埼玉県内の振り込め詐欺発生件数は、2月末現在で昨年同期比57件減の66件。被害件数は年々減っているものの、なお1日1件以上のペースで発生している。県警ではこの被害をさらに減らそうと、銀行など金融機関を対象に、ある“テスト”を行っている。(清作左)

 県警は今年から、警察OBに金融機関の窓口に行って振り込め詐欺の被害者を演じてもらい、従業員が振り込みを阻止できるかをチェックする「声かけ確認」を始めた。振り込め詐欺の被害防止に有効な声かけができているのか検証するのが目的だ。

 3月18日現在で、県内116金融機関で実施した。支店長など組織のトップには実施を通告しているが、多くの場合は現場の従業員には知らされておらず、事実上の抜き打ちテストだ。

 その結果、111(約95%)の金融機関で声かけに成功して被害防止ができていたという。県警ではこの取り組みを「実態がわかるとともに、どこを改善すべきかがすぐに指摘できて一石二鳥だ」という。

 3月16日、さいたま市北区の埼玉りそな銀行大宮支店土呂出張所で行われた声かけ確認。携帯電話を見ながらATM(現金自動預払機)を操作する被害者役の警察OBを行員が見つけ、「どういった振り込みですか」と声をかけた。「息子から頼まれた振り込み。急いでくれ」と話す内容から、振り込め詐欺だと感じた行員は「窓口で話しましょう」と持ちかけて、窓口で説得に当たっていた。

 その後、出張所の外で様子を見ていた警察官と銀行側が反省点などを話し合った。銀行側は「ATMからいかに離れさせるかを意識した」と振り返った。

 金融機関関係者によると、被害者は家族を思う気持ちから、止めるのを振り切って振り込んでしまうことが多々あるという。「リフォーム代金の振り込み」などと目的をごまかすよう被害者に指示するなど、手口も巧妙化している。

 静岡県立大学の西田公昭准教授(社会心理学)は、「被害者の多くは『自分は大丈夫』と思い込んでいるが、いざ電話がかかってくると動揺してだまされてしまう」と指摘。だまされないためには、疑問に思ったらすぐに相談することが有効だという。特に、声かけなどの人の言葉に耳を貸すことは「冷静に考えられるようになるため効果的」(西田准教授)という。

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