2015-02-08

企業生存率の都市伝説①

テーマ:企業再生

国税庁のデータとして、次のような企業生存率がいろいろなサイトで紹介されています。


日本の会社390万社のうち

・設立1年で60%が倒産・廃業 生存率40

・設立5年で85%が倒産・廃業  生存率15

10年以上存続する会社は6.

20年以上存続する会社は0.3

30年以上存続する会社は0.025

(「国税庁2005 調べ」・・・・???)


結論から言うと、これは都市伝説です。この「国税庁2005調べ」というデータがそもそも存在しません。もしかすると国税庁データではなく元データが別にあるのかもしれませんが、確認が取れません。


この企業生存率の都市伝説を元に

「このように企業が存続するのは大変」 → 起業するというのは、とてもリスキーなことです。

「このように企業が存続するのは大変」 → 5周年、10週年を迎えたウチはスゴイ!

「このように企業が存続するのは大変」 → ウチのコンサルティングを受けた方が良いですよ。

のような論理展開が続いていくようです。



では、本当の企業生存率はどんなモノでしょう?

「都市伝説の国税庁2005調べ」以外の企業生存率調査資料を探してみました。



帝国データバンクの調査資料

2011年版中小企業白書第3-1-11図には、19802009年に創設された企業の創設後経過年数ごとの生存率の平均値が紹介されています。この調査によると


1年経過後の生存率 97

5年経過後の生存率 82

10年経過後の生存率 70

20年経過後の生存率 52


となっています。10年経過後の企業生存率が70%で、都市伝説6%とは10倍以上も違います。思っていた以上に高い生存率です。10周年を迎える会社は7割で多数派なので、あまり自慢出来ないのでしょうか?


帝国データ



この①に反論する意見も散見されました。

・帝国データバンクのCOSMOS2には売上1億円未満のような規模の小企業が入っていない。

・これらの会社は売上・従業員規模も大きくシッカリリしているので、企業生存率がとても高い。

 ➡つまり、圧倒的多数を占める小企業の実態が反映されていないので、生存率が異常に高い!

なるほど、この資料では「調査母数」に問題があるという意見です。



2006年版中小企業白書

少し古くなるのですが、母数を拡大(製造業&従業員4人以上の事業所)した資料があります。開業後10年までの事業所について、それぞれ前年からの生存率を示した資料です。この事業所には会社と個人事業の両方が含まれています。


1年経過後の生存率  73

5年経過後の生存率  42%( 73%×84%×87%×88%)

10年経過後の生存率  26

20年経過後の生存率 - (資料なし)



10年生存率

出所:経済産業省HP http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/h18/H18_hakusyo/h18/html/i1220000.html


帝国データバンクの資料と比較すると生存率がかなり下がりました。5年後の生存率は半減、10年後の生存率は1/3程度になっています。それでも10年後の企業生存率26%は都市伝説6%とはかなり違います。


企業生存率の都市伝説② に続きます。



都市伝説1



都市伝説2


( 玉利さん、ありがとうございます。とても笑えます(笑)。)



【 イラストは玉利容子氏の作品です。無断転載は固くお断りします。玉利容子氏の作品は

Blogいつでも号外!テキサス新聞 http://ameblo.jp/bombedx/  をご覧下さい。 】


小澤 隆  http://www.second-opinion.co.jp/


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