当ブログへのご来訪ありがとうございます。 主に3つのテーマについて綴っています。

(1)企業再生
   セカンド・オピニオン社での「企業再生人」の日々を綴っています。
   (一定期間を過ぎた記事は削除することがあります。)
(2)アジアに学校を創ろう!
   アジア地域に学校建設・教育支援をしています。
     2015年 ラオス 出前幼稚園活動支援 開始しました。
     2014年 ラオス 教育養成短大への奨学金支援 開始しました。
     2013年 カンボジア Tra Pang Kranh小学校 開校しました。
     2012年 ラオス パチュドン幼稚園 開校しました。
(3)珈琲谷順太
   セカンド・オピニオン社スタッフの珈琲谷順太さんが、イラストや動画について綴っています。

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2016-06-27

2期連続の債務超過

テーマ:企業再生
英国のEU離脱の結果は「まさか本当に離脱になるとは」が素直な感想です。英国が離脱するのであれば、ギリシア危機の時に「ギリシアが破綻してEU離脱すると、離脱が連鎖するリスクが恐ろしい」という理由で、無理矢理に救済した過去が急にボヤけます。無理して救済する必要はどこまであったのだろう?と思います。


さて、イーター電機工業株式会社 (JASDAQ 6891)は6月24日付で「上場廃止のお知らせ」を公表しています。これは、2期連続の債務超過【有価証券上場規程施行規則第605条第1項第7号(有価証券上場規程第601条第1項第5号(同第604条の2第1項第 3号による場合)】に該当するため、上場廃止基準に抵触して上場廃止となるものです。


当社の業績は5期連続で最終損益が赤字、2期連続で債務超過状態と決して良くはありませんが、直近2期は営業黒字を確保していて、打つ手がない状態ではないように見えます。このような場合、無理矢理の資本調達で債務超過を回避して上場維持を図るケースが殆どなのですが、当社の場合は自然体で上場廃止を選択しています。


債務超過となっている時点で金融機関からの新たな資金調達は困難でしょうから、上場廃止により上場維持コストを削除して、再建を図る選択肢は充分に考えられます。むしろ上場維持に拘って怪しい資本(?)を招くよりは、よほど正しい選択なのかもしれません。これでADR以外の再建スキームも描きやすくなるのではないでしょうか?


なお、上記記述は公表資料に基づいた、あくまで個人の考え・感想であることを明記しておきます。




( T2氏のデジタル画『St.Peter's Church』。ラトビア・リガの聖ペトロ教会です。)


【 掲載作品は弊社購入イラストです。無断転載は固くお断りします。】
小澤 隆( セカンド・オピニオン株式会社  ) 

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2016-06-14

6月は株主総会のシーズン

テーマ:企業再生
6月は3月決算の会社の株主総会シーズンです。駅の改札を降りると、案内の方が案内版を持っている姿をよく見かけます。



株主総会5




以前は総会屋対策のために株主総会開催日を集中させる傾向がありましたが、現在は株主の総会参加の便益を考えて、開催日の分散化が見られます。そうは言っても、本の上場企業数約3,600社のうち65%の2,400社弱が3月決算であるように、やはり3月決算の会社が圧倒的なので、株主総会日は6月の特定の日に集中してしまいます。


株主総会3



会社側は、株主総会に合わせてリハーサルを含め、準備に余念がありません。株主総会は会社の最高意思決定機関です。社長といえど、この日は質問をする側ではなく、質問をされる側になります。不祥事等があった会社では、なおのこと、準備に力が入っていることでしょう。


株主総会1



株主総会の開催です。ただ、よーく見ると、株主席の前列は、会社側関係者で占められているケースが多いのです。会社提案の議決に対して、「意義ナーシ」と声を揃えて拍手するお役目があるのでしょうか(笑) これも日本風の「総会屋対策」の名残です。



株主総会2



株主数と株式数(決定権の大きさ)は別です。たった一人でも大株主として決定権の大きい方もいますし、一単位(最小株式数)しか保有していない個人株主の方もいます。まさに選挙の様な民主主義(一人一票)とは違い、資本主義による自治(株式数によって各人の票数が違う)の場です。


また、年に1回の、公式な質問出来る場所として、鋭い質問を放つ株主の方もいます。機関投資家の方だと株主総会などで質問せず、担当アナリストが別途戸別訪問しているので、恐らく個人投資家の方だと思いますが、質問内容が玄人です。ネコ社長もタジタジです(笑)。


株主総会4

株主総会に出席すると、株主優待として特別の商品が貰えたり、単純にお土産として粗品を貰えるケースもあります。これが楽しみで参加される個人株主の方も多いのではないでしょうか?


株主総会の関係者の皆様、お疲れ様でした!



