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2012年02月25日

仕事に対する価値観

テーマ:06 人事管理

 40代前半の中堅社員のモチベーションを上げ、管理職(課長)へのスキルアップを計りたいと考えております。仕事の処理時間は短く、何をどのように処理していくかの理解力は高いと思います。

 
 しかしながら、本人に意欲というものが垣間見られません。懸案事項があっても、自身から解決するための提案や行動はほとんど見受けられず、また、アシスタントへの的確な指示もありません。

 
1年後この様な社員を課長昇進の為の推薦が出来るような人物に育てるためには、どのような有効な手段があるか、もしくは無謀な計画なのかご相談したいのです。

 

 難しい問題ですね。ご本人はどう考えていらっしゃるのでしょうか。
働く上での考え方・価値観は人によって色々ありますから、ご本人がどう思っているかにによると思います。

 

 以前あるコンサルティング会社が行った「働く上での価値観」調査(2007年12月正社員約5000人に対するアンケート調査)によりますと、


 1.大きな仕事を積極的に 28%
 2.こつこつと 17%
 3.顧客・世の中・組織発展のため 16%
 4.報酬のため 14%
 5.スキルアップ志向 
14%
 6.私生活優先 
12%

 という結果が出ています。

 

「より責任のある立場で、大きな仕事がしたい」、「任せられて裁量の大きな仕事がしたい」「新しい分野を開拓していきたい」といった積極的に仕事に取り組むタイプの人が一番多いのですが、約3割に過ぎません。

 
「仕事のために家庭や私生活を犠牲にしたくない」という、仕事よりも私生活を重視するタイプの人も1割以上いるわけです。

 

 もう40代ということであれば、自分なりの人生観や仕事の価値観も固まっていることでしょうから、その辺をまず確認することが先決だと思います。

 

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2012年02月24日

兼任の場合の評価者

テーマ:03 人事考課

 マトリックス組織や部下の仕事の兼任で、指示命令する上司が複数いる場合は、誰が評価するのがいいでしょうか。それぞれ別々に行うのがいいでしょうか。

 

 その会社の考え方にもよりますが、組織上の上司またはより関わりの強い上司が、その他の上司から状況を聞き、責任を持って評価するようにすると良いと思います。

 

あるいは複数の上司がそれぞれ評価し、上司間で刷り合わせて、評価するという方法でも良いと思います。

 

複数の上司が項目を分けて別々に評価すると、責任の所在がはっきりしませんし、部下も戸惑います。

 

上司同士のコミュニケーションを密にして、直属上司が責任を持って行うのが良いでしょう。

 

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2012年02月23日

人事考課の負担

テーマ:03 人事考課

 人事考課の必要性や重要性は、御社のホームページなどを見て、十分認識しているのですが、実際に行うとなると、かなり大変な感じ(負担が大きい)がします。どう考えればよいでしょうか。

 

 人事考課は人事制度(賃金制度など)を運用していく上で、非常に大事なことです。人事制度を機能させるためには、ここを避けては通れないところです。

 
ただ、おっしゃるようにイメージとして大変だ、負担が大きいと感じる点もあると思います。

 

 評価をすると考えるのではなく、上司がその役割と一つとして、部下の仕事ぶりをよく見て、よい点はほめる、いけない点は叱る、注意するということをしっかり行う、そして、そのほめた点を考課シートの合致する項目によい点数(4、5点)をつける、叱ったり注意したりした点を考課シートの合致する項目に悪い点数(1、2点)をつけるとう風に考えてください。

 

上司が本来行うべき管理監督活動をしっかりすることが大事です。

 

 そうはいっても、いきなりは大変でしょうから、考課シートを記入しやすいように工夫したり、考課者研修や被考研修などで教育したりすることも必要だと思います。

 

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2012年02月22日

成果主義導入をめぐる判例

テーマ:06 人事管理

 以前の記事 で、成果主義導入をめぐる判例として「ノイズ研究所事件」について触れていましたが、どのような事件だったのですか。当社も賃金制度の変更をすすめている途中なので興味があります。

 

 概要は次の通りです。 


ノイズ研究所事件(東京高判・平成18.6.22)

 
 職能資格制度に基づき職能給を支給する年功序列型の従前の賃金制度から、職務の等級の格付を行なって、これに基づき職務給を支給することとし、人事評価次第で昇格も降格もあり得ることとする成果主義に立つ新たな賃金制度に変更されたことの是非を問う事案。

