指先に違和感

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 教員という仕事は、紙を触る機会が多い。
 教科書をめくる、生徒の提出物をチェックする、プリントを配るなどの作業があるからだ。
 自然のなりゆきで、指先が敏感になり、違和感をおぼえるときは「2枚あるな」とわかるようになった。
 おかげで、生徒から「1枚足りません」とか、「1枚多いです」と訴えられることはほとんどない。

 特別なことがない限り、日曜日は休みだ。
 たまには贅沢して、夕方にアフタヌーンティーを楽しもうと予定していた。
 昼食を普段通りに食べたら、カロリーオーバーとなる。
「餃子とビール、小松菜のおひたし程度にしておこう」と決めてスーパーに向かった。
 娘はバイトでいないので、1人分の餃子を焼く気になれない。
 普段はほとんど買わない惣菜に手を伸ばし、買い物かごに入れた。
 缶ビールを開けてグラスに注ぐ。
 ひいきにしているのは、キリンラガー。
 ギネスやハイネケンも好きだが、この日はラガーを飲みたかった。
 一口飲んだら、餃子のパックを取り出し、フタを開ける。
「あれ?」
 パックに何やら違和感があった。
 しっくりこない感触が左手にも右手にも伝わり、目を近づけてみる。
「重なってるじゃん」
 フタは1つだけだったけれど、トレイが2枚あるように見えた。
 しかし、それは誤りだった。
 トレイをはがしてみたら、2枚どころか3枚あったのだ。

餃子

「よく、フタがしまったな……」
 変なところで感心する。
 新米教師だって、3枚重ねて配ることはまずない。
 紙より、はがしにくいのかな。
「もっと、コストダウンに徹してもらわなきゃ」
 スーパーさん、無駄づかいせず、消費者に還元してよ。

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 「これはしたり~笹木砂希~」(エッセイ)
 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)

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 某SNSでは、グルメグループに入っている。
 先月、女性メンバーの1人が、銀座和光ティールームの「70年記念デセール」の写真をアップした。
 大きな純白の皿に、7つの可愛らしいケーキが円を描くように並んでいるではないか。
どれもこれも美しく、無意識に身を乗り出して凝視した。
「いいなぁ、これ。食べたい」
 和光には、20年ほど前に行ったきりだ。
 オシャレをして、久しぶりに出かけてはどうか。
 気合いを入れ、仕事を早めに切り上げて銀座に向かう。
 しかし、少々遅かった。
「申し訳ございません。70年記念デセールは本日終了となっております」
 あーあ……。
 食べたいと思ったのは私だけではないらしい。
 早ければ3時、遅くとも5時頃には売り切れるのだと聞いた。
 せっかく来たので、この日はフレンチトーストを注文する。

フレンチトースト

 美味しいけれど、ちょっと甘いかな?
 次に来られる日があるだろうか。
「そうだ、週末は宿泊防災訓練だから、振替休がもらえるはず」
 都立高校では、生徒を対象に宿泊防災訓練を実施している。
 だいたい、金曜の夜から土曜の朝にかけて行う学校が多い。
 訓練中は、非常食と水の食事をとり、床の上に毛布を敷いて寝る。
 いざというときの避難所として、生徒が都民の助けとなるよう訓練するのである。
 教員は10時間の超過勤務となるため、業務に支障のない別の日に代休をとることができる。
「よし、×日の昼から代休をとって和光に行こう」
 さすがに昼時は混んでいたが、30分待ちで席に案内された。
 まずは、オムライスでお腹を満たし

オムライス

 しつこく追いかけた70年記念デセールを食後にいただく。

70年記念デセール
 
 うーん、満足。
 どれもレベルの高い美味しさだったが、特に抹茶のムースとショコラクラシックはコッテリ感が気に入った。
「さあ、これで宿泊防災訓練も頑張れるぞ!」
 ご褒美を先にもらうと、ツラい仕事への意欲も高まる。
 何しろ、訓練ですからね……。
 夕飯は、アルファ化米の五目御飯であった。

五目御飯

 これっぽちじゃ足りないけれど、実際に被災したら、食べ物はないかもしれない。
 水をガブガブ飲んで、お腹の中を安心させた。
 翌朝は、乾パンの食事が待っている。

乾パン1

 硬いが、表面には線が入っていて、手で割ることもできる。

乾パン2

 胡麻の風味が香ばしく、昭和の乾パンとは比較にならない食べやすさであった。
 他に何か食べるものはないかと、机の中をゴソゴソ探してみる。
 あった、あった。
 愛媛出身の先生が、おみやげにくれた伊予柑ゼリーを発見。

