第9228回「古典落語 その459、おしくら(三人旅) 立川談春 ストーリー、ネタバレ」 | 新稀少堂日記

第9228回「古典落語 その459、おしくら(三人旅) 立川談春 ストーリー、ネタバレ」

 第9228回は、「古典落語 その459、おしくら(三人旅) 立川談春 ストーリー、ネタバレ」です。「談志死して弟子を残す」、私の実感です。多数の談志門下が活躍しています。


 「三人旅」は連作噺でした、東海道五十三次の宿場ごとに一話ずつ成立していたそうでが、今では三話しか残っていません。創作落語をやるのなら、ライフワークとして新たに「完全版 三人旅」をやってみれば面白いと思うのですが・・・・。ところで、ここでいう「おしくら」とは枕芸者のことです。


「枕 むかしの旅は歩くだけ」

 「むかしの旅はただひたすら歩くだけでしたな、それだけに見るもの、聞くもの新鮮でございました」


「本編」

 いつもの三人組が馬にまたがり宿場町に着きます。どの宿に泊まっても同じだろうと、馬子が推薦した旅籠に泊まることにしました。最初に出て来たのがばあさんでしたな、次に出て来たのが肥った仲居さん、談春師匠は、おなご衆の声を使い分けます。


 「風呂、それとも飯にすべえ?」、仲居のなまりが強いもんでございますから、三人は聞き取れません。この仲居さんとのやりとりで、師匠は笑いを取ります。結局、三人は先に風呂に入ることにしました。そして、湯上りの上機嫌で飯を食い始めます。膳を担当する仲居も別人です。


 酒も進んだところで、「ねえさん、芸者を呼んでくれねえか」と声を掛けます。要するに枕芸者ですが、この地では「おしくら」と呼ばれています。なまりを翻訳してよく聴いてみると、「風呂へいるべえ」の仲居も、この仲居も、おしくらをやっているようです。


 ひとり足りないからってんで江戸から流れてきた芸者も呼ぶことにします。誰がその芸者と寝るかで騒動になりますが、セン公に決まります。そのセン公、一階の離れへ案内されますが、部屋は真っ暗、芸者の頭に触れば、ヤカン(はげ)・・・・。


 翌朝、楽しんだふたりは、旅立つに当たり、「帰りも寄らしてもらうぜ、こりゃ少ないが、女は髪が大事だ、髪油でも買ってくんな」と言って相方に祝儀を渡します。しかし、セン公ひとりがむくれていました。「相手は83だぜ、夜中に3度も厠(かわや、トイレ)へ連れて行ってやったのは俺の方だぜ」


 それでも、やりなよと仲間から責められます。


「落ち」

 「じゃあ少ねえが、灯明でも買ってくんな」


(追記) 随時、「古典落語」につきましては更新していくつもりです。過去に書いたブログに興味がありましたら、ブログテーマ「ねたばれ古典落語」か、下のURLをクリックしてください。

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