葡萄物語 / 林真理子

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budo 結婚6年目の夫婦には子供がいない。
夫婦は少しずつすれ違い、新しい波が二人を襲う。
すれ違い続ける夫婦の恋愛と、結論を描く長編恋愛小説。


主人公は市川映子、34歳。
結婚6年目だが、夫・洋一との間には子供が出来ずにいた。
東京から程近い地方で観光葡萄園を営む洋一夫婦。
もちろん、姑の正美も同居している。
子供が出来ないのは全て映子の身体に問題があると決め付ける正美。
気まずさは日に日に募り、会話が減ってすれ違っていく二人の周囲に、小さな波が立ち始めた。
高校の同級生・美和子が離婚しこの街へ戻って来た。
美和子は自分の高校の同級生で出戻りというだけでなく、かつて夫・洋一の恋人だったと知る。
平凡な毎日、つまらない日常を送る自分と違い、同級生はどうだろうか。
同じ34歳でも、中学生の長男がいながら東京からの出張族と逢瀬を続ける佐知、東京で美しさに磨きがかかってから離婚して独りに戻った美和子・・・
映子は自分のことがとてもつまらなく思えてくるのだった。
或る日葡萄園に美術評論家とお供の出版社の社員・渡辺がやってきて甲府ワインを買い求めていった。
後日、その渡辺から映子に手紙が届くのだった。
結婚してから男性が差出人の手紙など貰った事の無かった映子は浮き足立っていた。
そして、手紙の最後にかかれている「またおめにかかるのを楽しみにしています」という言葉に胸躍らせているのだった。
そんな中、夫と美和子の逢瀬を目撃した者から「何かあるのでは」と密告を受ける。
心に霧が立ち込める映子に光が射した。
渡辺から電話があり、再びこちらへやってくるというのだ。
心待ちにした渡辺との再会はあっという間の出来事だったが、映子の心に何かを深く刻んだのだった。
不妊治療の為に東京に通うことになった映子は、或る日ついでに渡辺を訪れる。
そして少しずつ何かが歪みはじめ、映子と渡辺は二人の関係を深めはじめる。


最後まで読むと、林真理子にしてはとてもメロドラマだったなと思うのだ。
衝撃の結末は待っていないが、大人の恋愛小説として優秀な作品だと感じる。
結婚してからの恋、夫の浮気、不妊治療、姑との同居と日本の「嫁」ならば誰しもが味わう苦い想いや憧れる甘い想いがきっちり描かれていて、物語にスッと入れる。
地方都市に住む主人公というのも生々しさに拍車をかける。
既婚の30代以上の女性なら、更に楽しめるのではないだろうか。
初めて読んだ20代後半の時より、今の方がとても心に響いたし、なるほどと思えた。
大人の恋愛小説で、尚且つ純愛や夫婦愛モノを求める方におすすめ。


<集英社文庫 2002年>


著者: 林 真理子
タイトル: 葡萄物語

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mitamesindan コスメ雑誌『beau'sUP』での連載等でお馴染みのイラストレーター・おおたうにが、人って見た目だけでここまでわかるんだと、イラストを駆使して職業やファッションの傾向を分析し性格診断をしていく。


スタイル別、職業別、カラー別、年代別にファッション志向や共通項などを挙げていき傾向を分析していく。
ありがちな行動パターンなども教えてくれて、どんなジャンルの人間と関わることになっても直ぐに対応できるというのがうたい文句である。
《キャリア系》と括られるのは社会的に自立をしていたり、自立を目指す人々の総称とし、仕事もプライベートも男女平等を謳うタイプだそうだ。
彼氏や夫をパートナーと呼ぶとか、ボーナスで自分にご褒美を買うとかあれこれ書かれている。
まぁ、そういうところはあるなと、自分の周りの《キャリア系》に当てはまる女性を思い浮かべたりも出来る。
ヘアスタイル、バッグ、ファッション、趣味、カラーセンスや小物使いについても逐一コメントがある。
全部に納得する訳ではないが、確かにこういうタイプが多いかもしれないと思わされるのは事実。
また、各カテゴリーの人々と著者の交遊録などもかかれていて、どんな会話があったとか印象はどうだった等のレポ的ページがある。
オールカラーのイラスト+コメントのエッセイなので気軽に読める。


