こんな年齢になったんだ、私も。
約一年前に、舞台活動を休止した。
演劇科の高校を出て舞台活動を開始して、ちょうど20年。
区切りだと思った。
数年前、私の本番2週間前に、父が他界してからというもの、私は舞台活動を続ける意味を、自分の中で確認するようになった。
「これって、自己満足」
そう思うことが多いことが分かった。
元々私は役者志望だったし、私にとってダンスは目に見えて評価してもらえるツールでしかなかった。
ダンスの技術よりもハートで勝負してきたつもりだった。
しかし、悩みばかり。
「あの子のほうがダンスが上手い」
「もっと芝居がしたい」
「なんで私のせいにされるのか」
「私にはリーダーの資格なんてない」
残念ながら、悩みを打ち明けられる人なんて、そこにはいなかった。
周りにいる、小さいころからダンスを習っているダンサーが羨ましかった。
そして、貧乏な家に生まれたことを恨んだ。
父が亡くなって、仏教の教えを勉強するようになった。
今まで悩みを生んでいた舞台生活。
だったら、さっぱり辞めてしまえば。
苦しむくらいなら「私には舞台しかない」なんて無意味なこだわり、捨ててしまえ。
仏教の教えは私にそう教えてくれたような気がする。
そんな時、偶然、とある求人広告を見つけた。
放課後等デイサービス。
発達障害児を預かる施設。
今までの経験のおかげで、正社員として採用してもらうことができた。
障害者福祉はいつも私の軸にあった。
なんだ、私の軸はここだったんだ。
と、今までのモヤモヤがスッと消えていった。
今となっては、今が1番幸せだ。
舞台生活をやめた理由を、世界的ダンサー菅原小春さんの言葉から引用すると、まさに
「ダンスをゴールにしない」
だ。
私のゴールはダンスではない。
もっと広くて大きな、壮大なゴールなのだ。
そのゴールに向かって、今私は走っている。
とても幸せだ。
誰がなんと言おうと
幸せだ。
過去、現在、未来の
私の友人、知人に感謝。
ありがとうございます。