飴細工の思い出

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小学校の低学年の頃だったと思う。

住んでいた近くの公園に、飴を売るおばあちゃんが毎週来ていた。


小さな押し車に、古びた木の箱を積んで、そのおばあちゃんはやってくる。

親から貰った10円玉を握り締め、飴細工の小さなお店の開店をじっと待つ。


今思えば、そのおばあちゃんはかなりの偏屈婆様だった。


まず笑わない。そして愛想も無い。かなり威張っている。

とても子供相手の商売をやっているような気さくな婆様では無かった。


だから平気で待たせるし、並んで待つ子供が何人溜ろうと急がない。


一言で言えば、職人気質って感じだった。


感じはかなり悪いが、このおばあちゃんの作る飴細工は、それはそれは

芸術品だった。


木の箱の中には、形が変形しているようなぼろいアルミのボールが入っている。

その中には真っ白でどろどろにとけた飴。

でも艶があってとても綺麗な飴だった。

たぶんあの箱の下には、飴を柔らかくする為の燃料があったんだろうな。


店が開店する。


「何がいい?」

つっけんどうに先頭の子供におばあちゃんは尋ねる。


動物、鳥、自分の好きなものを注文すると、おばあちゃんの芸術作品が

瞬く間に仕上がっていく。



熱々の飴を、ビローンと伸ばしながら適量を取り、割り箸の先にそれを

丸めてくっつける。

ウサギがいいと言えば、丸い塊だった飴を器用な手つきで形付け

握りバサミで、ウサギの耳になる部分を伸ばしながら作るのだ。

その握りバサミの使い方が、とにかく上手くて見ごたえがあった。

最後に箱の前に並べられた食紅を筆につけ、目や口をつけて

飴細工の完成だ。


自分が作ってもらえる順番を、首を長くして待っていたっけ。

そのおばあちゃんの飴細工は、本当に芸術品だった。


その後おばあちゃんは、公園に何故かぷっつりと来なくなってしまった。

子供心に、おばあちゃんはどうしたのかかなり気がかりだったっけ。


何故かふと思い出した飴細工。

探してみたら、まだ残っていた。

ちょっと嬉しくなっちゃった(*^o^*)



飴細工ってこれ

  ↓

飴細工


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