著者が冒頭で書いているとおり、本書はストリートファッションの歴史を追っていると思う。
ギャル、ロリ、ヲタなど現代に多数存在するファッションを的確に分類していて「そういえばそうかも」と思える点が多数ある。
時代背景など様々な視点から捕らえていてなかなか面白い。
著者らしいイラストと毒舌でファッションだけじゃなく色別でも診断していく。
ところどころ、興味深い。
が、この本を読んだからといって特に何を得るというものは無い気がした。
正直なところ、読まなくても知ってるよ!という部分が多い。
イラストも好き嫌いがあるだろうし、著者が実は同い年くらいというのにもちょっと引いてしまった。
内容がキャピキャピしているので、書いている人も若いだろうなんておもいがちだが、そうでもないのでちょっとビックリしてしまう。

内容は兎も角、見た目で様々なことがわかってしまうという警鐘を鳴らされた気分だ。
「人を見かけで判断するな」というのは、過去の話なんだろうか?


<産業編集センター  2004年>


著者: おおた うに
タイトル: 見た目診断

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sinu 23歳で婚約した田舎暮らしの女、28歳で独身のOL、30歳の誕生日をひとりで過ごす事になってしまった女、24歳で男にふられそうになっている女・・・
街を歩けば同じような物語を聞くことが出来るのではないかと思うような、身近な恋の物語を収録した短篇集。


表題作、『死ぬほど好き』の主人公・妙子は24歳。
大阪が本社の繊維メーカーに勤めるOLである。
同僚の同級生とやる飲み会に参加しているうちに、克己と知り合い、克己に積極的にアプローチを受けて交際をスタートさせた。
伊豆のリゾートホテルでのデート、甘い囁き、日曜ごとのドライブと、二人の交際は順調に思えた。
それなのに、どうして連絡が途切れているのか、妙子には理解できなかった。
携帯にも連絡がつかないので、妙子は止む無く克己の会社へ電話をかけてみたところ、不機嫌極まりない声で渋々会う約束をしてくれた。
遅刻してやってくる克己。
仕事が忙しいので暇が出来たら連絡すると言う克巳。
克己は愚痴ばかり漏らし、妙子はそれを聞いて安堵した。
自分に弱いところや疲れたところを見せたくないのだと解釈したのだ。
しかし女友達は違うと言い、妙子を惑わせた。
その後も克己からの連絡は一ヶ月近くなく、妙子は我慢できなくなり会社に電話をかけ続ける。
なかなか連絡がつかない克巳。
妙子は不安でたまらなくなる。
妙子は自分たちはうまくいっていると信じ、克己はたまたま時間が無いのだと信じ、悩みつづける。
それなら会いに行けばいい、自宅に会いに行けばいいのだと思う。


好きだから、何をしてもいい訳ではない。
けれど女達は、恋に落ちた瞬間に分別がつかなくなる。
相手に様々なことを求め、相手を満たす為に様々な手法を用いる。
身近にも転がっているような話を、さらに誇張しエンタメ要素を強くして描かれている本作は、女性ならば共鳴はしなくとも「なんとなくわかるな」とか「そんな話あるよね」と思うのではないだろうか。
男への執着、愛への執着、セックスへの執着など、女性の心の奥底に密かにある執着心をリアルに表現している。
ヘビーな恋愛小説を求めている方へおすすめ。
男性は少し怖くなったり嫌悪感を抱くかもしれない。


<集英社文庫 2003年>


著者: 林 真理子
タイトル: 死ぬほど好き

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Musical Baton

Musical Baton「まっしろな気持ち」 のましろサンから届きました。

読書する時に、実は音楽を流していることが多い。
新譜もあるが、殆どは昔買い求めたソウルやヒップホップのCDが多い。
今は私のラインナップに韓流ブームがやってきており、少しそっちよりである。
実は韓国語を3年前に習っていたが、体調が悪く続けることが出来なくて途中で辞めてしまったのが気になっていて、未だ独学で続けているのだ。
全然上達しないが、なかなか楽しく、歌詞の中に知った単語が出てくると嬉しくなるのだ。
では、早速答えてみよう。

