ginza24 「銀座百点」というタウン誌に掲載された短編集。
銀座を舞台にした悲しい恋、せつない結婚、羨ましくなるような友情、懐かしい思いなど様々な物語が詰まった24人の作家が描くアンソロジー。


『銀座カップル』は森村誠一の作品である。
主人公は山葉一朗と恵の夫婦。
二人は銀座の街角で偶然出会った。
その時、自称・カメラマンという国東にスナップを撮られたことから二人の仲は進展し、やがて結婚に至る。
しかし結婚生活が二年を経過した頃、二人の関係に亀裂が生じはじめる。
小さな事柄であるが、お互いに不満を抱き寝室も別になり、二人は離婚を決意する。
そんな時、国東からカメラと訣別するので最後に写真展をやるから見に来て欲しいとの連絡が入る。
二人は夫婦生活の終止符をこの写真展で、と話し合い出掛けて行くが、ここで国東に会うことは出来なかった。


エッセイのようなタッチの物語も多く、これは著者の経験談なのだろうか?それともフィクションで作りこんだ物語なのだろうか?と読み終えたあと考えてしまう。
しかし、それが楽しくもあり次の物語への誘いでもある。
本書の魅力はなんといっても椎名誠から赤川次郎、群ようこから平岩弓枝まで幅広いメンツを揃えた作家陣。
普段全く手にしない嵐山光三郎や連城三紀彦が意外に肌に合ったりと、アンソロジーならではの楽しみの要素もたっぷりあると思う。
私のように読む作家が偏っている場合は、特に刺激になるだろう。
十数ページの短編が24収録され、通勤にも寝る前のちょっとした読書にも向いてる。
男女問わず楽しめる1冊。


<文藝春秋 2001年>


銀座百点
銀座24の物語 (文庫本)


椎名 誠, 皆川 博子, 久世 光彦, 山田 太一, 赤川 次郎
銀座24の物語 (単行本)

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