 

変更の必要性について、 
「控訴人(会社)は、主力商品の競争の激化した経営環境の中で、従業員の労働生産性を高めて競争力を強化する高度な必要性があった」(経営環境

 
「新賃金制度は、控訴人にとって重要な職務により有能な人材を投入するために、従業員に対して従事する職務の重要性の程度に応じた処遇を行うこととするものであり」(制度の内容

 
「従業員に対して支給する賃金原資総額を減少させるものではなく、賃金原資の配分の仕方をより合理的なものに改めようとするものであって」(不利益性

 
「新賃金制度は、個々の従業員の賃金額を、当該従業員に与えられる職務内容と当該従業員の業績、能力の評価に基づいて決定する格付とによって決定するものであり、どの従業員も自己研鑽による職務遂行能力等の向上により昇格し、昇給することができるという平等な機会を保障しており、かつ、人事評価制度についても最低限度必要とされる程度の合理性を肯定し得るものであることからすれば、上記の必要性に見合ったものとして相当であり」(公平性、可能性

 
「控訴人はあらかじめ従業員に変更内容の概要を通知して周知に努め、一部従業員の所属する労働組合との団体交渉を通じて、労使間の合意により円滑に賃金制度の変更を行おうと務めていたという労使の交渉の経過や、それなりの緩和措置としての意義を有する経過措置が取られたこと」(説明努力

 
「前記認定に係る諸事情を総合考慮するならば」、「高度な必要性に基づいた合理的な内容のものであるといわざるを得ない」としている。

 

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2012年02月21日

人事考課の法的な留意点

テーマ:03 人事考課

 人事考課制度を導入して実際に行う場合に、法的に考慮すべきことは何でしょうか。

 

 「人事考課の法的根拠」の記事のところでも書きましたが、「公正処遇」「能力活用」「能力開発」等の目的で、社員の能力や行動、成績などを判定する人事考課は、使用者の人事権の一部といえます。

 

しかし、人事権の一部とはいえ、不公正で恣意的な人事考課が許されるということではありません。当然、使用者には「公正評価義務」があります。

 

 労働契約法の条文の2005年の試案には、「(人事考課・査定に係る公正評価義務)第34条 使用者は、人事考課・査定(昇給、昇格、昇進等の労働者の処遇に係る評価決定のことをいう。)については、本条の定めるところに従い、これを公正に行わなければならない。」という条文がありました。

 

 実際に成立した労働契約法には、上記のような明確な条文はありませんが、第3条の4項「信義則」5項「権利濫用の禁止」によって、公正評価義務を求めています。

 

 また、過去の判例でも次のように公正な評価が求められています。

 

・ 「明確な査定基準を設けるなど、公平かつ適正に実施すべきものであることは言うまでもないことである。」(昭和43.7.26、大阪地労委、富士輸送機工業事件)

 

・ 「昇給査定は、その裁量権の範囲を超え、またその濫用があった場合には、違法と解される。」(昭和54.12.11、東京地裁、セーラー万年筆事件)

 

・ 「一般的にいって、職務の性格その他の事情のため出来高払い式の賃金体系を採用できない使用者の場合は、考課査定制度を採用することにより賃金を決定したいという意欲にかられることは十分理解できるのではあるが、これは一面その運用において使用者が恣意に陥る危険性があり、労使紛争の原因となりやすいものである。したがって、この制度を採用しようとする使用者は、考課査定がいささかも恣意にわたることのないよう明確な基準を設け、公正を疑われないよう万全を期すべきである。」(昭和46.12.1、大阪地労委、圓井製作所事件)

 

 やはり、人事考課を実施する以上は、仕組みやルール、評価基準を明確にすることはもちろんのこと、定期的な考課者訓練などでルールや基準通りに運用されるようにすることが不可欠になります。

 

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2012年02月20日

役員の評価

テーマ:06 人事管理

 新しく人事制度を導入したり、評価制度を導入したりしても、しらけた雰囲気になってしまうことがあります。それは、社員にばかり成果を求めて、例えば年俸制といっておきながら、役員は評価もされず、報酬も保障されている場合です。

 

 一番先に評価されるのは、役員のはずです。役員の評価をどうするか、ここをあやふやにして、社員に厳しいことを求めてもうまくいきません。

 

 役員の評価制度をつくり、それから管理職の評価、最後に一般社員の評価制度を作っていくのが一番良いと思います。

 

