第1633回「シャーロック・ホームズの推理ミス その1、緋色の研究ほか」(推理・古典)
テーマ:ねたばれミステリー
第1633回は、「シャーロック・ホームズの推理ミス その1、緋色の研究ほか」(推理・古典)です。これまでに、長編4編と、第一短編集「シャローク・ホームズの冒険」12編について、ブログに書いています。
節目と考え、「金田一少年の推理ミス」(世田谷トリック研究会)にならって、「シャーロック・ホームズの推理ミス」についても書きたいと思います。小説のファンとしては、最大規模であるシャーロキアンなる人たちが存在します。シャーロック・ホームズ・シリーズを聖典として、文献的な解釈を試みてきました。当然、著者であるコナン・ドイルの勘違いなども数多く指摘していますし、推理小説としての矛盾も少なくありません。
夏目漱石が「猫」を殺したように、コナン・ドイルはシャーロック・ホームズを殺そうとしたり、引退させたりしています。しかし、シャーロキアンたちは、続編を期待し続けました。その一方で、矛盾を指摘する、面白い人種です。シャーロキアン以外では、ワグナーの熱狂的ファンであるワグネリアン程度でしょうか。あとは、「スター・トレック」の熱狂的なファンもいます。「ハリー・ポッター」については、いずれ熱が醒めるように思えるのは私だけでしょうか。
ホームズに対する指摘本は数多く出版されていますが、ウィキペディアは、多くのシャーロキアンが目を通していますので、ベースとして、ウィキから引用します(写真もウィキからの引用です)。
1.緋色の研究
『 ① 警察は、第1の殺人事件の現場であるBrixton houseの所有者から一度も事情を聞いていない。家の扉は施錠されていたのだから、第1の殺人事件の犯人は鍵を持っていたはずである。そうなると、前にジェファースン・ポープの馬車に乗ってブリクストン通りの空き家を見にきた客が鍵を持っていたということで、その客が第1の候補となるはずである。
② また、ジェファースン・ホープが、自分のキャブがベイカー街221B番地に呼び出されたとき、何の疑いも抱かなかったことも不自然である(彼は同じ住所に老女に扮した友人を送り込んでいる)。前日に金の指輪についての新聞記事を読んだ直後に、彼がその住所を忘れてしまうとは考えにくい。 』
②の指摘は、読んでいまして、特に違和感を感じる部分です。①の鍵の問題は、今回読み直しても、さほど違和感を感じていません。最近の鍵は合鍵が作りづらいものが増えていますが、当時は簡単な構造のものが多かったのではないでしょうか。
2.恐怖の谷
『・・・・ 正典中、この事件が起こった時代は1880年代の終わりであると記されている。ところが第1部の終わりで「20年ほど前の話」として語られるアメリカでの出来事は1875年に起こった事となっており、矛盾が生じている。
事件が起こった時期を本編に記されている通り、素直に1890年代終わりと考える研究者も多いが、この場合、既に1891年に死んでいるモリアーティ教授が黒幕であるという事実と矛盾してしまう。また、ワトスンはモリアーティについて、本作では聞いた事があるとしているが、1891年が舞台の「最後の事件」ではそれまで知らなかったとしている。この錯誤は、コナン・ドイルが1893年に「最後の事件」を書き、本作を1915年に書いたために起きたのだと考えられる。 』
ホームズ譚の年代特定では、数多くの矛盾をはらんでいます。あまり気にしないように考えています。






