2012-01-24 13:36:28

上場するメリットが見当たらない(起業家3.0コンサルタント作野裕樹)

テーマ:思想

今日は、いち起業家として、


上場するメリットが見当たらない


というテーマでお話したいと思う。



先日、オリンパスが、上場廃止を免れた。


わたくしはこの件で、いち起業家として意見を述べたい。


「ああ、ついに上場するメリットの『信頼性』の部分も崩壊か。」


と率直に思ったことである。



上場するメリットは、主に2つ。


1つは資金調達が容易になる点。


2つ目が、圧倒的な信頼度を獲得できる点である。



わたくしはいろいろな起業に携わったり、


企業のコンサルを行なっている関係上、


さまざまな会社の事情がわかる。



そこで、感じていることは、


昨今のビジネスモデルのほとんどは、


「資金調達」がさほど重要でなくなっている点だ。



昔のような資本集約型ビジネスで起業する人などが少なくなっているのである。


ほとんどが、知識集約型ビジネスや労働集約型ビジネスに急速に移り変わっている。


たとえば、大きく分けてIT系ビジネスなどもその中に当てはまる。


わたくしの周りで若くして起業してうまくいっている人のほとんども知識集約型か労働集約型でスタートしている。


こちらの総務省のデータを見ても「情報通信系」が圧倒的に多いことがわかるだろう。



【毎日が1位作り!】経営コンサル・企業再生、作野裕樹のブログ


もっとわかりやすくいえば、


自分の身一つで何かできるビジネスや、


自分の知識や経験を元にしたビジネスで、


起業する人が多くなっているということだ。



つまり、ビジネスの形態として、資本調達が昔ほど必要なくなってきている。



それと、資金調達が株式市場からでなくてもしやすくなっている点として、


ソーシャルレンディングサービス


の台頭が挙げられる。


このサービスは近年、急速に普及し始めている。


簡単に説明すれば、個人と個人のお金の貸し借りを仲介するサービスだ。


小さいものでは、結婚資金や資格取得のための資金調達。


大きいものでは、事業用の資金の調達など。


ありとあらゆる資金調達が容易になってきている。


今でこそ、まだまだ額は低いが、


いずれもっと認知されていくだろう。



となると、株式市場でわざわざ資本を調達しなくてもよい時代が、


遠からずくることは間違いない。



しかも、資金調達が担保の信頼というよりは、


「情」や「信頼評価」で成り立っている点も面白い。


簡単に言えば、


「この人を応援したい」


と思える場合にお金が集まる仕組みなのだ。


もはや、担保でお金を借りようとするのは時代遅れの仕組み。




ということで、株式市場からの資本調達の必要性は急速に低くなっていくと思われる。




では、なぜ、株式上場する意味があるのか?


それが、「信頼性の獲得」であった。


「であった」


というのは、これはわたくしの見解では、これも「過去の代物」になったと言わざるを得ないからだ。


理由は、オリンパスの損失隠し問題である。


正直、オリンパスの損失隠しは非常に悪質だ。


悪意がある感はどうあっても否定できない。


にも関わらず、上場廃止にはならなかった。


その理由が、


財務諸表への影響は長期間に及んでいたものの、同社の本業における経営成績を拠り所とした市場の評価を著しく歪めたものであったとまでは認められなかった」


とのこと。


なんともあいまいな理由である。


もし、これが許されるのであれば、ライブドアの上場廃止はどうなのだろう?


これには賛否両論あるだろうが、ライブドアより今回のオリンパスの損失隠しは悪質と言えなくもない。


ライブドアは上場廃止後も総資産1200億円を保有していた。

(→旧ライブドア一株6500円、総額680億円配当計画 より)


もし、損失を隠していたとしたら、それだけの資産を保有できるはずがない。


「儲かっていない会社を儲かっているように見せかけた」

というわけではなく、実際にキャッシュを稼いでいたのだ。


粉飾といっても、「損失」を儲かっているように見せかけたわけではない。


明らかな損失を隠したオリンパスとはワケが違う。



オリンパスの上場維持により、株式上場維持の尺度が非常にあいまいなものとなってしまった。


今後、上場を考える起業家は、モヤモヤ感は否めないだろうし、現在上場中の企業も、ひどく混乱しているのではないだろうか。



少なくとも、「信頼性の獲得」という意味での株式上場は、考えられなくなってくる。



そして、最初に戻るが、もう一つの上場のメリットである「資金調達」の面。


これについても、今すぐではないが、徐々にメリットは失われていくだろう。



となると、上場のメリットはあるのだろうか?


今回のオリンパスの損失隠しの結果の上場維持。


目には見えないが、何か大きな「喪失」があったように思えてならない。


作野裕樹


株式会社ワールドピース 代表取締役会長 作野裕樹

〒106-0032東京都港区六本木7-17-20明泉ビル5F

作野裕樹の経歴・プロフィール
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