評価される人が評価するから、正しい評価ができます。

評価されない人が評価すると、感情での評価(自分にとって都合がよいかどうかの評価)になってしまいます。

 

「社長は社会から評価され、役員は社長から評価される。」というような仕組みが必要です。

 

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2012年02月19日

「アメとムチ」による人事管理

テーマ:06 人事管理

 人間だけではなくネズミなどの動物でも、罰を与えられる行動を回避するようになり、報酬を与えられる行動を増やすようになる。このアメとムチ(報酬と罰)をうまく使い分けることで、人を動機付けることができる。このアメとムチによる力は、短期的には有効で強力な力である。

  
 このアメとムチによって、動機付けられている人は、報酬を得ることや罰を回避することが目的であり、仕事をするなどの行動はその手段となっている。「動機は不純でも、行動することが大切」と考えれば、「アメとムチ」も大事な動機づけの方法である。しかし、長期的に考えた場合どうだろうか?

 

 昔の話であるが、徹底して「アメとムチ」を使っていた営業会社を知っている。

 

 そこでは、1日注文が取れないと、その夜、他の営業マンから張りせんで「尻たたき」をされるのである。2日間続けて注文が取れないと、駅前や郵便局の前で童謡を歌わされたりもしていた。もちろん給与も歩合制で、注文が少ないと収入も少なくなる。
  
 逆に、成績の良い人は収入が多いだけでなく、海外旅行に行けたり、豪華な賞品をもらったり、さらに役職もどんどん上がっていった。椅子や机もランク別になっていた。

 

そんな会社の営業マンの状況を見て、次のようなことに気がついた。

 

1. 罰を何度も受けていると、罰を回避するための努力をせず、罰をやわらげることに努力する。

 
2. 努力せずに罰を回避することを考えるようになる。罰を回避するために不正をする。

 
3. 罰を受けることで、自分の努力していないことを正当化する。サボっていても「罰を受ければいいのでしょ」とサボることの言い訳にする。

  
4. 報酬をいつも受けている人は、それで満足して、「今期は報酬が少なくてもいいや」と、努力しなくなる。

  
5. 報酬をいつも受けている人は、「報酬を得るためだけに努力していること」に嫌気が差して去っていく。
 

6. アメとムチによる動機づけを長く受けていると、絶えず誰かが見張っていてアメやムチを与え続けなければ、行動しなくなる。

 

 これらは、決してよいことではない。一時騒がれた「成果主義」も、まさに金銭による「アメとムチ」である。成果主義を掲げた企業の多くが、その看板を下ろしたのも必然だと思う。

 

 やはり、「行動することで得られる楽しさや満足感による動機づけ」が必要である。

 

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2012年02月18日

社員も会社を選ぶ

テーマ:06 人事管理

 最近、指導もしないで、「お金を払っているからしっかりするのは当たり前、できないやつは給与を下げる」的な話を経営者からよく聞く。

 

 その経営者は、会社がその社員を選択して雇ってやっていると思っているつもりであろうが、逆に、社員も会社を選択しているのだ。

 
最初から優秀な人は、もっと別の会社に行っている。優秀じゃないから、そのようなことを言っている経営者の会社に仕方なく勤めているのだ。

 

 最初から優秀な人は、それなりの企業にもう勤めているか、自分で事業を起こしている。最初から優秀な人が、うまい具合に自社に入ってくるなんてことは夢物語である。

 
最初から優秀な人を期待するのではなく、優秀な人を育てるという発想が必要だ。

 

 ダイヤモンドの原石は磨けば光る。でも磨かなければ、普通の石と変わりない。逆に、河原に落ちている石だって、磨けばそれなりに光る。

 

磨きもしないで、「光れ、光れ」と怒鳴って、誰も光らない。

 

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2012年02月17日

解雇が認められた事例

テーマ:06 人事管理

 副業とか不倫とかで解雇できるのでしょうか。過去の事例などがあれば教えてください。

 

 色々事情がありますので、一概に言えません。

 

過去の事例を紹介しますので参考にしてください。

 

解雇が認められた事例

 

1. 兼業で解雇 小川建設事件(1982年11月19日東京地裁)

 
事務員がキャバレーの会計係として約1年間勤務した。(午後6時から12時)
兼業そのものよりは、居眠りなど仕事に影響を与える点を重視して、解雇が認められた。

 

2. 痴漢行為で解雇 小田急電鉄事件(2003年12月11日東京地裁)

