「SAW2」を見た。そしてむかついた(笑)。
- 角川エンタテインメント
- ソウ2 DTSエディション
終った後にとんでもなくむかつく物語ってたまにありますよね。
SF小説が好きな方はご存知だと思いますが、
ジェイムズ・ティプトリー・JRの短編「たったひとつの冴えたやり方」って言うのと、
映画ではこの「SAW」シリーズがそれだと思います。
なんてったって、理不尽さがウリのこの映画、
実は「キューブ」同様に最初の「1」の方はかなりの低予算で作られたそうです。
「1」の特典映像のインタビューの中で監督だったかプロデューサーも言ってますが、
まずその状況からシナリオを膨らませたそうです。
どこかわからない汚いバスルーム(外国なのでトイレと一体)の対角の端っこに、
片足を鎖で繋がれた二人の男が目を覚まします。
そして部屋の真ん中には血を流して倒れている死体。
設けられた制限時間内に目的を果たさないと、ゲームオーバーです。
その部屋の中にある物と、一緒にいる人で謎を解いて行き、
部屋を脱出するのが目的でした。
そう、被害者は通称「ジグソー」の勝手に作ったゲームをやらされるのです。
何気にプロットは「キューブ」と一緒ですね。
しかし、見終わった後のむかつき感は「SAW」の方がはるかに強烈です。
「1」の物語はそのほとんどが閉鎖されたバスルームの中で展開するのですが、
今回の「2」は多少広くてどこかの建物全体です。
しかも、同時に閉じ込められている被害者は6人。
しかし、この6人は「ゲーム」が開始された後も、
もちろんお互いに疑心暗鬼になり、協力などまったくしません(笑)。
それどころか、お互いの共通点こそが重要なカギにも関わらず、
それを突き止めることもないままで右往左往します。
ところが、「ジグソー」の狙う本当の被害者は、
実はこの被害者達が閉じ込められた建物の外にもいました。
それは「1」でもジグソーを追い詰めた刑事です。
(↑この辺は映画の最初ですぐわかるので(^^;)
んで、何がむかつくって「1」もそうなのですが、
犯人「ジグソー」の自分勝手すぎる犯行動機というか、理屈です。
それが「ジグソー」の「理由」だったりもします。
自分は「不治の病」で残された時間が決まっている、
だから、「人生をきちんと歩んでいない」人間が許せない。
そこで私はそういう人間を危険なゲームに参加させて、
「生きていることのありがたみ」を実感させるのだ。
「ジグソー」はそう言います。
しかし、彼は「生への執着は無い」と言う感じの言動を見せながらも、
実はめちゃめちゃ執着しているんですよね。
それが今回の被害者の刑事に対する、
「ガンに打ち勝つ方法とは?」という謎かけになっています。
制限時間内に謎を解き、脱出する、
それは「ジグソー」自身に科せられたゲームでもあるわけです。
いくら彼が被害者達の素行にもっともな理由を当てはめようとも、
結局は範囲を狭めた空間で、自分のゲームを縮小し、具現化しただけです。
それを面白く観戦し、あくまでも、
「自分は手を下していない。死を選んだのは被害者自身だ」と言うのです。
被害者達をそこに閉じ込めて、勝手なルールを決めたにも関わらず。
そして今回の「2」ではスケールアップしたのはもちろんのこと、
新たな展開があります。
「1」の最後で超とんでもないどんでん返しがありましたが、
今回も超、超、超むかつくどんでん返しを見せてくれます。
それは「1」へのオマージュでもあったり(笑)
結局、観客も製作者の「ゲーム」に巻き込まれてる気になり、
物語は終わり、、、ません。
だって、「ゲーム」には、ルールが厳格であればこそ、
初めと終わりはきちんとありますが、
一方で、それが「ゲーム」である以上、何回でも繰り返されるのですから。
「ゲーム」と言えば、そういうタイトルの映画もありましたね。
マイケル・ダグラス主演でしたっけ。
でも、やはり見た後のむかつき感はこちらの方がはるかに上です。
あと注意として、この「SAW」は「1」にしろ、「2」にしろ、
今のえんじぇるのように体調の悪い時に見るのは絶対にオススメしません(笑)。
何気に吐きそうになりますから(^^;。
両作品とも、やはり画面も暗めで、
嫌でも自然と画面に集中させられます。
特に「2」は予算的にもパワーアップしてるのか、
全体的にかなりリアルに作られてますので(^^;。
いや、ほんと、さらに体調が悪化した気がしてなりません(T_T)。
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↑そういえば、この作品でも不気味な人形がでますね(^^;。
↑読んだ後で、「どこが冴えてるの?」と必ずツッコミたくなるでしょう。
そして、、、哀しさにむかつきます。
もし自分が同じ状況におかれたら。。。
。。。。。
レンタル一本につき100円の割引券をもらっているのですが、
とても制限期間内に使い切れそうにありません。
期間を区切られると、人間はやはり焦りますね(笑)。