第7946回「古典落語 その284、狸の化け寺 桂ざこば ストーリー、ネタバレ」 | 新稀少堂日記

第7946回「古典落語 その284、狸の化け寺 桂ざこば ストーリー、ネタバレ」

 第7946回は、「古典落語 その284、狸の化け寺 桂ざこば ストーリー、ネタバレ」です。この噺では、黒鍬(くろくわ)が登場します。戦国期、江戸期を通じて土木工事に従事していた者たちです。


「枕 こわがり」

 夏(怪談)の季節が来ましたな、あたしはこわがりですが、これは仕方のないことでございます。


「本編」

 村を流れている"狐川"の堤防が出水のために壊れました。そこで庄屋が呼んだのが黒鍬衆でした。総勢23名と大勢ですので、一ヵ所に宿泊させることもできません。ですが、庄屋の家に挨拶に来た頭領の領五郎は、是が非でも一緒に宿泊したいと言い出します。


 「寺がおますが、お化けが出るというてな、今では荒れ寺になっています」と庄屋が説明しますと、「黒鍬がお化けが怖いと言ってりゃ、仕事になりまへん。その寺に泊めてもらいます」、23人がにぎやかに寺まで移動します(鳴り物が入っています)。


 「草刈りや、次は井戸の掃除や、本堂の床を磨け」、領五郎の命令で22人が見事に立ち働き、あっという間に片付きます。さすが黒鍬衆の規律です。「半分は風呂に入れ、後の半分は飯を作って食え」、風呂も食事も終え、全員寝ようとします。


 ですが、不寝番をしたのは領五郎でした。「親方、なんで寝ないんで」と聞きますので、庄屋の話を聞かせます。「わしに任しとき、何ぞあれば起こすさかいに」、そのまさかが起こったんですな。昼間は3体だった阿弥陀像が4つに増えています。


 「狐か、狸や。いぶせ」と領五郎は若い衆に命じます。1体の阿弥陀像が消え、天井に描かれた天女図に入りました。ですが、どの天女が狐狸か分かりません。「分かった、あの横目をむいてるやつや。どついたれ」、棒で突きますと、天女が逃げ出し空中を浮遊します。


 しかし、すべての天女が飛翔し始めたんですな。「また分からんようなった」と言いあっていますと、ひとりの天女だけがぶつぶつ言っております。「何を言うてんねん?」


「落ち」

 「金がすれる、金がすれる」、これがサゲでおます。


(追記) 随時、「古典落語」につきましては更新していくつもりです。過去に書いたブログに興味がありましたら、ブログテーマ「ねたばれ古典落語」か、下のURLをクリックしてください。

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