【イラストはイラストレーター玉利容子氏の作品です。無断転載は固くお断りします。玉利容子氏の作品は、「いつでも号外!テキサス新聞」をご覧下さい。】

小澤 隆 (  セカンド・オピニオン株式会社 )

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2016-06-09

架空在庫の計上

テーマ:企業再生
業績の悪化から金融機関と再生に向けて協議していたものの、粉飾決算が発覚して自己再建が暗礁に乗り上げたケースです。民事再生法という法的スキームにはなりましたが、自己破産ではなく事業継続はされます。


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 (株)〇〇〇〇(資本金3660万円、大阪市 従業員320名)は、5月30日に大阪地裁へ民事再生法の適用を申請した。

当社は、1998年(平成10年)9月に設立された雑貨販売業者で、ルームウエアやバッグ、アクセサリー、キッチングッズ、インテリアなどの雑貨の小売を手掛け、一部FC店向けに卸業務も行っていた。20代前半から30代の女性をメインターゲットとして、北海道から九州まで全国に直営店舗93店舗、FC店28店舗(2016年4月時点)の店舗網を確立。オリジナルギフトも手掛けるなど自社企画商品が約10%を占め、取扱商品数は5000アイテムと多岐にわたっていた。大型商業施設内への店舗展開で事業を拡大すると、2011年8月期には年売上高約63億9100万円を計上していた。

その後も積極的に店舗の開設を行っていたものの、顧客の低価格志向からリーズナブルな商品展開を余儀なくされ客単価が伸び悩んだことから売り上げは漸減し、2015年8月期には年売上高約58億1100万円までダウン。さらに店舗設備に伴う金融債務の膨張や不採算店舗の増加から収益面は低調に推移し、在庫の固定化により財務面は悪化。この間、一部取引先に支払い条件変更要請を行うなど資金繰り改善に努めていたものの奏功せず、2016年に入って金融機関に対してリスケを要請していた。このリスケ要請に伴う資産査定において、架空在庫の計上など粉飾決算が発覚したことで再建が難航。ここに来て先行きの見通しが立たないことから民事再生法による再建を目指すこととなった。


(帝国データバンク「大型倒産情報」 2016.5.30 配信より抜粋 )

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架空在庫の計上(売上原価の圧縮)及び架空売上・売掛金の計上(売上・利益の水増し)は終章企業の粉飾決算では最も多い2大手法です。税務調査では粉飾決算(利益の水増し)は税額が増える行為なために殆ど問題になりません。このため、外部会計監査が求められていない中小企業では、これらの粉飾決算が発覚するのは、今回のケースのように何らかの形で外部調査が実施された時です。


逆に考えると、中小企業の決算書を見る際は、棚卸資産・売掛金・他の不良資産さえ注意深く見ていれば、殆どの粉飾決算行為を見つけられることになります。もう少し複雑な手法もありますが、単一事業でシンプルな事業体の中小企業の場合、今までの経験で考えると8割方は把握できると思います。


その際に重要なのは、各項目の金額に対する違和感です。単年度の数字ばかり見ていても隠された意図はわかりません。また、事業に対するある程度の理解がないと、売上・売上減価・売掛金の金額構成の違和感が得られません。変な話ですが、「自分が会社側担当者で、意図的に数字を歪めようとしたらどうするだろう?」と相手の立場に考えてみるのが、一番近道かもしれません。


民事再生法スキームにより再スタートするのは、架空在庫等の過去の膿・負債を一掃できるチャンスでもあります。300名を超える従業員のためにも、是非再建に進んで欲しいと思います。



起きないね


    ( Yuka氏のペン画『寝る時間です』。頭から湧き出る想像力がスゴイです。)

【 掲載作品は弊社購入イラストです。無断転載は固くお断りします。】
小澤 隆( セカンド・オピニオン株式会社  ) 

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2016-05-23

売上1億円の上場廃止基準

テーマ:企業再生
2016年3月期決算の会社の決算発表が先週でほぼ出揃い、これを眺めているだけで時間があっという間に過ぎていきます。有価証券報告書でなく決算短信資料でもそれなりの分量になりますし、また最近は企業不祥事にちなんだ『第三者委員会の調査報告書』(日本弁護士連合会「企業不 祥事における第三者委員会ガイドライン」(平成 22 年 7 月 15 日制定、同年 12 月 17 日最終 改訂)に準拠された調査報告書)もあるので、資料が増えることはあっても減ることはありません。


そのような中で、株式会社フード・プラネットの(東証2部 7853)のケースは、上場企業と何だろう?と思わずにはいられないケースです。当社は東証2部上場企業ですが、元々はフロッピーディスク複製装置やセキュリティソフトを扱っていたIT系企業でしたが、業績不振から事業参入撤退続け、現在はソフトクリーム店1店舗残るのみになってしまった、典型的なゾンビ・ハコ企業です。