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Total volume of music files on my computer (コンピュータに入ってる音楽ファイルの容量)
ちょうど、1GB。


Song playing right now (今聞いている曲)
SE7ENの「熱情」

先日購入したばかりのアルバムの中で一番気に入っている曲。


The last CD I bought (最後に買ったCD)
Chae Ⅱ peon / チェヨン
MUST LISTEN / SE7EN

どちらもMON のK-POPプログラムで知り、気になったので早速アルバムを買ってみた。
(実はとてもミーハーな部分がある)

Five songs(tunes) I listen to a lot, or that mean a lot to me (よく聞く、または特別な思い入れのある5曲)
①ONLY LOVE / 嵐

②Can't take my eyes off of you / ローリン・ヒル

③飛行機 / aiko

④Come Back To Me / m-flo

⑤JOYFUL / D.I.G ALLSTAR

よく聞く曲ではなく、思い入れのある曲を選んでみた。
これらには小さな思い出が詰まっていて、聴くと色々思い出すので気軽には聴けない。


Five people to whom I'm passing the baton (バトンを渡す5人)
すみません、音楽に関する繋がりは思い浮かばないのでここでストップとさせて頂きます。

littlebylittle 高校生作家の作品が芥川賞候補作となり話題になった作品。
複雑な家族、穏やで淡々とした日常を描く。 主人公・ふみは高校を卒業しバイトをして暮らしていた。
進学するつもりが、親が離婚し学費を捻出出来なくなったので学費を貯めてから、ということになったのだ。
母親と異父姉妹のユウちゃんと3人で暮らしている。
家族は仲良くやっているし、バイトも嫌ではないし、ふみは特に不満なく毎日を過ごしていた。
或る日、母の勤める整骨院に「ふみちゃんが好きそうな男の子がやってきたわよ」と母が言う。
その言葉が気になってではないが、ふみは整骨院に行って治療を受ける。
そこで出会ったのが、キックボクシングをしている周だった。
いまどきの若者とは違い、真面目で一生懸命で穏やかな青年・周に惹かれるふみ。
二人は少しずつ距離を縮めていく。
恋、バイト、家族、その周りの人々。
ふみの日常が淡々と綴られる。

起承転結を求める作品ではない。
穏やかにはじまり、穏やかに終わっていく物語で、本当に普通の毎日がある秩序を持って描かれているような気がする。
それが著者のペースなのかもしれない。
著者の作品は初めてだったが、久々に読んだ後に○や×をつけにくい作品だったので余計に他の作品が気になってしまった。
つまらないとも言えない、面白いとも言えない、でも嫌いとも言えない、インパクトも無い。
なんとも透明で空気や水のような存在の作品で感想を述べ難い。
あとがきにある「ささやかな日常の中にたくさんの光を見つけ出すような小説をこれからも書きたい」というのがなんとなくわかる。
そうなのかもしれない。
この小説は、ささやかな日常に1日1度は差す光を掬い取って描いているのかもしれない。
でも途中途中に出てくる父親からの虐待的描写や、ペットの死についてのくだりは穏やかでは括れない。
実は奥が深かったんだ、と今思う。


講談社 2003年


著者: 島本 理生
タイトル: リトル・バイ・リトル


ちまたで噂の2つのbatonが私のところにまわってきました!
本を読む女。改訂版 のざれこサンからバトンを頂きました。
テキストサイトや書評サイトを巡ると、このような企画を目にする機会が多く、面白いなぁと読んでいたのですが。
まさか自分のところにやってくるとは。
せっかくなので、参加させて頂きます。
2種類あるようで、ざれこさんのところにから関連リンク を辿って内容を熟読。
下記の通りまとめて答えることにします。
バトンを渡すが2回設問されていますので、1つに統合します。


