やっていたのはボクシングの試合なんですが、リングサイドやお茶の間で

見ていた人達が下したかった審判は、どうやら別のところにあったようです。

今回の常識人対無礼者対決は、かなりの盛り上がりを見せてくれました。


道徳心のかけらも無い親子を、現代的でかっこよいと見る人がいたとしても

挑戦する身でありながら、目上の人を生意気にも君付けで呼び、ゴキブリとまで

言い放つ失礼極まりないボクサーを、このまま勝たせているのはとても許しがたい。

そう感じていた人が多かった事は、今朝の多くの人の反応を見れば歴然です。


格闘技にある種の「はったり」は必要だけれど、それは自分の闘争心を高める事が

目的であって、相手をののしったり馬鹿にしたりおちょくる事では無い気がします。

試合中に舌をべーっと出して、腰をフリフリする下品なボクサーを、日本人が皆で認め

平気で世界のリングへ送り出す国民と思われて良い訳が無いです。

一言。負けてくれて良かったですよ。



個人の自由はあったとしても、社会の一員である限りは、規制も要求されるし

それ相応の節度を弁える義務もあります。

それが出来ないのなら、ジャングルで猛獣とでも戦って、王者になればいいのです。



そこのところの大きな勘違いを、どうやったらあの親子やそれを援護するまわりの

人間たちに気付かせる事が出来るのか。

内藤選手の言う「国民の期待」とは、そんな所にあったような気がします。



結局最終ラウンドでは、身体はいくら鍛えていても、荒削りで未熟な精神が

飛び出してしまいました。

小さな子供が、文字や絵を画用紙に描きはじめたけど、上手く書けなくて

最後にはペンでぐちゃぐちゃに塗りつぶす。

そんな幼稚な試合の投げ方でした。


「お子ちゃま」もいつかは必ず大人になれる。

社会が認める精神になれた時、今の素晴らしく鍛え上げられた筋肉質の身体が

キンキラの衣装などはまとわずとも、きっとピカピカに輝いて見える事でしょう。

どうぞ真のチャンピオンを目指して精進して下さい。