言わずと知れた第130回芥川賞受賞。

主人公は高校に入学したばかりの蜷川とハツ。
クラスでは余り者同士で、アイドルオタクの蜷川をハツが気にし始め二人の不思議な友情関係が成り立っていく。そんな姿が描かれている。
二人の会話、ハツが蜷川を観察し思う色々な感想、余り者でも強い意志があり負けたくないと思ったり頑張ったりする姿・・・逞しいというのか、なんと言うべきか。
全てにおいて、どう表現したらいいのかわからない、という感想しか浮かばないのだ。

思春期の女の子の日常、感受性豊な主人公という点はこの作家の特徴なのかもしれないが、その表現の仕方がいまいちピンとこず、私の心には読み終えても何も残らない。主人公の内面をきっちり描いているようで、何か物足りなさが残ってしまう。
イマドキの若者を理解しきれない私の度量の問題かもしれないが。
とにかく淡々と続くハツの毎日、いじめられているんでもないがなんだか浮いてしまっている感じは伝わってくるが、私にはあまり迫ってくるものがなかった。

ストーリーどうのこうのより、このような文章力で芥川賞を受賞出来るのか。という感想のが先に来てしまった。
個人的に、この作家が苦手だということを認識するのみとなってしまった。

題名のインパクトは素晴らしい。
題名って大切だ。
が、なんだか消化不良だった。

<河出書房新社 2003年>

著者: 綿矢 りさ
タイトル: 蹴りたい背中
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