伊予柑ゼリー

 あとは、勤務を終えて帰宅するまで食べるものはない。
 贅沢したあとに、超質素な食生活を体験する。
 どうやら、プラマイゼロになるような、うまい仕組みになっているようだ。

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つかの間の一人暮らし

テーマ:
 カレンダーを見たら、夫の旅行と娘の合宿が1日かぶっていることがわかった。
「ということは、この日はワタシ1人ってことじゃない。すごいすごい!」
 一人暮らしはしたことがない。
 常に家族の誰かが一緒だったので、自分だけの空間には憧れる。
「月曜か。まだ年休あるし、休んじゃおうっと」
 せっかくの一人時間を、仕事で台無しにするのはもったいない。
 夏休み中で授業もないし、休暇をとって一人を満喫するのだ!

「じゃあ、行ってきます」
 待ちに待った日の朝、先に出発した夫に続いて、娘もキャリーを持って玄関に向かう。
「鍵閉めたら寝るんでしょ」
「ドキッ! よくわかったね」
「布団がそのままになってた」
 他に誰もいないのなら、ゆっくり眠りたい。
 戸締りをして布団に潜り込み、1時間ほど眠った頃だろうか。
 ガガガガガ、バリバリバリという炸裂音で目が覚めた。
「なんだぁ? 工事してんのか……」
 時計を見たら9時を回っている。
 しぶしぶ起きて、洗濯機を回し始めた。
 寝起きで頭がボーッとしたまま、妹にラインをする。
 一人暮らしの喜びを伝える相手は、妹くらいしかいない。
「今日は……あ、間違えた。削除削除」
「き」と入力するはずが、出てきた文字は「く」。
ところが寝ぼけているものだから、削除ではなく、送信ボタンにタッチしていた。
「むむむ。何じゃこりゃ」

ライン

 相手が妹とはいえ、これはかなり恥ずかしい。
 一人暮らしなら省略したいのが炊事だ。
 前日の夕食を、多めに作っておいたのは正解だった。
 昼食は、皿に盛りつけてチンするだけ。
 30分後には、歯磨きをすませて座布団に寝転がり、雑誌を広げていた。
「うーん、眠い……」
 またまた睡魔に襲われ、1時間半ほど寝る。
 夕食は、冷凍ご飯と煮物の残りがあるから、鮭を焼いてサラダを作るだけ。
 一応、みそ汁も作るかな。
 好きなときに起きて、好きなときに食べて、好きなときに風呂に入る。
 冷房の設定温度は高めに。
 ちょっと汗ばむくらいが、肩も凝らずにちょうどいい。
 洗面所を占領する誰かはおらず、完全に自分のペースで一日が終わる。
 長年、一人暮らしをしていた友人は、「もう誰かと一緒に住むのは無理」と言っていた。
 そうだろうな、毎日がこんなに自由なら、同居人は邪魔者でしかない。
 しかし、邪魔者も結構役に立つのだよ。
 炊事、洗い物、洗濯、風呂掃除は夫がやってくれる。
 トイレ掃除、宅配便の対応、スマホインストラクターは娘の仕事だ。
 自由と引き換えに、一人ですべての家事をこなすのは修行のようだった。
 メールに添付された画像を、アルバムに取り込むスマホ操作は、結局わからないまま。

 翌日、昼過ぎにまず夫が帰ってきた。
 風呂は洗ってあると伝えたら、とても喜んでいた。
 娘は伊勢を出るとき、サザエの炊き込みご飯の素を買ったという。
 貴重な一人暮らしは終わってしまったけれど、たまにだからこそ楽しいのだ。
 定年退職を迎えた老後は、姉夫婦や妹一家も呼んで、十人家族になりたいな。

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ショクヨク・ガーデン

テーマ:
2つ上の姉を真似て、私は育ってきた。
姉が洋楽にハマれば、私もハマる。
ベストヒットUSAを見ていれば、私も隣で鑑賞する。
星新一は面白いと聞けば、私も読んでみる。
40代に突入しても、土台は変わらない。
姉からシャンパンをもらい、私も好きになった。
だから、椿山荘のシャンパン・ガーデンには、姉と行くべきなのだ。
「何時にしようか」
「5時でどう?」
「オッケー。5時ね」
ホテル5階のセレニティ・ガーデンで姉を待つ。

