マドンナ / 奥田英朗

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この著者が直木賞を受賞する2週間程前に書店店頭で目にした装丁と帯のキャッチに引かれて購入した1冊である。
平積みされていたのは、きっと直木賞候補になっていたからだろう。何も知らず買った私である。これでも趣味は読書だ。

話を本筋へ戻す。
「いかん、部下を好きになってはいかんのだ」というキャッチ(帯に印字)を見ても、明らかにオヤジが主人公の物語だということは想定できた。
実際開いてみると、5編の短編で成り立っており、全ての物語の主人公が中年サラリーマンである。=オヤジ達だ。
会社や自宅でオヤジたちは何を思い何を考えているのか。
オヤジのほのかな恋心、オヤジの切ない叫び、オヤジの興味ある出来事・・・
オヤジというのは失礼な表現だが、主人公達はオヤジ、という感じなのだ。でもそれは決して馬鹿にしているということではなく、けなしているということではなく。
オヤジなのだ。

オヤジはオヤジの視点で色々なものを見、感じ、日々生きている。
そんな毎日をユーモアたっぷりで描いている。
部下や妻や子供との衝突、中間管理職ともなれば部下と上司の板ばさみ・・・オヤジも大変なのだ。そんな日々の中で、淡い恋心を抱いたり、男として頑張ってみたりしているのだ。オヤジも、オヤジで毎日多忙なのだ。
そんなことを教わってしまった。今まで冷たくしたオヤジたち、ごめんよと思うような作品が揃っているのだ。

会社で嫌なオヤジがいる。扱いに困るオヤジがいる。
そんな時にこれを読んだら、少しオヤジに優しくなれるかもしれない。
きっとあなたの側にも、この本に出てくるオヤジのような人が居るはず。

<講談社 2002年発行>

著者: 奥田 英朗
タイトル: マドンナ
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