小規模企業での評価制度の導入 | 人事コンサルタントのブログ

小規模企業での評価制度の導入

 当社は、従業員数が非常に少ない小規模の企業のため、従業員の1人1人が、それぞれ違う担当業務に就いており、評価基準として同職の者との比較等が非常に難しく、実際に能力成果主義のような賃金体系を構築しようにも、人事考課の評価基準に関しては、どうにも定義付けが難しく思えます。私どものような小規模企業では、能力成果主義賃金の体系は取り入れにくいものなのでしょうか。(社員10人の会社の経営者Kさん)

  

 社員数に関係なく、人事評価制度は導入できます。社員数はあまり関係ありません。

 

 まず、評価の仕方は社員同士を比較する相対評価ではなく、一人一人の仕事振りと基準とを比較する絶対評価で行います。この基準はそれぞれ一人一人に設定します。

 

したがって、人数の少ない方がより明確に設定できます。

 

社員数が多い場合でも、一人の人が評価する人数は10人以下にして、一人一人設定します。(1次考課の場合)

 

 問題は評価の基準ですが、一つは一人一人に対して、今期何をして欲しいのか、どのような成果を出して欲しいのか、あるいはその仕事を全うしたらどうなるのか、を明確にします。

 

これが成績考課の基準です。 半年後に結果はどうであったかを評価します。

 

 もう一つは、その役割を全うするために何をするのか、どのような行動をするのかを明確にします。これが行動評価の基準です。半年後に、実際に行ったかどうかを評価します。

 

 成績考課で求める成果は、当然、賃金の多い人は多くなりますし、少ない人は少なくなるはずです。

 

しかし、達成不能や簡単すぎるも目標は意味がありませんので、現実に即したレベルに設定し、そのレベルが賃金に対して高い場合は、それを達成したらAということにします。

 

賃金と比較して低い場合は、それを達成してBまたはCという風に処遇上対応すればよいと思います。

 

いずれにしても、企業の社員数には関係なく、役割を明確にすることが大事です。

  

 また、人数が少なければ、会社の業績イコール社員の成果になりますから、賞与総原資を会社の業績に連動するようにするだけで、意識はぜんぜん違います。すぐにできますので、ぜひ導入してください。