・今部屋の棚に並んでる蔵書の冊数 最後に買った本(マンガ)

蔵書数→書斎の本棚には約150冊。 (引越しで結構処分しました)
最後に買った本→ケナリも花、サクラも花/鷺沢萠 (書評は後日)

ちなみにサイトに書いている感想が277冊。
(友人から借りた本、図書館で借りた本も多いです)

・今読んでる本(マンガ)

リトル・バイ・リトル/島本理生
著者の本は一冊も読んだことがなく、図書館で偶然数冊見つけることが出来たので全て借りてきました。
今日読み終わると思います。

・よく読み返す本&または自分にとって特に思い入れのある5冊

読み返すのは漫画が多いです。
本は新作を好む傾向もあり、次々読みたいものがあるので読み返す頻度が高いのは漫画になっています。

Strawberry shortcakes/魚喃キリコ


西園寺さんと山田くん/海野つなみ

スクナヒコナ/南Q太
この3名は私の中で好きな漫画家ベスト3になります。
他の作品も頻繁に読み返します。

満ちたりぬ月/林真理子

ノルウェイの森/村上春樹
この2冊は不定期に読み返しています。
初めて読んだのは2冊ともとても若い時で(思い出せない)、あの時思ったことや感じたことを今感じることは出来ません。
読み返す度に、新しい感想を抱きます。
理解できなかったところが見えたり、今の自分の年齢が登場人物に近付いたり越えたりして、読み終えた時の満足感も全く違い、それを楽しんでいます。

コスメティック/林真理子
この本は、本当に好きで1年に2度ほど読み返していました。
今後はもう読むことは無いかもしれないですが。
働いていた時、この物語の主人公の仕事に近いことをしており、やる気が無くなった時などに読み返しては気持ちを奮い立たせてみたりしていました。


・お気に入りのテキストサイト(ブログ)

エンタメ系、情報系が多いです。
個人のブログは本当に沢山巡っているのですがブログリスト等を作成していないのでお伝え出来ず。
一般的なサイトだけ挙げてみました。

@nifty:デイリーポータル Z

ABC(アメリカン・バカコメディ)振興会

アットコスメ

mixi

・今読んでいる本 好きな作家

今読んでいる本は上記をご参考に。

好きな作家は日本の女性作家が多いです。
林真理子、乃南アサ、藤堂志津子、江國香織、群ようこ
この5名は作品が出ると必ず読んでいます。

角田光代、吉田修一
この2名はこの1年くらいでとても好きになった作家です。

よしもとばなな
なんとなく、読みつづけているのできっと好きだと思います。
いや、好きなんです。

・よく読むまたは、思い入れのある本 この本は手放せません!

エコノミカル・パレス/角田光代
登場する彼氏は私が一番苦手とするタイプの男性だ。
その彼を支えるかのように一緒に住む主人公に共鳴は出来ない。
でも、読むとなんとなく落ち着くのだ。
この二人のようにしていても暮らせるんだから、自分はもっとラクに生きていいのかもしれない。
そんな風に思えるところが気に入っていて、なんとなく思い入れがある。

コスメティック/林真理子
上記でも書いたとおり、自分の仕事に通ずる部分があった頃、励みにしていた1冊。
PRの仕事というのは

・バトンをタッチ

まっしろな気持ち  ましろサン
グルグル読者日記  nonサン
ゆらbooks  ゆらサン
遊牧民人生~のらりくらり~  amachanサン
いちごピクニックe.p.  カヨさん

