名古屋市で10月に開かれる国連生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)で主要議題になる世界の生態系の現状について、条約事務局は10日、1970(昭和45)年から野生の脊椎(せきつい)動物が3分の1失われたなどとする報告書を発表した。報告書はこうした現状をふまえ、「今年(2010年)までに生物多様性の損失速度を顕著に減少させる」とした02年設定の国際目標は達成できなかったとしている。

 アフリカ・ナイロビで、同日始まったCOP10の会合に合わせて日本を含め世界12カ国で発表された。

 報告書は世界各国からの報告に基づきまとめた「地球規模生物多様性概況」第3版。それによると、1970年から36年の間に野生の脊椎動物(魚類、両生類、爬虫(はちゆう)類、鳥類、哺乳(ほにゅう)類)の数が平均約3分の1減り、その傾向は継続していると指摘。特に森林伐採や開発などの影響で熱帯地域では59%、淡水域では41%減少するなど状況は深刻という。

 さらに、評価が終了した4万7677種のうち2%の875種が絶滅、1万7291種(36%)が絶滅の恐れにあるとしている。特にサンゴや両生類は絶滅の危機に直面しており、両生類は42%の種で、鳥類は40%の種で個体数が減少。植物の種の23%が絶滅に瀕(ひん)しているという。

 生態系の評価のために設定した21の指標のうち「生物多様性にとって重要な地域の保護」など一部で改善した項目はあったが、世界的に達成された項目はゼロだった。報告書は、生物多様性の恩恵を将来にわたって受けるには今後10~20年の取り組みにかかっているとしている。

 10月のCOP10ではこの報告書の評価に基づき、2010年以降の目標を決める。

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