店頭に平積み。どの書店に行っても目につく場所に平積み。
そんな風にされると、つい手に取ってしまうもの。
私も例に漏れず手にとり、購入してしまったのは確か昨年末くらい???
私が購入したのは、この本が少しずつ話題になりはじめていた頃。『負け犬の遠吠え』の後、色々なメディアでこの本のことも取り上げられていた。
丁度その時期結婚を控えていた私は、興味深く立ち読みをしてみた。サラッと見たところ、「じっくり読みたい」と思い購入した。

帯にある結婚本の決定版というのは正解かもしれない。
所々哲学的だったりウンチク過ぎたりしてかったるい部分もあった。中だるみとでもいうのだろうか。
だが、全体的には読んでいる間も読み終えてからも「なるほどえね~」と思えるものだったのは確か。

結婚が全てではない。
独身だって素晴らしい点は沢山ある。でも、女性は「一度は結婚してみたい」と誰しもがきっと思う。が、出来るか否かは別の話なのだ。
それについてほんの少しかもしれないけど、回答してくれる本だと思う。

面白いと思った章は下記のとおり。
20代後半~の独身女性は一度読んでみるといいと思う。どこか、自分に当てはまる部分は必ずあると思う。そして、どうして今現在自分が「独身」「フリー」「婚約中」「既婚」等の立場にいるのか、答えが見えると思う。
・晩婚化と最終学歴
・高卒者の結婚意識
・短大卒女性の結婚願望
・四大卒「勝ち組」女性の結婚の条件
・「VERY」な生き方

<朝日新聞社 2003年発行>

著者: 小倉 千加子
タイトル: 結婚の条件
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嗤う闇 / 乃南アサ

テーマ:
直木賞受賞のベストセラー『凍える牙』で主役だった音道貴子が今回も主役のサスペンス。
下町の警察署に勤務することになった音道貴子が関わる奇怪な事件が掲載された4話から成る短編集。
『木綿の部屋』はたまたま顔を出した飲み屋に来ていた同僚の癖のある刑事~滝沢~を送ることになってしまった貴子の長い夜を描いたもの。
滝沢の娘の夫が借金をしたことから始まり、何故かそれに関わってしまった貴子。
短編の中に凝縮された、歪んだ現代社会を垣間見るストーリー展開は素晴らしい。

下町のガサツな男刑事と共に様々な事件を解決していく女刑事の複雑な心理や、恋人との時間、苛立ちなどが丁寧に描写されており、女の私が読むと感情移入しやすいし楽しめる。
自分の周りでも実は起きている、もしくは起きそうな事件ばかりでちょっとドキリとする。物騒なご時世、小説のような事件は頻繁に起きているのだ。
そういったことも、読み終えると考えさせられてしまう。

基本的に、私は乃南アサはストーリーも事件の描写もしっかりしていて失敗はまずないと思う。今まで何冊も彼女の著作を読んできたが面白くないものは存在せず、私には相性の良い作家である。

<新潮社 2004年発行>


著者: 乃南アサ
タイトル: 嗤う闇
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雪の絵 / 魚住陽子

テーマ:
魚住陽子の本は昔から好きだ。
いつから読むようになったのかは記憶にないけれど、多分図書館に通いつめていた時期に出会ったんだと思う。

「雪の絵」はもう少し寒くなったら読んだらよかったかもしれない。
題名の如く、冬っぽい作品集だった。
4つ短編が入っており、1作品目の『別々の皿』は第105回芥川賞候補になったものだそうだ。
全体的に、薄墨のような印象の作品で、魚住陽子らしいタッチ。
答えは読者の想像にお任せする、というタイプの終わり方をするのもいつもどおり。

表題作の『雪の絵』は小学生の主人公“私”が両親と妹を語る。ちょっと変わった絵描きの父親と染色家の母親。
父が作品を書き始める度に、母親は姉妹を連れて旅にでる。さびれた安い温泉宿が多く、そこで過ごす時間について淡々と、せつない香りを漂わせて綴られていて、私にとって、とても好きな1冊になった。

ちょっとしんみりしたり、せつなかったり、その気持ちを引きずって読書したいなぁと思った時にはぴったり。

<新潮社 1992年発行>

著者: 魚住 陽子
タイトル: 雪の絵
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