カオリコ・サリー の風薫るカフェ

感じる言葉やちょっぴりありのままを、何気なくカフェにいるような心地で、たんたんと綴っていきます。

…なにより、あなたの今日にも、ほんのり癒しとハッピーが増しますように☆


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分冊文庫版 魍魎の匣〈上〉 (講談社文庫)/京極 夏彦
分冊文庫版 魍魎の匣〈中〉 (講談社文庫)/京極 夏彦
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まずは映画DAYで鑑賞してきました。
凄い期待していたが、さほど好評でもない状況に、薄い期待で観ていたら、

やっぱり面白いじゃないか!? と思い、良かった。



裏で人体改造に挑む『美馬坂近代医学研究所』というまるで巨大箱塔が、

戦後7年目位にはおよそミスマッチな鉄筋ダムのようでありながら、

余りにモロい耐震構造なのが、ちゃんちゃら可笑しい。
ある意味、人間および人体の脆さを現しているのだろうか?


外観は大規模要塞、ハード機器はハイテク、

オペレーション操作はアナログで、怪奇精神を背景に、

原始的な肉片を用いて自力操作なのか他力本願なのか、

SF掛かった科学で部分クローンにあくせくしている様子は、

とっても微妙に映る。

ハイコストで賭ける将来像も曖昧で、

やはり闇雲に狂ってるとしか言いようがない。
しかしその発想が恐怖。

人間心理が魍魎の起因なんだと思うと現実味を帯びてくる。

こうして書いてるだけで、何故だかちょっと具合が悪くなってくる。

悪趣味な話かもしれないし、想像を掻き立てる伏線が後を引き、

登場人物は曲者揃い、京極夏彦という作者に興味が湧いてくる。




訳ありの元女優・柚木陽子(黒木瞳)は、

事件に巻き込まれた家族の身に必死の傍ら、

無感情で機械的な美馬坂(柄本明)にも陶酔し翻弄されつつ、

最終的には明るい強さが戻っていることにちょっと面食らう。

依存するもの全てを断ち切って一人になると、

人は身軽で強くなれるのだろうか…。

結局、匣一つたりとも探り当てず、

グルグル周って失恋して帰ってきただけ(?)の

木場刑事(宮迫博之)は何だったんだ。


さておき、古本屋/神主兼陰陽師である京極堂(堤真一)の、

 “いわゆる魑魅魍魎(ちみもうりょう)と魍魎(もうりょう)では

 意味がちと異なる” という薀蓄ほか、

孔子・荘子・老子など思想哲学をまじえた話術は、

叡智みなぎる巧みな表現で魅了させる。

思わず聞き入って引き込まれてしまうのだ。

京極堂に加え、人の記憶や幻影が見えてしまう探偵・榎木津(阿部寛)、

その仲介的うさんくさい作家の関口(椎名桔平)の掛け合いが、

機知に富んでいて面白い。

憑物と匣をテーマに、京極堂たちと、

インチキ霊媒師・御筥様&巫女(池津祥子)との攻防戦も、なかなか滑稽。


そして何より、屈折し過ぎて悪趣味甚だしい作家・久保竣公(宮藤官九郎)の

気味悪さは素晴らしい。帝都大戦みたいな脳になって切なさを超越している。




ある事件の闇に潜む点と点がやがて全貌に繋がっていくまで長く、

人体の神秘と心理の問いは興味深く、

宗教要素も介入した一連猟奇ミステリの謎解きは、好奇心を揺さぶる。
境地に憑くという魍魎の核心とは何かを考えさせられ、

観終わった後味は不気味で楽しくないが、実に面白い。



分冊文庫版 魍魎の匣〈下〉 (講談社文庫)/京極 夏彦
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