看板1

ガーデン入口の看板を見ると、ワクワク感が高まってくる。

看板2

「お待たせ~」
姉もすぐに到着した。
開始は5時からだ。
時計を見て、時間になってからガーデンに入った。
少々歩いて会場に向かう。
テラス席は開放感いっぱいで、いかにも優雅だが、軽井沢ではないので蒸し暑い。

ガーデン

「よろしければ、お使いになりますか」
虫よけスプレーをスタッフに差し出され、遠慮なく体にかける。
これで安心だ。
さて、スタンバイできた時点で、何から飲むかをスタッフに伝える。
プランには9000円と15000円の2種類がある。
どちらのプランでも、モエ・エ・シャンドン アイス・アンペリアルは1杯だけ。
他に4種のシャンパンが90分間飲み放題となっている。
「アイス・アンペリアルからにしようよ」
姉は、いいものから飲みたがるタイプだ。
たしかに、乾杯して最初に口をつける飲み物は、美味しいものがいい。
「いいねぇ」
賛成してスタッフを呼ぶ。

アイスアンペリアル

このシャンパンは、通常のモエより濃くて甘いそうだ。
だから、氷を入れてちょうどいい味になるのだとか。
白いラベルが夏らしくて爽やかである。
軽食も運ばれてきた。

軽食

どれも口当たりのよいものばかりだが、私には量が足りない。
ここに来る前に、チキンフィレサンドを食べてくればよかったと思う。
しかし、姉は食が細い。
食べることが好きな私と違って、食に興味がないのだとか。
「これで十分」と苦笑していた。
アイス・アンペリアルの次はテタンジェ。

テタンジェ

馴染みのない種類だったが、飲みやすかった。
続いて、マム、ニコラ・フィアット、モエ・エ・シャンドンを楽しむ。
ゆっくり食べたつもりだったのに、私のお皿はもう空っぽだ。
不意にローストビーフが欲しくなった。
クリーム系のパスタも。
追加で、何かオーダーできればいいのにと思うのだが。
おしゃべりしていたら、あっという間にラストオーダー。
ケーキとアイスもあれば幸せなのに、残念だ。
会計をすませ、7時にはガーデンを出た。
シャンパンが何種類も飲めるのはありがたい。
でも、食べることが好きな人には、不完全燃焼感が残る。
食べることに関しては、姉の真似はできないのだ。
フードメニューを増やしてくれたら、また行くんだけど……。

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至福の休日

テーマ:
 横浜そごうで買い物しようと思いついた。
 いつも池袋ばかりなので、年に何回かは遠出するのだ。
「どうせ行くなら、デパ地下で何か美味しいものを買いたいな~」
 目当ては洋服のはずなのに、いつも食べ物がセットになる。
 すかさず、そごうのホームページをチェック。
 厚焼き玉子が挟まれたサンドイッチを見つけた。
「おおっ、これはこれは!」
 かくして、買うものは決まった。
 横浜そごうは広い。
 トータルで売り場面積はいかほどになるのだろう。
 地下2階を歩いても歩いても、タマゴサンドが見つからなくて困った。
 さんざんウロつき、どうにかこうにか売り場にたどり着く。
 ちょっとガッカリしたのは、「麻布十番」の文字を見たときだ。

 なーんだ、東京の店だったのか……。

 わざわざ横浜で買うのも何だが、美味しそうなことに変わりはない。
「いらっしゃいませ。6個入りと12個入りのどちらにしましょう」
「じゃあ6個……。ううん、やっぱり、12個にします」
 このあと娘と待ち合わせして、半分こするつもりだった。
 3個じゃ、とても足りない。
 タマゴサンドを持ってみなとみらい線に乗り、元町・中華街駅へ。
 港の見える丘公園を抜け、岩崎ミュージアムでドレス体験をする予定だった。
 ところが、入り口で萎える。
「ドレス体験60分待ち。冷房故障」
 1時間待つのはイヤだが、この暑さの中、冷房なしでドレスを着るのもツラい。
「やーめた。また今度来ればいいや」
 ドレスは逃げない。慌てることはないさ。
 港の見える丘公園に戻り、ベンチに腰掛ける。
 撮影スポットになっている場所に、品のいいおじいさんが2人、立っていた。
「写真を撮りましょうか」
「ありがとうございます」
 どうやら、家族連れなどに声をかけ、シャッターを押してあげているらしい。
 なかなかの腕前のようで、「わあ、キレイ」とか「お上手ね」と喜ばれていた。
 ほのぼのするやり取りを見ながら、タマゴサンドを開ける。

