当ブログへのご来訪ありがとうございます。 主に3つのテーマについて綴っています。

(1)企業再生
   セカンド・オピニオン社での「企業再生人」の日々を綴っています。
   (一定期間を過ぎた記事は削除することがあります。)
(2)アジアに学校を創ろう!
   アジア地域に学校建設・教育支援をしています。
     2015年 ラオス 出前幼稚園活動支援 開始しました。
     2014年 ラオス 教育養成短大への奨学金支援 開始しました。
     2013年 カンボジア Tra Pang Kranh小学校 開校しました。
     2012年 ラオス パチュドン幼稚園 開校しました。
(3)珈琲谷順太
   セカンド・オピニオン社スタッフの珈琲谷順太さんが、イラストや動画について綴っています。

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2016-05-23

売上1億円の上場廃止基準

テーマ:企業再生
2016年3月期決算の会社の決算発表が先週でほぼ出揃い、これを眺めているだけで時間があっという間に過ぎていきます。有価証券報告書でなく決算短信資料でもそれなりの分量になりますし、また最近は企業不祥事にちなんだ『第三者委員会の調査報告書』(日本弁護士連合会「企業不 祥事における第三者委員会ガイドライン」(平成 22 年 7 月 15 日制定、同年 12 月 17 日最終 改訂)に準拠された調査報告書)もあるので、資料が増えることはあっても減ることはありません。


そのような中で、株式会社フード・プラネットの(東証2部 7853)のケースは、上場企業と何だろう?と思わずにはいられないケースです。当社は東証2部上場企業ですが、元々はフロッピーディスク複製装置やセキュリティソフトを扱っていたIT系企業でしたが、業績不振から事業参入撤退続け、現在はソフトクリーム店1店舗残るのみになってしまった、典型的なゾンビ・ハコ企業です。


2015年9月末時点では、本社(子会社管理)4名、ソフトクリーム店運営会社2名の従業員計6名の企業体にまで落ち込んでいて、経営陣の入れ替えも頻繁に発生しています。そして現株主&経営陣(レッド・プラネット・ジャパン 東証ジャスダック 3350)が当社の約30%強の議決権を有した際にも経営陣の入れ替えが起こりました。その後、旧経営陣による上場廃止基準の抵触回避を目的とした粉飾決算が露呈し、第三者委員会の設置→決算訂正→金融庁からの課徴金納付命令→旧経営陣への損害賠償請求と、泥沼の様相を呈しています。


今回焦点になったのは、年間売上1億円未満という上場廃止基準への抵触なのですが、そもそもこの廃止基準を考慮しなくてはいけない時点で上場企業の体をなしていません。現株主は自らの事業を上場企業を通して展開を図ることを意図していたと思います。ですが、決算訂正により過年度の年間売上が1億円を割り込んで既に上場廃止基準に抵触していたことが確定した時点で、当初の意図は果たせないでしょう。


現在の会社の事業が年間売上30百万円未満(昨年度実績)のソフトクリーム店1店舗の会社の株式30%強を買収するために約8億円余りを費やし、1年もたたないうちにほぼ全額を「持分法による投資損失」として損失処理することになりました。この粉飾決算は、法曹関係者の旧株主側と旧経営者による意図的行為と『第三者委員会の調査報告書』では指摘されていて、当初の意図の是非はともかく、あまりに無残な結果になっています。


『第三者委員会の調査報告書』では、組織体制の不備とコンプライアンス意識の欠如も指摘されていますが、従業員6名の企業体で、支配株主と経営者が意図的に粉飾決算を図れば、どんな内部牽制も働く訳がなく、机上の空論だなぁと呟いてしまいました。適正意見を出していた監査人の責任追及もあるでしょうが、このシンプルな企業体の増資実施前のデューデリは、何もされなかったのだろうか?と感じずにはいられません。


Venezia

( T2氏のデジタル画『 Venezia 』。ヴェネツィアの街並みの水の情景です。)



【 掲載作品は弊社購入イラストです。無断転載は固くお断りします。】
小澤 隆( セカンド・オピニオン株式会社  ) 

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2016-05-12

小説の現実化

テーマ:企業再生
三菱自動車が日産自動車によって救済されるスキームになりました。


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<三菱自>日産傘下に 3割出資受け入れ最終調整

燃費データ不正問題を起こした三菱自動車に対し、日産自動車が約3割出資する方向で調整に入ったことが11日明らかになった。三菱自動車は事実上、日産の傘下に入って、経営再建を目指すことになる。  三菱自動車の不祥事をきっかけに自動車業界の大型再編に発展する可能性が出てきた。  

