コミュニケーション手段として英語を学ぶ | 最適性理論(音のストリーム)で英語を覚える

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三宅義和イーオン社長と文部科学省教科調査官、国立教育政策研究所教育課程調査官の向後秀明さんが文科省が目指す英語教育改革とは何かについて話しております。


【三宅】では、いよいよ変わる学校英語教育についてお伺いします。11年度から施行された現行の学習指導要領において、全国の小学校で外国語活動が入るということと、それから高等学校では英語の「授業は英語で行うことを基本とする」ことになりました。そこでまず、小学校ではどのような経緯で外国語活動が導入され、5年を経過して、どんな成果が上がってきましたか。


【向後】小学校の英語教育は、1998年(平成10年)告示の学習指導要領までさかのぼります。そこでは「総合的な学習の時間」が設けられました。その時間の中で、「国際理解に関する学習の一環としての外国語会話等」と明示されたのが最初です。


この学習指導要領は、2002年(平成14年)度から全面実施をされていますが、数年のうちに全国の90%以上の小学校で、何らかの形で外国語教育が行われるようになりました。しかし、授業内容は各校の判断に委ねるということで、かなりバラツキが見られました。


次いで、2003年(平成15年)の「『英語が使える日本人』の育成のための行動計画」。この中で、小学校における英語の必修化が課題の1つとして取り上げられています。そうした背景を受けて、2006年(平成18年)3月の中央教育審議会外国語専門部会で、小学校段階での英語必修化を方向づける審議の結果が公表されています。


成果に関しては、毎年、調査を行っていまして、結論から言えば、大きな成果があったと思っています。例えば、2014年(平成26年)度の文部科学省の調査では、「英語が好き、どちらかといえば好き」と答えた児童が70.9%です。それから、「将来、英語を使えるようになりたいと思っている」という児童が91.5%。


少なくともこの結果からは、児童に対してポジティブな効果があったと言えます。また、小学校教員と中学校教員にも同時に調査をしています。外国語活動の導入によって、児童の間に変化が見られたという声が多い。例えば、音声に慣れ親しんでいる、基本的な表現に慣れ親しんでいる、といった点です。ここでも一定の成果が確認されました。


【三宅】われわれのろころにも子どもさんがたくさん通ってこられますが、確かに全体的に英語レベルが上がってきていると感じます。6年生までに英検3級以上に合格する子が、この1年間に340人ぐらいになりました。準2級、2級の子もいます。これからもっともっと増やしていきたい。


【向後】そうですか。それはすごいですね。


【三宅】やはり、教科としてではなく、外国語活動として導入したことが良かったのでないでしょうか。というのも、教科となってしまうと、どうしても「間違ってはいけない」と身構えてしまいます。そうではなく、外国語でのコミュニケーションの手段として習うということであれば、子どもたちも興味を持つはずです。


【向後】今、三宅社長が指摘されたところが一番のポイントで、それが「慣れ親しむ」ということにつながります。外国語を楽しむという感覚ですね。外国人講師との触れ合いでも、取り立てて心理的なプレッシャーを感じるという子どもは少なくなってきているようです。もちろん、これだけ外国の方が日本に来るという状況の変化はあるにしても、私たちが子どもの頃は、外国人というだけで緊張していました。そういうことは減ってきましたね。


【三宅】私どもが主催する英語のスピーチコンテストでも、審査員の先生が発表の前、参加者に“Are you nervous?”って質問するわけです。すると、みんな“No!”と大声で答えるのです。もちろん、スピーチの際も実に堂々としています。外国人がいようと、誰がいようと、自分を失わないで発言しています。文科省の方針を含めた英語の早期教育が、こうした状況を創り出したということでしょうね。