タマゴサンド

 1切れは小さい。

天のや

 やはり、12個入りにしてよかったかもしれない。
「はーい、嬢ちゃん、こっち見て」
 カメラを構えていない方のおじいさんが、幼児の注意をひこうと手を叩く。
 パンパン、パンパン。
 のどかなドラマを見ながら、1つ目を口に頬張った。
 甘いのかと思ったら、意外や意外、辛子が挟まっていた。
 鋭い辛さではなく、あくまでも優しい「ちょいピリ」感。
 お稚児さんといってもおかしくない、幼い美少年のようにマイルドな辛子である。
 ふわふわのパンと、ほんのり甘い玉子焼きを引き立て、主役なのか脇役なのかわからない。
「笑って笑って!」
 子どもを写すのは大変だが、おだやかな雰囲気を悟ったのか、ニカッと白い歯を見せた。
 撮影成功とみた。
 こちらも、買い物成功である。
 絶品といえるタマゴサンドをいただきながら、入れ代わり立ち代わり訪れる家族連れを眺めていた。
 ああ、至福の休日よ。

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土方歳三資料館へ

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 司馬遼太郎の『燃えよ剣』を読んで、土方歳三ファンになった。
 『歴史街道』5月号は「新選組副長 土方歳三 なぜ戦い続けたのか」である。
 ファンとしては当然購入する。
 読んでみて、土方歳三資料館なる施設があることを知った。
 しかも、5月21日までの限定で、彼の愛刀「和泉守兼定」を公開していると書いてあるではないか。
 「これは行かねば!」と決心し、ちょうど高尾に行く予定のある最終日に出かけた。
 高尾駅で11:30に母と待ち合わせているから、早めに着いてカフェの席を確保したい。
 資料館のある満願寺駅から高尾駅は近い。
 10:00前には資料館に到着し、10:30頃出発すれば間に合うと安易に考えた。
 しかし、館内入口がすでに見学者であふれているとは思わなかった。

門

掲示

 「うへ~、間に合うかな……」
 少々心配していたが、5分後には館内に入ることができた。
 目指すは和泉守兼定。
 人はうじゃうじゃいたが、最悪でもこの刀だけ見られればよい。
 人をかきわけ、刀を目指して進んでいたら、見覚えのある女性がマイクを片手に話し始めた。
 「これから解説を始めますので、お座りください」
 『歴史街道』に載っていた、歳三の兄の子孫で6代目の土方愛さんであった。
 雑誌の写真よりも若く見えて、とてもキュートだ。
 歳三も二枚目だったし、土方家のDNAには美貌が受け継がれているのだろう。
 「平成2年までは歳三の生家が残っていて、薪で沸かしたお風呂もありました。私は歳三の仏壇の斜向かいに学習机を置き、そこで勉強をして育ちました」
 資料館開設のきっかけは、歳三の遺品を見せてほしいと訪れる客が後を絶たず、だったら月に1回遺品を公開する日を設定しようと考えたからだという。
 平成6年に資料館を開くまで、子孫の方は不意の客への対応で、あれこれ苦労をされたのだろう。
 和泉守兼定は、日本刀が武器になった最後の時代に活躍し、1年から1年半使ったと見られるようだ。
 当時は長い刀が流行っていたが、振り回しがよくないことからすぐに廃れている。
 この刀は70.3cmと一般的な長さであることから、歳三は実用性を重視していたようだ。
 柄の部分を見ると、スポーツとしての剣の握り方ではない跡が残っている。
 先に打ち込むことに重点を置き、短くコンパクトに握っていたと館長の愛さんは話した。
 歳三の命日は5月11日。
 戦死半年前の肖像には、右肩にピストル、左脇には刀を差した姿が写っている。
 「日本刀は歳三にとって、プライドの象徴、あるいは自分の存在意義であったのでしょう」
 館長はそう締めくくった。
 そうだったのか。こんないい話が聞けてラッキーである。
 話のあとは、お待ちかねの和泉守兼定を見た。
 刀身は思ったよりも細い。
 よく研がれており、鏡代わりに化粧直しができそうなくらい輝いている。
 歳三の死後、研ぎ直しをしたというから刃こぼれはない。
 これで、何人もの体を斬ったのかと思うと、背筋が寒くなる。
 でも、なぜか惹きつけられて、目が離せなくなる。
 これが、日本刀の妖しい魅力なのだろうか。
 他にも、鎖かたびらや鉢金などが展示されていたが、私が気に入ったのは別のものだ。
 榎本武揚が、歳三の人となりを表現した「入室伹清風」の書額は大変素晴らしかった。
 意味は、歳三が部屋に入ってくると、清らかな風が流れるようだというものだが、わかる気がする。
 たしかに、人を和やかな気分にさせる、そよ風のような人はいる。
 それを漢字5文字で表す技術は、今の日本人にないのではないか。
 画像や映像に頼ることが増え、文字での表現が苦手になった。
 「おっと、そろそろ行かなくちゃ」
 時計を見ると10時20分になっている。
 グッズや図録には行列ができていて、まったく進まない。
 「いいやもう。何もいらない」
 靴を履き、出口から通りに出る途中で、歳三手植えの矢竹を見た。

