってもかまわないんだけど、安くて温かい日替り定食は、やっぱり美味しい。座ってれば目の前に出てくる食事は、唯一家事労働から解放される、至福のひと時でもある。
ただ最近困った事がある。

お料理好きのパートさん。 
日本人では無い彼女。
家で作った手作り料理を、毎日のように持ってきて、みんなに「食べて~」って配ってくれるのだけれど、それが…いつもいつも、何を食べても
不味いのだ。

煮物、炒め物、揚げ物、おかず以外では本人いわく、スイーツだよと言うシロモノ。
ちょっと味が足りないとか、濃いとか、そう言うレベルじゃない。
隠し味に何かを入れて、凝った料理にしているらしいのだけれど、それが逆に全てを打ち消してしまって、
変な味なのだ。  
この食材は、この料理には普通は入れないだろう?というものが、ふつーに入っている。
どうやったら何を入れたらこんな味になるのか、こんな歯応えになるのか、衝撃の料理である。

みんなの口にした瞬間のコメントが、非常に苦しい。
お世辞にも美味しいとは言えず、いや、美味しいと言ったらきっと「また作ってくるね」と言うに違いない。
それは絶対に阻止しなくちゃならん。

だから、
へー面白い味だね~
こういう料理の仕方もあるんだね~
マメだね~
お料理好きのお嫁さんもらって、旦那幸せね~
(その旦那のコメントが、一番聞きたいところであるのだが.....)

一番苦しいのは、ふた口めである。
みんな手元がスローモーション。
ためらいがお箸の先に充満している。
  
お腹一杯だからと、断ればいいのだけれど、せっせとテーブルを回って、みんなの定食のお皿に乗せていくのだから、そうもいかない。

今日は、八角の香辛料が恐ろしいほど効いた、グタグタに煮崩れた大根の煮物が登場した。
苦い漢方薬を、水無しで飲んだかのように、しばらく舌の感触がおかしかった。 


断れない差し入れは、いつまで続くんだろう。
彼女が日本の料理、日本人の味覚を習得出来る日は
相当先になりそうな気がする。
 







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