三菱自は燃費不正問題で顧客へのガソリン代やエコカー減税などの補償が必要となっている。さらに、2000年以降のリコール(回収・無償修理)隠し問題など不祥事が重なって、企業イメージが悪化。販売が大幅に落ち込んでおり、経営への打撃が懸念されている。  三菱自と日産は11年、折半出資で軽自動車の共同企画会社を設立。三菱自が生産した軽自動車を日産に供給している。

(  毎日新聞 2016.5.12 配信より抜粋 )

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このストーリーは、「空飛ぶタイヤ (著:池井戸潤)」の小説の結末とソックリです。三菱自動車のリコール隠しを題材にした経済小説で、隠ぺいが発覚し信失墜した名門自動車会社は、名門財閥グループの重工・銀行・商社による金融支援だけでは再建は不可能と判断され、他の自動車会社に救済合併されます。


ストーリーを細かく書くとネタバレになってしまうので避けますが、名門財閥グループであることへの驕りと甘え、簡単には変わらない企業の隠ぺい体質等が描写されていて、まるで今回の事件と瓜二つです。


池井戸潤氏が描く経済小説には、企業の意図したデータ改ざんや隠ぺい発覚を題材にしたものも多いのですが、元銀行マン(旧三菱銀行)だけあって、とてもリアリティを感じる描写が多いと思います。


どんな大企業でも、名門企業でも、企業文化から目先の利益に追われて「誠実性」が失われると、あっという間に奈落の底へ転落してしまうという、企業モラル危機の象徴的な事件だと思います。



寝る時間です


( Yuka氏のペン画『 起きないね』。精緻な書き込みが見事です。)



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小澤 隆( セカンド・オピニオン株式会社  ) 

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2016-05-03

粉飾決算の果てに

テーマ:企業再生

業績の悪化から金融機関と再生に向けて協議していたものの、粉飾決算が発覚して自己破産に至ったケースです。

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3月15日に大阪地裁へ自己破産を申請し、保全管理命令を受けていた(株)日食(資本金2億円、従業員215名)は4月15日に同地裁より破産手続き開始決定を受けた。  

当社は、1955年(昭和30年)2月に設立された輸入食品販売業者。海外ブランドを中心とした各種食料品の卸(60%)、小売(40%)を手がけ、ウエッジウッドやピーターラビット、ダマン・フレールなどの紅茶類、ペニンシュラ、ウォーカー、パイアールなど菓子類を中心にワインやチーズなど、多数の海外ブランド食材を取り扱っていた。全国の百貨店や雑貨店、スーパー、食品問屋などへ販路を拡大し、90年1月期には年売上高約151億8800万円を計上していた。  
 
しかし、安定した業績を確保する一方で、在庫負担は重く、開店資金などの設備資金や運転資金などにより金融債務は70億円以上に膨張し、取引金融機関は18行まで拡大していた。さらに近年の急激な円安に伴う収益悪化や固定費増加などにより資金繰りは余裕がない状態が続いていた。このため、小売店舗の拡大による収益改善や金融機関との関係強化などに努めていたものの、今年に入り一部で不明瞭な決算操作が発覚したことで信用低下を招き、急激に資金繰りが悪化、先行きの見通しが立たなくなっていた。

(帝国データバンク「大型倒産情報」 2016.4.15 配信より抜粋 )

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帝国データバンクの情報では婉曲的表現になっていますが、東京商工リサーチでは 「粉飾が発覚した輸入食品老舗」と明確に報じていて、さらに、主要取引先だった「そごうグループ」が民事再生法適用申請になった2000年7月の翌年頃から、粉飾決算による金融機関からの資金調達が始まった旨を指摘してます。


10年以上に渡り 各金融機関に虚偽報告を続け、破綻時には取引金融機関18行、金融債務70億以上にまで膨張とあるので、辻褄合わせも大変だったろうと思います。


粉飾決算は麻薬のようなものでです。一時の危機回避のために粉飾決算に手を付けるのですが、操作された利益相当額は雪だるま式に増加していきます。「将来、損益が好転したときに元に戻す」と誰もが考えるのですが、取り戻すのは容易ではありません。赤字を黒字に操作させると、その粉飾利益に対する税務支出が生じてしまい、その影響も大きすぎるのです。また容易に損益が好転できる目途があるなら粉飾決算に手を染める必要はありません。 つまり、破綻必死の泥沼への一歩なのです。


たとえ赤字でも、そして苦しい財務状況でも、その現実から目をそらさないで再生計画を考えるしかありません。虚偽報告をする会社に対しする金融機関の対応は極めて厳しいです。どんな再生計画を持ち込んでも、真摯には対応してもらえないでしょう。