私がいつも拝見しているブログ、お気に入りのブログ、リスペクトしているブログといったことを考えて5名を選出させて頂きました。(勝手に)
最新の記事にTBさせて頂きましたので、もしよろしければ、お願いします。
スルーOKですので、ご無理なさらずよろしければ、という事でお願い致します。
既に参加していたら・・・・すみません。

kutukoi ヒール、サンダル、スニーカー。
様々な靴があるように、靴にまつわる物語も同じだけある訳で。
女流作家8名が靴にちなんだ恋愛を集めた短編集。


『スニーカーと一本背負い』の主人公・美咲は37歳。
アパレルメーカーが立ち上げたペット用品のデザイン室で働いている。
本社からこのデザイン室に異動になったのは、上司との不倫が理由だった。
今はというと、同じデザイン室で働く6歳年下の既婚者・神居と恋仲である。
美咲はいつだって、既婚者と恋愛をしてきた。
大学では講師と、研究室では先輩と、女友達の夫と・・・など、何故か不倫を繰り返している。
略奪愛をするつもりはない。
結婚願望が無いので独身男と感覚が合わずうまくいかないだけだと美咲は思う。
仕事はいまひとつパッとせず、ペット服のデザインをして本社にプレゼンをしても全く相手にされず、このままではデザイン室は閉鎖されてしまうと焦る。
新作の為に、アシスタントを雇おうと母校に行き紹介されたのが高野ヒロミだった。
美しく手先が器用で誠実な仕事をするヒロミは、素晴らしいアシスタントになる。
仕事も恋も暗礁に乗り上げ暗いトンネルを歩きつづけるような状態だった。
美咲はトンネルから出たいと頑張り続ける。


読んだことのない作家の作品もあり、楽しめた。
恋愛小説であるのは題名を見れば一目瞭然だが、なかなか奥が深い大人の恋物語が多かった。
短編なので通勤や入浴などに読める手軽さが嬉しい。
30歳前後の女性向けと思われる1冊。


<ソニーマガジンズ 2004年>


著者: 谷村 志穂, 斎藤 綾子, 甘糟 りり子, 横森 理香, やまだ ないと, 狗飼 恭子, 野中 柊, 山咲 千里
タイトル: 靴に恋して

miriokada PTSD(心的外傷後ストレス障害)とは知らず、平凡な日々を幸せに送っていた著者。
しかし何かがいつも違っていた。
実姉から進められセラピーを受け、PTSD(心的外傷後ストレス障害)と診断されてからの日々、原因と向かい合う姿、克服していく様子が克明に描かれる。


裕福な家にハーフとして生まれた著者。
両親と姉・妹との5人家族は幸せな家庭そのものに見えた。
しかし、父・E.H.エリックの家庭内暴力が存在していた。
母を庇う娘たち、母を外に出し守る娘たち。
別居と離婚、そして娘と父との暮らし。
思春期の著者はしなくてもよいような経験を沢山して育っていく。
その過程全てが、後々大きな病として彼女を襲うPTSD(心的外傷後ストレス障害)の理由となっていたのだ。
モデルとして、タレントとして仕事をスタートし順調に進む人生。
仕事人間な夫・堺正章との結婚。
そして出産。
著者の人生は普通の女性のそれのようにも見えるが、途中途中に幼い頃の経験が作った小さな傷に悩まされていた。
我慢しきれず姉に相談し、セラピーを受けるよう進められる。
姉も、著者も、PTSD(心的外傷後ストレス障害)だったのだ。
そして夫との離別。
仕事人間の夫を支える、支えなければという複雑な思いの影にも、病があった。
子供との癒しの時間、父の介護などを経験し、著者は病と共存し自分らしく生きる道を見つけていく。


PTSDというのは、一時期話題になった病である。
最近、新聞でも見たが「精神的な病」で労災を受ける社会人が年々増えているそうだ。
精神的な病にはうつ病やこの本で扱っているPTSD、GADなど様々なものが存在する。
不眠症なども含まれるだろう。
他人事ではないそれらについて書かれている本に、非常に興味があったので本書を手にしてみた。
半分は著者・岡田美里の自叙伝+自慢話のようになっており退屈な部分もあった。
しかし、病の根底にはそういった生い立ちなどが大きく関係していたらしい。
幼い頃に受けた衝撃や心の傷というのは、目に見えず、完治したと思い込むがそうではないらしい。
精神的な病に対して差別的な意見を抱く人や、偏見を持つ人、理解を示さない人がいる。
でも今は特別な病ではないし、いつ自分や身内がそうなるかわからないのだ。
内容は薄いが、こういった本に接することによって視野を広げたいと思った


