納得性のある評価2
納得性のある評価をするためには、評価ルールを明確にして考課者訓練を行うとよいと考えられる。
確かに、評価ルールを決めて、評価基準を明確にすれば、そして、考課者訓練を行ってルール通りに評価すれば、公正な評価、納得性のある評価ができるような気がする。
私も、そのような考えで、ルール作りや、基準作り、そして考課者訓練を実施している。しかし、本当に可能なのだろうか?
ルールを作るといっても、現実には色々なケースが出てくる。それに対して、ルールで全部対応しようと思ったら、複雑なものになってしまう。例外処理をするのであれば、一つ二つであればまだしも、頻繁になると意味のないルールになってしまう。
基準を作るといっても、どの程度のものを作るのか、細かく作れば作るほど、複雑になり、メンテナンスがしにくくなる。大雑把に作れば、抽象的で解釈に仕方によってバラツキが出てくる。
仮に、適切なルール、適切な基準ができて、考課者訓練を行って考課者の考課力を上げたとしても、もう一つ大きな問題が出てくる。
考課する人が、考課される人の仕事ぶりをすべて見ているわけではない、ということである。上司も仕事を持っていて、上司のわかる範囲でしか評価できない。
職務の関係で、上司と部下がいつも一緒にいる場合と、ほとんど一緒にいない場合など、色々なケースが出てくる。
仕事の結果は一緒にいなくてもわかるが、同じ結果にしても条件がちがえば、困難さもちがってくる。
また、面接で無理やり納得させるという会社もあるが、これも逆効果なように思う。
このように考えると、納得性のある評価、公正な評価は不可能なように思える。
しかし、現実には納得性のある評価を実施している会社がいくつもあるのである。
そして、そのような会社は社員もイキイキしており、業績も高水準で安定している。
視点を変えることが必要だ。