矢竹

 そよ風よりも強い風が吹き、石田散薬の幟がはためく。
 館長さん、今日はどうもありがとうございました。

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こんな仕事やっています

テーマ:
新年度が始まり、慣れない仕事に困惑している。
4月から、時間割や教育課程、入試などに関わる教務部に配置されたからだ。
今まで、ほとんど経験のないまま、アラフィフを迎えてしまった。
弱点克服のため入れられたようなものだが、周りは経験者ばかりなので仕事が回ってこない。
彼らは私にやり方を教えるより、自分でササッとすませてしまった方が早い。
そして、私は永遠に仕事をおぼえられない。
そんなのはイヤだ。
人の動きをよく観察して、自分で仕事を取りに行くしかないだろう。
まずは電話応対。
学校にかかってくる電話は片っ端から受けてやる、くらいの意気込みで受話器を取る。
入学早々、不登校となった生徒の保護者とは、毎朝言葉を交わしている。
先日は、交通事故の通報まで受けてしまった。
次に、イレギュラーな仕事。
今年は、修学旅行に参加しない生徒が4人もいた。
たまたま担任団から、教務にと対応を頼まれた。
「チャンス」到来。主任の承諾を得て、自分が仕切ることにする。
そのうち、調査の回答など、主任から「〇日までにお願いします」と頼まれるようになった。
暇で暇でしょうがなかった4月一週に比べると、今はだいぶ忙しい。
よしよし。
「笹木先生の歓迎会をやりましょう」
気の利く若手が店を予約してくれて、先日、初会合に参加した。
「ワインはあるかしら」
「あっ、ここに書いてありますよ」
「黒ビールは?」
「ヱビスの小瓶があるみたいです」
「やった~!」
このところ、アルコールとのつき合い方が上手くなった。
以前は、飲む量が同じでも悪酔いすることがあったが、何故なのかわからなかった。
私は肩から背中、腰にかけて凝りやすい。
この背中の凝りをほぐし、血行をよくすると胃腸の働きが活発になり、気持ち悪くならずにすむと気づいた。
この日も、握りこぶしで背中をグリグリ指圧してある。
たっぷり飲んで、たくさんしゃべった。

ビール

いざ、お会計のとき。
「歓迎会だから、笹木先生は払わなくていいですよ」
「えっ、そんな」
と戸惑いつつ、「ごちそうさまです」などとお礼を言ってしまった。
公務員の飲み会で、ご招待はほとんどない。
割り勘のつもりでしこたま飲んでしまい、ただ酒では気が引ける。
連休で出かける予定があるから、おみやげを奮発してバランスをとるしかない。
そんなこんなで、どうにかやっていけそうな予感……。