講談社 2001年


著者: 岡田美里

タイトル: 「しあわせ」のかたち

wakarebanasi 恋愛小説を読みたくなると必ず頼ってしまう作家、藤堂志津子の長編恋愛小説。


主人公・千奈は商社に勤めるOLで、今年とうとう30歳になった。
同棲中の恋人・高治は5歳年上。
3年の同棲生活、うまくいっていたと思う。
しかし、千奈はもう高治に興味がなくなっていた。
というのも、千奈には他に好きな人が出来ていたのだ。
相手は同じ会社の杉岡だ。
杉岡は花形営業マンとして500数名の社員の中にあって、その名を知らぬ者は居ないという目立つ存在だったのだが、今では閑職で有名な部署へ飛ばされていた。
入社して直ぐから杉岡のファンだった千奈は閑職に就く杉岡に更に興味を覚え声をかける。
当然既婚者である杉岡だったが、若い千奈から声を掛けられれば答えぬはずがない。
二人は程なく恋愛関係に陥る。
恋人の居る女と、妻の居る男。
一筋縄ではいかない恋愛。
お互いがお互いのパートナーと円満に別れようと懸命になるが、そこは山アリ谷アリで簡単な話ではなかった。


主人公の家庭環境や、普通の腰掛けOLの日々での社内恋愛など感情移入しやすいストーリーで、純粋に恋愛小説として楽しめる。
結末も、すっと心に入ってくるし抵抗なく読み終えることが出来る。
非常に後味のいい小説だ。
純愛でもなく、泥沼の憎愛劇でもなく、こんな恋愛相談受けたことあるなぁと思える程度の重さと軽さが共存しているのがちょうどいい。
昨今、涙を流すほどの純愛モノや怖くなるほどの不倫モノなどばかりが話題になっているが、こういった普通の恋愛モノも大切にしていきたい。
もちろん、私もそういった話題作を手にすることもある。
しかし、話題作やあまりにも刺激的な作品は面白いが、もう一度読みたいとは思わないのだ。
藤堂志津子の恋愛小説は、ふとした時にもう一度読みたくなることが多い。
穏やかな心で妻子ある方との恋愛をしている方、同年代の主人公の恋愛小説を求めている時にはおすすめの1冊。


<講談社文庫 2002年>


著者: 藤堂 志津子
タイトル: 別ればなし

shibuhata このブログを運営する会社の社長の大学生活から就職、会社設立、結婚、現在に至るまでを綴っている。
全作の『ジャパニーズ・ドリーム』よりも格段に大人になっている著者の変化がわかる半世記。


福井の平凡な家庭で生まれ育った著者は、その街にも家庭にも何か違うと思っていた。
東京へ進学しようと思い、必死に勉強し大学に入学する。
進学後、当初の志はどこへ行ったのか、麻雀にはまりバイトにはまり、大学生活は留年も含め5年に渡る。
しかし、その5年は堕落の日々だけではなく、一念発起してスタートした営業のアルバイトで彼の才能が目覚める。
ベンチャー企業での営業を通して、様々な人に出会い経営のノウハウや営業の手法を吸収していく。
卒業後入社したインテリジェンスでも才能を開花させ、起業家への道をぐんぐん進む。
起業後の天国と地獄、耐え忍ぶ辛さなどが切々と描かれる。


読みやすく、スタートして2時間半くらいで読み終えた。
私とほぼ同い年の著者の人生は、私の人生とは比べ物にならないくらい濃い。
波乱万丈な20代は羨ましいとは思わないが、素晴らしいと思った。
若き身で成功するには人並み外れた努力が必要で、著者はそれを行っていたんだろうなぁと思った。
私は女だし、起業にも興味はないが、読んで無駄はない1冊だった。
女性の起業家も増える昨今、皆さん同じように苦労され、前に進む為に日々精進してらっしゃるのだろう。
色々な人生があるなと、なんだか考えてしまった。


<アメーバブックス 2005年>


著者: 藤田 晋
タイトル: 渋谷ではたらく社長の告白