◆裁判員裁判になる事件と言うのは、殺人事件や世間の興味の高い事件がほとんどですから、死刑判決を下す裁判も中にはあります。そんな判決を、これまで法律と無関係に過ごしてきた方々に強いる裁判員裁判はもう少し、改良の余地はあると思います。現状では、裁判員の負担が大きすぎるのにケアやフォローが間に合っていないように感じます。

<裁判員経験者>「戸惑い、心の葛藤」証言集を出版
毎日新聞 11月5日

 裁判員経験者による裁判員経験者たちへのインタビューが本にまとまった。「裁判員のあたまの中 14人のはじめて物語」(現代人文社刊)。司法になじみのなかった市民が法廷で被告に向き合った時の戸惑い、評議室での心の葛藤、人を裁くことを経て変化した自身の人生観などを素朴な言葉で語った貴重な「証言集」だ。今月上旬から書店に順次並ぶ。

 インタビュアーで本の編者は、元俳優による保護責任者遺棄事件の裁判(2010年9月)を担当した東京都練馬区の不動産業、田口真義さん(37)。経験者の交流会などで知り合った男女13人に4~8月、インタビューした。全国初の裁判員裁判や死刑事件に関わった経験者もいる。

 収録された経験談はさまざまだ。ある男性は「よく分かったのは、いつ自分が反対側(被告)になるかも分からないということ。交通事故の裁判などを見ていると、どっちにも転び得る、法廷を見ておくことは、自分の身を守ることになる」と自身の意識の変化を口にした。また、ある女性は「(法廷に)出された証拠は十分でない」と感じたといい、証拠に基づいて判断するという裁判の原則に疑問を投げかけた。評議室でのエピソードなども、守秘義務に違反しないよう配慮しながら多数紹介されている。

 インタビューに1人平均3~4時間を費やした田口さんは「時を経て冷静に、客観的になった経験者の声をそのまま伝えたかった。将来、裁判員を務めるかもしれない人たちが自分のこととして実感してもらえると思う」。日本弁護士連合会裁判員本部事務局次長の宮村啓太弁護士は「制度全体の運用や訴訟活動の在り方を考える時、裁判員の生の声が一番参考になる。法曹三者にぜひ読んでほしい」と呼びかけている。A5判、216ページで2310円。
◆いくら、病気を患っていたとしても、自身の子供が高熱をだしていたら病院にくらい連れていって欲しかったですね。子供は親を選べすに生まれてくるのですから、愛してあげて欲しいです。もし、それが困難なら自治体に相談するなど方法はいろいろあります。命が奪われるという最悪なケースを回避できなかった、責任は大いにあると思いますよ。
この裁判を通して少しでも、子供が犠牲になる事件が減ってくれる事を願います。

「死ぬと思わず」母親無罪主張=肺炎幼児放置死事件―大津地裁
時事通信 10月28日

 大津市の自宅で、肺炎を患った1歳7カ月の息子を放置し死亡させたとして、保護責任者遺棄致死罪に問われた母親の高橋由美子被告(30)に対する裁判員裁判の初公判が28日、大津地裁(飯島健太郎裁判長)であり、高橋被告は「息子が危険とは分からず、死ぬと思わなかった」と無罪を主張した。
 検察側は冒頭陳述で、危険な状態だったことは高橋被告も認識していたと指摘。被告は軽いうつ病だったが、責任能力に問題はないと述べた。弁護側は無罪主張に加え、仮に同罪が成立したとしても、事件当時は心神耗弱だったとして減刑を求めた。
 起訴状によると、高橋被告は2011年6月、三男の希旺ちゃんが高熱を出し、せき込むなどの症状が出ていることを知りながら、適切な医療措置を受けさせず、気管支肺炎で死亡させたとされる。
 高橋被告は滋賀県警の調べに対し、「インターネットのチャットに夢中になり、十分な子育てをしていなかった」などと供述していた。大津地検は昨年7~10月、高橋被告を鑑定留置。責任能力に問題はないとして、同年11月に起訴した。
◆裁判員を立派に務めあげられた裁判官は、どういう心境なのでしょうね。
死刑が回避されて、ホッとした部分と私たちが苦しんでだした判決はなんだったんだろうという部分がある複雑な心境だろうと思います。
後は、最高裁で判決が下るでしょう。裁判官の方々お疲れ様でした。

<千葉女子学生強盗殺人>無期懲役を不服 東京高検が上告
毎日新聞 10月21日

 千葉県松戸市で2009年10月、千葉大の女子学生(当時21歳)が殺害された事件で、東京高検は21日、強盗殺人などの罪に問われた無職、竪山辰美(たてやま・たつみ)被告(52)を死刑とした裁判員裁判の1審・千葉地裁判決を破棄し、無期懲役とした東京高裁判決を不服として上告した。高裁は「殺害された被害者が1人で計画性がない」と述べて減刑したが、高検は「判例違反があり、著しく正義に反する」と上告理由を説明している。