loveletter 電子子書籍配信のサービス『Timebook Town』にて連載されたものを単行本化。
ラブレターにまつわる様々な想いを綴る恋愛アンソロジー。

『ありがとう』は石田衣良の作品。
大学に入学した僕が出会ったのは「美丘」という名の個性的な女の子だった。
春先にグレーのコートを羽織り、意思の強そうな風貌で、クラスメートの男子の中には怖いとさえ言う者も居た程だった。
けれど、僕は美丘に惹かれていった。
偶然が重なりランチという名のデートをした時、突然セックスしたいと言われ面食らったけれど、もちろん気になっていた女の子からの申し出を断るはずもなく、僕は美丘とセックスする。
そこで初めて聞く美丘の病のこと。
それから始まる二人の暮らし。
愛に満ち溢れた二人の暮らしはそう長くは続かず、美丘は逝ってしまう。
美丘と過ごした数ヶ月が僕の心に広がりつづける。

いつか僕は、美丘の名前のように美しい丘で君にありがとうを言うのだと誓う。


その他、島村洋子や山崎マキコ、井上荒野の作品も心に残る。
思ったよりパッとしないアンソロジーだったが、いくつか切なさでホロリときそうな作品が含まれていたのでまぁ◎という感じである。
アンソロジーが増える昨今だが、もう少し突飛な作品やアンソロジーならではと思える短編を読ませて欲しいなと欲が出てきた。


<幻冬舎 2005年>


石田 衣良, 川端 裕人, 森福 都, 前川 麻子, 島村 洋子
Love Letter

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