 
電鉄の社員が他社の電鉄で痴漢行為を繰り返した点(3回)から、懲戒解雇が認められた。ただし、退職金は全額不支給ではなく、3割の支給を命じた。

 

3. セクハラで解雇 某製薬会社(2000年8月29日東京地裁)

 
多数の部下にしつこく交際を迫った管理職の解雇の合理性を認めた。繰り返しての行為は管理職としてだけでなく、従業員としての適格性を欠くと判断した。

 

4. 私用メールで解雇 久留米工業専門学校事件(2005年9月14日)
 

講師が、職場のパソコンで学校のメールアドレスを使い、4年間で1330通のメールを送信した。その半数が勤務時間中であった。

 

一日当り1~2通程度の私用メールは「職務専念義務違反」には当たらないという判例もあるが、今回の場合は、メールアドレスから学校が特定できるものであり、メール送信先がSMの相手を求める内容で、学校の名誉を傷つける行為として解雇が認定された。

 

解雇が認められなかった事例

  

5. 能力不足での解雇は無効 セガ・エンタープライズ事件(1999年10月15日東京地裁)

 
相対評価による下位10%未満であることを理由に能力が不足しているとはいえない。

 

6. 重大場面での遅刻による解雇は無効 高知放送事件(1977年1月31日最高裁)

 
2週間で2回、寝過ごしによりラジオ放送に遅刻し定時ニュースが放送できなかった。

 

本人の故意や悪意ではなく、同僚にも起こしてもらうように依頼している点や日頃の勤務態度が悪くない点から、解雇は重すぎると判断した。会社の管理体制にも問題がありと指摘。

 
7. 社内不倫を理由の解雇は無効 繁機工設備事件(1989年12月27日)

 
現場監督の既婚男性と経理担当の独身女性が不倫関係になり、社員や取引先もわかるような態度をとり、男性の妻からの抗議や経営者から注意を受けたが、恋愛の自由として受け入れなかった女性を「職場の風紀を乱した」として懲戒解雇したが、無効となった。

 

具体的に会社業務に支障があったかどうかが問題であり、その事実が認められないかぎり、解雇は重過ぎるという判断である。

 

調べればもっとあると思いますが、この辺でご勘弁を!

 

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2012年02月16日

賃下げの仕方

テーマ:04 賃金・手当

 経営環境の悪化により、賃金の切り下げを考えています。可能でしょうか。

 

 難しい問題ですね。次のように考えると良いでしょう。

 

● 就業規則(給与規定)の変更による賃金の切り下げについて

 

 労働契約法では、「労働者は及び使用者は、その合意により、労働契約の内容である労働条件を変更することができる。」(8条)とし、さらに「使用者は、労働者と合意することなく、就業規則を変更することにより、労働者の不利益に労働契約の内容である労働条件を変更することはできない。」(9条本文)と不利益変更については、合意によることが原則になっています。

 

 しかし、「ただし、次条の場合は、この限りではない」と定め、合理性があれば不利益変更に反対の労働者にも効力を及ぼすとなっています。

 

 法では、「使用者が就業規則の変更により労働条件を変更する場合において、変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ、就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況その他就業規則の変更に係る事情に照らして合理的であるときは、労働契約の内容である労働条件は、当該変更後の就業規則の定めるところとする。ただし、労働契約において、労働者及び使用者が就業規則の変更によっては変更されない労働条件として合意した部分については、第12条に該当する場合を除き、この限りではない。」(10条)となっています。

 

(第12条 就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については、無効とする。この場合において、無効となった部分は、就業規則で定める基準による。)

 

すなわち、周知と合理性が必要であり、合理性は次の5点で判断するということです。

 
① 労働者の受ける不利益の程度
② 労働条件の変更の必要性
③ 変更後の就業規則の内容の相当性
④ 労働組合等との交渉の状況
⑤ その他就業規則の変更に係る事情

 

● 就業規則や労働協約によらない場合の賃金の減額


 賃金は、一般的には会社と従業員との間の合意である労働契約ないし雇用契約、あるいは前述のように就業規則や労働協約によって決められています。

 
 従って、会社が、たとえ経営状況の悪化等を理由としても、就業規則や労働協約の変更手続を経ることなく、一方的に賃金を減額することは、従業員の同意がない限り、一般的にはできないものと考えられています。

 

合理性が認められたケースもありますので、こちらも ご覧ください。
 

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