震災後、福島の子ども達を保養のために青森に呼ぼう!
そういって始めたサマーキッズキャンプも、
今年で五年目になりました。
東北あしたの森の山本君と、
科学実験講座を中心に何でもできちゃう萌出浩さんが、
受け入れを続けていてくれます。
うちは、福島へ子ども達を迎えに行く運転手として、
毎年微力ながら応援しているキッズキャンプ。
今年は、一緒に川遊びに行くことができました。
今年は、小学校高学年から中学生の7人。
森の中に川の流れる景色は、
何とも言えず美しく、
こんな美しい自然の中で、
福島の子ども達が過ごせることは、
この子たちにとって当たり前にできないこと。
そう思うと、とても切なく、
でも、短いこの期間だけでも満喫してもらえたらいいな、
と、思います。
川に着くと、まず火おこしです。
萌出さん考案の火おこし機は、誰でも火種をおこせる優れもの。
あっという間に火がおこせました。
ほんとは川遊びを思いっきりしたいところでしたが、
あいにくの曇天で、
気温が上がらず、
川に入りたい子は足だけという。
それでも川に入りたい気持ち満々の子ども達。
でもやっぱり寒い!
川に入らない子は、
黄鉄鉱探し。
このあたりは黄鉄鉱が取れる場所で、
上流には鉱山跡があります。
その辺の石をトンカチで割ると、
きらきらした黄鉄鉱を発見することが出来ます。
水晶も見つけることができました。
宝探しの気分です。
息子も早速石を割ります。
黄鉄鉱をマイクロスコープで見る。
おお!
黄鉄鉱探しに疲れると、
川でダムづくりしたり、
水切りしたり。
「こうやるんだ」
と、父がお手本。
岩の上でまったりしたり、
朝、女子チームが作ったおにぎり食べて、
トウモロコシやソーセージ、
マシュマロ焼いて食べたり。
石を積んでみたり、
山本君そっくりの石発見!
ふきの葉っぱのコップも。
マイクロスコープでのぞく世界は美しい。
川遊びを終えると、
今度は源流の水場まで移動。
フキの葉っぱで水を飲んで、
直飲みに挑戦。
冷たい~!
さらに上流に行くと、
鉱山跡が。
ラピュタの廃墟のようなたたずまい。
捕まえたコブヤハズカミキリをお兄ちゃんに見せる息子。
今日も一日良く遊んだね。
帰りは日本一黒い温泉、
東北温泉に入って、冷えた体を温め、さっぱり。
川原で森を見ながら、
中学生の女の子と話しをしました。
「倒れた木の根元から、明るくなって、
また新しい小さい木が生えてきてるね。
木の生命力とか、
自然の力って、すごいよね。」と、私。
「はい。木があるから、
こんなふうに水がいっぱいあるんですよね。
福島でも、ダムがあって、そんなことを勉強しました。」
「そうだね、でも本来、ダムはなくても、
森に木がたくさんあれば、
こうやって川の水はどんどん流れてくるんだよね。
流れても流れても、なくならないくらいの水が、
山にはあるんだよね。」
そんな話をしながら、
倒木を眺めていました。
自然の中で、
年老いた木が倒れ、
そこから新しい命が芽生え、
更新されながら森が息づいていて、
森があるから水があり、
水があるから下流で田畑が出来る。
漁師さんも、森を大事にするという。
山があり、
森があり、
水を蓄え、
命を支える。
自然で遊び、
自然の美しさを知り、
人と自然のつながりを、
どこかで感じてくれたらいい。
次の世代に伝えていくのは、
そういうことかもしれない。
福島の子ども達は、
当たり前にできるはずの自然体験ができなくなっている。
そういう体感を、
何としても感じて欲しい。
一人でも多くの子に。
子ども達を受け入れてくれる、
山本君と萌出さんに、
本当に感謝です。