● 組織としての基盤作り | 人事コンサルタントのブログ

● 組織としての基盤作り

 社員数50名の建設業ですが、社長は部下の育成には関心がなく、 仕事の消化が最優先の状態です。 そのために幹部役員は湯舟につかっている状態であり、部下の評価・育成は全くといっていいほど出来ておりません。自分をチヤホヤしてくれる部下を可愛がる傾向にあり、仕事が出来る・出来ないは関係がないに等しい状況です。
 理想としては、いい職場を提供でき、いい評価・教育ができ、いい仕事ができる企業にして行きたいです。 とにかく基盤をしっかりさせ、この状況をどうにか、改善していきたいです。

 
 利益が上がっていて、将来の見通しも明るいのであれば 現状のままでもいいのではないでしょうか。ただ現実には、世の中そんな甘いものではないと思います。

 何らかの改革が必要だと思います。
しかし、改革には大きなエネルギーが必要です。 生半可な気持ちでは失敗に終わってしまい、もっと悪くなってしまう恐れがあります。
何かをきっかけに、不退転の決意で取り組む必要があると思います。

以下人事面から捉えると、次のようにすすめるとよいのではないでしょうか。

1.きっかけを捕らえる
 社長交代、赤字計上、同業者の倒産など、身近にこのままではいけないという現象をきっかけに、改革の必要性を訴えます。(将来像の提示)

2.人事関係の改革
 社員が一番関心があり、変化が実感できるのは人事に関することです。
 組織変更、人事異動などによりまず一つの変化を与えます。
 さらに、賃金制度、評価制度の変更を告げ、キーになる社員を選定して自社にあった賃金制度作成に入ります。(専門家を入れてあるべき方向を示す)

3.自社にあった人事制度作りの中で、世間の状況、当社の状況を理解させあるべき姿を考えさせます。

4.当然人事制度は、公正処遇に結びつくものにします。

5.評価の研修の中で、管理職としての立場役割を教えます。

6.反発する人も出てきますが、強いリーダーシップですすめます。

7.50人の社員であれば、2~3人退職することも考えられます。

いずれにしても、改革を進める側の強い信念が人を動かすと思います。 そして、厳しい状況のときに行う方が共感を得られます。




著者: 伊藤 守
タイトル: コーチング・マネジメント―人と組織のハイパフォーマンスをつくる