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もらってうれしい銀婚式

テーマ:
 昨日は25回目の結婚記念日だった。つまり、銀婚式だ。
 ひと月前から、大学生の娘に、プレゼントは何がいいかを聞かれた。
「柿右衛門の一輪挿しが欲しい」
「は? 一輪挿し? 普通、ペアのものにするんじゃないの」
「じゃあ、一輪挿し2つで」
「おかしいだろ。いくらするの」
「1個5万くらいかな」
「買えるわけない。無理無理」
 却下されてしまった。くすん。
 結局、シャンパンをプレゼントするから、みんなで飲もうということになった。
「今日、買いに行くから楽しみにしてて」
「うん」
「じゃあ、いってらっしゃい」
 娘に見送られて出勤する。
 職場では、次年度に向けての席替えがあった。
 肉体労働のあと、コーヒータイムに突入する。
「あれ? コーヒー豆があとちょっとしかない」
 うっかりしていた。コーヒーを切らすのはイヤだ。
 たしか、シャンパンを買う店ではコーヒーも売っているはず。
 娘に電話をかけた。
「何? どうしたの」
「もうシャンパン買っちゃった?」
「まだだけど」
「よかった~。実は、コーヒーも欲しくてさ」
「…………」
「マンデリンフレンチも買ってよ」
「えー」
「もちろん、プレゼントにしてくれるんでしょ」
「…………」
「お願い! 仕事あるから、じゃあね、じゃあね」
 ちょっと図々し過ぎただろうか。
 しかし、希望はかなえられた。
 シャンパンと

シャンパン

 コーヒー。

コーヒー

 うししし。
 夜はレストランでディナー。

銀婚式

 さーて、シャンパンはいつ開けるかな。

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お台場に行く理由

テーマ:
お台場に行った。
撤去される実物大ガンダムの見納めに。
どうせ行くなら、ついでが欲しい。
「そうだ、お台場にはbillsがあったはず。あそこで朝ごはんっていうのもいいわね」
眠かったが、朝6時半に起きた。
うがいをして紅茶を飲み、ラジオ体操。
顔を洗って着替え、7時40分に家を出る。
りんかい線で、東京テレポート駅までひとっ飛び。
まずは9時オープンのbills。
お腹がすいたから、ガンダムより先に飛び込む。
スタッフのお姉さんにメニューを聞き、甘めのサンライズドリンクに

ビルズ1

トースト抜きで、ベーコン・トマトをトッピングしたハーフサイズのスクランブルエッグ、

ビルズ2

そして、お目当てのリコッタパンケーキを注文する。

ビルズ3

パンケーキの焼き上がりは20分程度。
うまい具合に時間差ができ、玉子料理のあとに食べられる。
ふんわりしているのに、適度な弾力性もあり、メイプルシロップとの相性もバッチリ。
メチャ美味しいパンケーキだった。
しかし、量が多い。
スクランブルエッグはフルサイズにして、2人でシェアすればちょうどいいと思う。
お腹が苦しくなり、コーヒーも飲まずに移動した。
歩くたび、胃袋の重さが身に沁みる……。
さて、本来の目的であるガンダムは、平日の朝という時間帯のためか、すいていた。

ガンダム3

ズームにして、上半身をじっくり見る。

ガンダム2

右から

ガンダム4

左から

ガンダム5

後ろから

ガンダム1

パーツごと。

ガンダム7

ガンダム6

天気はイマイチだったけど、無人のときもあり、ガンダムを独占できたみたいでウレシイ。
さて、またりんかい線に乗って帰りましょうか。
今日はいい日だったな~。

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せんべい、せんぺい

テーマ:
三週間前に長崎に行ったときのことだ。
家族でおみやげを選んでいた。
長崎らしくて美味しくて、気軽に配れるものは何かと考えた。
「あっ、これ、いいんじゃない?」
私が見つけたのは「ちゃんぽんせんべい」なる商品だった。
以前、宇都宮で「餃子せんべい」を買ったことがある。

餃子1

餃子の香ばしさ、旨さが忠実に再現されていて、大好評だった。

餃子2

そのイメージがあったので、絶対美味しいはずだと決めつけていた。
娘が横から、素朴な疑問を投げかけてくる。
「ねえ、お母さん。せんべいじゃなくて、せんぺいって書いてあるよ」
「えっ、せんぺい?」
「うん」
「うわっ、ホントだ!」
たしかに、せんべいではなくせんぺい。

ちゃんぽん1

なして~?
平成では、わからないことを検索して解決することができる。
インターネットを立ち上げ、「せんぺい せんべい 違い」のワードで検索してみた。
「へー、米からできているものがせんべい、米以外の小麦粉などでできているものがせんぺいか」
長崎では、どうやら原材料で線引きをしているらしい。
これで納得した。
さて、袋の中はこうなっている。

ちゃんぽん2

見た目は、餃子せんべいとよく似ているではないか。
大きな期待を抱き、パクッと食べてみると……。
「むむむ……。しょっぱい」
お味の方では、だいぶ差があった。
長崎ちゃんぽんはグレイトだが、せんぺい化に成功したとは言い難い。
あらためて、宇都宮餃子の偉大さを思い知らされた。

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