私が企業再生の相談を受ける多くの中小企業のケース(半数以上)では、何らかの決算操作があるのも事実です。その金額の多寡・内容によっては、企業再生の相談を早めに打ち切ります。粉飾決算の内容次第では、とてもその経営者を信用出来ず、その後の計画遂行が困難と判断するからです。


会計士出身者としての性なのか、企業再生人としての経験値なのか、いずれにせよ粉飾決算行為には、厳しい反応をしてしまう自分がいます。



Chantilly

( T2氏のデジタル画『 Chantilly 』。フランス・シャンティイ城の優美な情景です。)



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小澤 隆( セカンド・オピニオン株式会社  ) 

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2016-04-28

第2会社方式の再生スキーム

テーマ:企業再生
第2会社方式(新会社には事業移管、旧会社に負債を残し清算)による再生スキームです。会社名も従来と同一の名称を使うので、取引先に対する会社(法人格)の変更による影響・混乱は最低限なもので済んだでしょう。


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B社(旧商号=A社)、資本金1600万円)は、4月12日に東京地裁より特別清算開始決定を受けた。

 当社は、1933年(昭和8年)創業、60年(昭和35年)6月に法人改組。トランスミッション部品やステアリング部品、足回り部品、エンジン回り部品などの自動車部品関係を中心に、アミューズメント機械部品、ガス器具部品、編み機部品などの製造を手がけていた。埼玉県内に深谷工場と寄居工場を有し、設計から金型製造、金属加工、部品組み立てまで一貫生産のラインを備え、自動車製造関連企業などを得意先として2008年5月期には年売上高約60億2400万円をあげていた。

しかし、リーマン・ショック以降は自動車関連の受注が大幅に減少し、2010年5月期の年売上高は約36億7500万円にダウン。その後も、東日本大震災や得意先の海外シフト、日中関係の悪化など自動車業界の動向が大きく変化するなかで業績は好転せず、設備投資や2013年11月から稼働したタイの関係会社設立に伴う金融債務などが重荷となっていた。

そうしたなか、中小企業再生支援協議会の支援下で再建を進めることとなり、スポンサー企業が決定したうえで、2015年6月に新A社を設立。同年10月に吸収分割により当社の事業を同社に移管するとともに新A社(株)はA社に、当社はB社にそれぞれ商号変更し、本店事務所を埼玉県大里郡寄居町から現所に移転。今年2月18日開催の株主総会の決議で解散していた。

なお、A社は通常通り営業を行っている

(帝国データバンク「大型倒産情報」 2016.4.22 配信より抜粋 )

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文章を読んだだけでは、A社、新A社、B社のそれぞれの関係が複雑で意味がわかりません(笑)。


今まで存在していたA社は、4月12日に特別清算手続きに入り消滅していきます。A社の今までの事業新A社に移管しているので、事業実体は新A社で継続しています。事業は昭和8年から80年以上続く歴史を持ちますが、会社(法人格)は出来たてホヤホヤのゼロ歳児です。


ですが、このままでは、長年A社の看板(名称)で事業していたのに、A社の看板(名称)も消滅してしまいます。そこで以下のような順序で、新A社の名称を従来のA社と同一の名称に変更させているのです。

  旧A社 ⇒ B社に名称変更 ⇒ 特別清算により消滅

  新A社 ⇒ A社(旧A社と同一)に名称変更 ⇒ 存続



第2会社方式スキームの成否は、債権者(特に金融機関)の合意が必須になりますが、中小企業支援協議会の支援下なので、これらも比較的スムースに進んだのではないかと推測します。


A社の事業環境は大変だと思いますが、是非、再生路線の軌道に上手く乗って欲しいと願います。


ヘルシンボリ

( T2氏のデジタル画『 Helsingborg 』。です。スウェーデン南部の街並みです。)



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小澤 隆( セカンド・オピニオン株式会社  )

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2016-04-16

九州での地震

テーマ:企業再生
このたびの九州での地震の被害の様子をテレビで見ていて、言葉がありません。


昨日からの度重なる余震と、明日以降に予想されている天候の悪化が、被害の増加にならないよう祈るばかりです。今後の災害対策と、各方面からの災害支援が上手くいくことを切に願っています。


被災された皆様には心よりお見舞いを申し上げますと共に、 皆様のご無事と、被害に遭われた地区の皆様の一日も早い復興をお祈りしています。



小澤 隆 & スタッフ一同 ( セカンド・オピニオン株式会社
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