大阪府柏原市のJR関西線で「撮り鉄」と呼ばれる鉄道ファンが写真撮影のため線路内に立ち入り、電車が停車した問題で、柏原署は22日、鉄道営業法違反(鉄道地内立ち入り)容疑で実況見分を行った。

 現場付近は、渓谷を走り抜ける電車を写すことができる有名な撮影ポイント。線路脇まで侵入したファンは9人で、うち4人はJR側の退去指示に約30分間応じなかった。

 実況見分はトラブルで停止した電車2本の運転士らが立ち会い、約1時間半、行われた。

 同署によると、14日午前10時40分頃、快速の運転士が、河内(かわち)堅上(かたかみ)駅近くでファン4人が畑を横切って線路内に侵入し、レール脇約1メートルに接近したのを発見。

 電車を停車させて「危険なので出て下さい」と何度も呼びかけたが、約30分間応じなかった。

 同駅の西約600メートルの鉄橋で止まった普通電車の運転士は同日午前11時20分頃、1人が線路内に入り、それを追うように4人が三脚を持って侵入したのを目撃したという。

 ◆鉄道各社、対応に苦慮◆

 インターネットの普及などで情報が容易に入手できるようになり、鉄道ファンが手軽に撮影を楽しめるようになった。ただ、ルールやマナーを守らない一部ファンがいるため、鉄道各社は対応に苦慮している。

 新幹線500系の車両が「のぞみ」から引退して「こだま」専用となる28日、JR西日本は新大阪―博多間の主要駅で警備員を増員、ホームの巡回も増やす。多くの鉄道ファンが集まるとみて、各駅で「ホームから身を乗り出すなど危険なことは絶対にしないで」と呼びかける。

 同じ日、2人掛けの座席が横並びとなっている6300系が阪急京都線の特急から引退するのを受け、阪急電鉄はホームページで「走行中の列車にストロボをたかない」などマナーを守るよう呼びかけている。

 ◆マナー守るのは撮影の基本◆


 鉄道写真愛好家からは、マナーを守らない一部ファンへの怒りの声が上がる。

 新大阪駅で22日に500系を撮影していた「撮り鉄」歴40年という堺市東区の無職阪口潤一さん(58)は「デジタルカメラとネットの普及で敷居が低くなった分、最低限のルールを守れないファンが増えた。情けないの一言」と憤慨。鉄道写真家の諸河久さんは、「マナーを守るのは撮影の基本と言うことを知ってほしい」と訴える。

 月刊誌「鉄道ファン」の編集部は、今回の問題を受けて「社会の一員としての自覚と責任を持って鉄道趣味を愛して」との文書をホームページに掲載した。今後はマナーに関する記事を企画するという。

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