2015年9月末時点では、本社(子会社管理)4名、ソフトクリーム店運営会社2名の従業員計6名の企業体にまで落ち込んでいて、経営陣の入れ替えも頻繁に発生しています。そして現株主&経営陣(レッド・プラネット・ジャパン 東証ジャスダック 3350)が当社の約30%強の議決権を有した際にも経営陣の入れ替えが起こりました。その後、旧経営陣による上場廃止基準の抵触回避を目的とした粉飾決算が露呈し、第三者委員会の設置→決算訂正→金融庁からの課徴金納付命令→旧経営陣への損害賠償請求と、泥沼の様相を呈しています。


今回焦点になったのは、年間売上1億円未満という上場廃止基準への抵触なのですが、そもそもこの廃止基準を考慮しなくてはいけない時点で上場企業の体をなしていません。現株主は自らの事業を上場企業を通して展開を図ることを意図していたと思います。ですが、決算訂正により過年度の年間売上が1億円を割り込んで既に上場廃止基準に抵触していたことが確定した時点で、当初の意図は果たせないでしょう。


現在の会社の事業が年間売上30百万円未満(昨年度実績)のソフトクリーム店1店舗の会社の株式30%強を買収するために約8億円余りを費やし、1年もたたないうちにほぼ全額を「持分法による投資損失」として損失処理することになりました。この粉飾決算は、法曹関係者の旧株主側と旧経営者による意図的行為と『第三者委員会の調査報告書』では指摘されていて、当初の意図の是非はともかく、あまりに無残な結果になっています。


『第三者委員会の調査報告書』では、組織体制の不備とコンプライアンス意識の欠如も指摘されていますが、従業員6名の企業体で、支配株主と経営者が意図的に粉飾決算を図れば、どんな内部牽制も働く訳がなく、机上の空論だなぁと呟いてしまいました。適正意見を出していた監査人の責任追及もあるでしょうが、このシンプルな企業体の増資実施前のデューデリは、何もされなかったのだろうか?と感じずにはいられません。


Venezia

( T2氏のデジタル画『 Venezia 』。ヴェネツィアの街並みの水の情景です。)



【 掲載作品は弊社購入イラストです。無断転載は固くお断りします。】
小澤 隆( セカンド・オピニオン株式会社  ) 

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2016-05-12

小説の現実化

テーマ:企業再生
三菱自動車が日産自動車によって救済されるスキームになりました。


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<三菱自>日産傘下に 3割出資受け入れ最終調整

燃費データ不正問題を起こした三菱自動車に対し、日産自動車が約3割出資する方向で調整に入ったことが11日明らかになった。三菱自動車は事実上、日産の傘下に入って、経営再建を目指すことになる。  三菱自動車の不祥事をきっかけに自動車業界の大型再編に発展する可能性が出てきた。  

三菱自は燃費不正問題で顧客へのガソリン代やエコカー減税などの補償が必要となっている。さらに、2000年以降のリコール(回収・無償修理)隠し問題など不祥事が重なって、企業イメージが悪化。販売が大幅に落ち込んでおり、経営への打撃が懸念されている。  三菱自と日産は11年、折半出資で軽自動車の共同企画会社を設立。三菱自が生産した軽自動車を日産に供給している。

(  毎日新聞 2016.5.12 配信より抜粋 )

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このストーリーは、「空飛ぶタイヤ (著:池井戸潤)」の小説の結末とソックリです。三菱自動車のリコール隠しを題材にした経済小説で、隠ぺいが発覚し信失墜した名門自動車会社は、名門財閥グループの重工・銀行・商社による金融支援だけでは再建は不可能と判断され、他の自動車会社に救済合併されます。


ストーリーを細かく書くとネタバレになってしまうので避けますが、名門財閥グループであることへの驕りと甘え、簡単には変わらない企業の隠ぺい体質等が描写されていて、まるで今回の事件と瓜二つです。


池井戸潤氏が描く経済小説には、企業の意図したデータ改ざんや隠ぺい発覚を題材にしたものも多いのですが、元銀行マン(旧三菱銀行)だけあって、とてもリアリティを感じる描写が多いと思います。


どんな大企業でも、名門企業でも、企業文化から目先の利益に追われて「誠実性」が失われると、あっという間に奈落の底へ転落してしまうという、企業モラル危機の象徴的な事件だと思います。



寝る時間です


( Yuka氏のペン画『 起きないね』。精緻な書き込みが見事です。)



【 掲載作品は弊社購入イラストです。無断転載は固くお断りします。】
小澤 隆( セカンド・オピニオン株式会社  ) 

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