リペアかオーバーホールか

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わかる人にしかわからない話なのですが。


職場復帰して約2週間。
そろそろ落ち着いてきたので
昨日
所属しているオーケストラにも
休んでいたことを詫びる挨拶に行くことにしました。


オケのみんなからは

『おー、久しぶり!』

『もう大丈夫?』

『寂しかったよー』

『また一緒に演れるね!』

などなど、嬉しい言葉の数々を頂戴し。

今夜はこれだけで帰ろうかなと思っていたら
師匠(指揮の)が
『櫻乃ー!せっかくだから吹いていけよ!』
っておっしゃってくれるので。

嬉しくて
でも久しぶりの音合わせにちょっとドキドキしながら
まずは譜面台を組み立て
次に楽器立てを組み立て
そして楽器自体を組み立てます。


で、まずは軽く吹いてみる。


久しぶりだな…




ん?


やっぱり…。


薄々 感じてはいたのだけれど



G(ゲーと読みます。ドレミファソラシドのソ)の音が明らかにおかしい。
他の音も なんか…。
半音階下がってる?

チューニングメーターを確認すると
関係者なら誰が見てもわかるくらい
針の振れに異常が…。



わたしが使っている
現在のフルートは
オルゴールで有名なSankyo製のひと品。

7歳からはじめて
初心者の頃は
お決まりのヤマハ製を使っておりました。
マウスピースだけ銀製で
あとはステンレス製の110000円くらいのもの。


当たり前ですが
楽器は素材が何でできているのか
お値段はいかほどかで
かなり音が違ってきます。

高価であればあるほど
吹きにくくもなるけれど
そこは こちらも
攻略法を身につけていくわけで。


前歯の治療ですら
音が変わってしまうため
楽器吹きは唇の回りを常に気にかけ
変化には躊躇する日々。

以前 歯医者でインプラントをしつこく勧められたことがあるのですが
『楽器吹きなので』と
半ばマジギレで断ったこともあるほどなのです。




中3の卒業間近
初心者向けののヤマハ製を卒業し
そのあと初めてムラマツ製のものを購入したんだっけ…。


いまのムラマツは2代目。



現在愛用している黄金色のSankyo製のものまで
色々な紆余曲折があったわけです。


現在のSankyo製のもののお値段は…

言えません(笑)


まぁ、そんなことを思いつつ
頭が真っ白になっているまま
オケを休んでいた約半年間のことを
ぼんやり考えていたら
いざ音合わせとなりました。


音合わせは
Gの音で行われます。



恐る恐る息を吹き込むと…。




途端に。



『フルート!
誰だ?
GがGes(ソの音より半音階下がっていること)になってるぞ?!』

しぶしぶ手を挙げるわたし。


師匠
『櫻乃…。
休んでる間 楽器の手入れサボってたな?
ムラマツに代えろ…(師匠、呆れ気味)。』

『はーい…。』

そう。
とりあえず、こういうときのために
代えの楽器も持って行ってるわけです。


実は Sankyoのは
一応休んでいる間もお手入れはしておりました。
調整は少しなら自分で分解してできるため
騙し騙し使ってたんだけど…。


あぁ ここのタンポ(キーの裏側に張られたシリコン製や紙製、フェルト製等の部品)がもうダメだな
あぁここのトリルキー(音にコブシのようなものを入れるキー)のタンポも…。



楽器は
繊細な女性のこころほどに
敏感なものなので。


少しの変化が
音の変化につながってしまうものなのです。



ちょっと気づいてた。


そこで考えました。



これ…。
リペア(調整、修理。
ダメな部分だけを取り替え 音を調整する)か
オーバーホール(楽器全体バラバラにし 修理清掃を行い
交換が必要な部品を
すべて取り替えて再度組み立ててもらう)か…。



当然
リペアとオーバーホールでは
かかる費用も大きく違いがあって。


リペアなら
2万円台から
オーバーホールは
たいてい5万円を下りません。
場合によっては
10万円台に乗ることも…。


Sankyo製とは違う
ムラマツの銀製ならではの渋い音が響いていきます。
値段はSankyoの半額以下なのですけど。

その音を自分で確かめるように聴きながら
頭の中では
色々ひとり商談交渉イメトレ。


んー。

どれくらいの費用がかかるのかなぁ…。



ヤマハ製のように
楽器自体が11万円くらいのものに
リペアやオーバーホールをかけるなら
買い替える方がいいけど
Sankyoを買い替えるとなると
すごい勇気と決断と資金が要るため…。


メーカーに相談することにしました。


結果は

リペア(調整、修理)で済むって♡


ホッとしました。




ほんとによかった(笑)









この暑い夏が終われば
秋は芸術の季節。


演奏会が何公演か続くので

すぐに預かってもらいました。


夏が苦手のわたし。




涼しい風が吹いて
楽譜の上にこころが踊るのを
楽しみに
毎日を過ごしています。




音楽は国境をも越えるもの。



もちろん
オケには様々なタイプの人間がいます。
穏やかな人
荒々しい人
自信満々の人
謙虚な人
陽気な人
おとなしい(というか暗い寄りの)人
近寄り難い人
人懐っこい人
優しい人
意地悪な人(うふふ(^^))
オタク?っぽい人
本当に様々。

音楽家は
プロ アマ問わず
自分の世界観
自分のこだわりを持っているため
その個性がぶつかり合うのがオーケストラ。
これは どこのオケも同じです。


けれど
その様々に違う個性を持った者同士が
ひとつひとつの曲をこころを合わせて紡ぐとき
そこに大きな力が生まれる瞬間があって


透き通るように優しく
時に力強く
時にいたわるように
慰めるように
励ますように。

音の波が客席に押し寄せていくのです。


その一音一音がお聴きくださる方々の

お心の琴線に触れたり
お心を動かしたり。



ご一緒にノリノリになってくださる方
涙される方
静かにお聴きくださる方
そのスタイルは人の数だけ十人十色だけど。




音楽は
魔法です。



ひとを想うみたいに

一音一音を丁寧に丁寧に。


丁寧に

一枚の布を織るように紡ぐ一曲一曲。







甲子園の季節 真っ只中だけれど


まさに




わたしたちも また



一音入魂!です。





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