創薬メモ

創薬化学、有機化学、有機合成について書き進めていきます。


テーマ:

人工知能、機械学習、深層学習、データサイエンスに関する書籍。

 

※随時更新

 

人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの (角川EPUB選書) Excelでわかるディープラーニング超入門

 

ゼロから作るDeep Learning ―Pythonで学ぶディープラーニングの理論と実装 深層学習 (機械学習プロフェッショナルシリーズ)深層学習 Deep Learning (監修:人工知能学会) 

 

仕事ではじめる機械学習 はじめてのパターン認識  

 

最強のデータ分析組織 なぜ大阪ガスは成功したのか 本物のデータ分析力が身に付く本(日経BPムック) 改訂2版 データサイエンティスト養成読本 [プロになるためのデータ分析力が身につく! ] (Software Design plus)

 

・創薬における第四次産業革命の影響

 

AI創薬・ビッグデータ創薬

 

創薬における人工知能応用(奥野恭史)

 

ビッグデータ創薬・AI創薬(田中博)

 

■ その他の文献

 

AIと社会の未来 ―労働・グローバライゼーションの観点から― (林晋, 京都大学, 2017/11)

 

(以下、林先生の総説より)

 

米国のAI スタートアップの多くは、

AI を専門的労働者の能力を飛躍的に高めるパワードスーツ 

Augmented Intelligence として理解しており、

その理念に基づいてビジネスを展開している。

 

「AI が仕事を奪う」と言うが、本当は「AI を所有する者が仕事を奪う」のである。

複数のAI を「徒弟」として使い、同時に複数の仕事をこなす高度技術者が

低スキル労働者から「職を奪う」社会は目前に迫っている。

AI は格差問題をさらにエスカレートさせる可能性が高いのである。

 

従来の常識に囚われない、労働の独占禁止法、生産資本の再配分などの

「労働についての新社会システム」の構築が必要である。
 

また、AI は、現在の反グローバリズムの潮流に掉さす可能性がある。

たとえば、iPhoneを、 米国本土の少数の高度技術者と多数のAI が働く工場で生産し、

中国に輸出するというシナリオが考えられる。もちろん、工場は日本にも置ける。

近未来の日本の社会のために、AI により可能となる、

全く新しい世界経済システム像を考える必要がある。

 

-----

 

まず、最初に解きたい誤解は、最近の「AI が仕事を奪う」という論調は、

米国では、現在のAI ブーム以前から、

IT 全般に対して言われていたものであるという事実である。

 

-----

 

もう一つの誤解とは、AI が仕事を奪うのではないということである。

AI は人ではないので、所有権を持たない。法人でさえない。

それは飽くまで機械であり、ある人や法人などに所有されているモノなのである。

そして、「AIが仕事を奪う」という風に言われるときのAI は、

工作機械のような生産資本なのである。
 

つまり、「AI が仕事を奪う」の本当の意味は、

 

「AI を生産資本(生産手段)として所有する法人、あるいは、

 人が、それ(ら)が所有するAI 生産資本により、

 AI 生産資本を十分持たない人々の仕事を奪う」

 

なのである。

 

-----

 

パワードスーツ型 AI を購入する費用を支払える人と支払えない人で、

拡張能力が大きく違うことになる。

経済力の差により、下線部分に非常に大きな差がつくのである。


拡張能力=個人が持つ AI を使いこなす能力+個人が所有する AI の能力


より多くの資本を持つものが、より良い能力の強化の機会に恵まれることになる。

この様に考えれば、AI は、個人の能力格差の増幅装置となる可能性が高いのである。

 

※経済格差⇒拡張能力格差⇒経済格差⇒…

 

-----

 

(以下は、ドラッカーの指摘と警告)

 

知識が単なるいくつかの資源のうちの一つではなく、

資源の中核になったという事実によって、

我々の社会はポスト資本主義社会となる。

この事実は社会の構造を根本から変える。

新しい社会の力学を生み出し、新しい経済の力学を生む。

そして新しい政治を生む。

 

-----

 

我々が強い衝撃を持って最初に学んだことは、

知識労働においては、資本は労働(人間)の代わりにはならないということである。

 

-----

 

知識は人の中にある。

 

-----

 

ディープラーニング(Deep Learning)とは?【入門編】

 

人工知能のやさしい説明「What's AI」 - 人工知能学会

 

■ 用語

 

□ 人工知能 / Artificial intelligence (AI)

 

コンピューターで、記憶・推論・判断・学習など、

人間の知的機能を代行できるようにモデル化されたソフトウェア・システムのこと。

 

※人工知能研究における二つの立場

1. 人間の知能をもつ機械を作ろうとする立場

2. 人間が知能を使ってすることを機械にさせようとする立場

 

※産業革命の流れ

 

第一次産業革命: 18世紀末以降の水力や蒸気機関による工場の機械化

第二次産業革命: 20世紀初頭の分業に基づく電力を用いた大量生産化

第三次産業革命: 1970年代初頭からの電子工学や情報技術を用いたオートメーション化

 

第四次産業革命: IoT & ビッグデータ & AI ← now

 

・大量生産・画一的サービス提供から個々にカスタマイズされた生産・サービスの提供

・既に存在している資源・資産の効率的な活用

・AIやロボットにより、人間が行う労働の補助や代替を行う

 

第二次産業革命以降 → 肉体労働に関する部分的な代替手段の提供

第四次産業革命以降 → 知識労働に関する部分的な代替手段の提供が拡大?

 

□ 機械学習 / Machine learning (ML)

 

コンピューターによる学習。人工知能の一分野。

人間がもつ学習能力と同じく、コンピューターも経験から学習し、

将来予測や意思決定を実現できるようにする技術や手法のこと。

 

□ 深層学習 / Deep learning (DL)

 

コンピューターによる機械学習の一つ。

人間の脳神経回路を模したニューラルネットワークを多層的にすることで、

コンピューター自らが、データに含まれる潜在的な特徴をとらえ、

より正確で効率的な判断を実現させる技術や手法のこと。

 

□ ニューラル‐ネットワーク / Neural network

 

人間の脳神経系を抽象化し、情報の分散処理システムとしてとらえた数学モデルのこと。


Deep learning ⊂ Machine learning ⊂ Artificial intelligence

 

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■ 一般名

アセタゾラミド / acetazolamide


■ 先発品
ダイアモックス


■ 構造式

 

 

■分子量
222.25

 

■分配係数 (計算値)
logP = 1.04 (MarvinSketch / Consensus)

 

■ CAS

59-66-5

 

■ 効能・効果

緑内障、てんかん(他の抗てんかん薬で効果不十分な場合に付加)、

肺気腫における呼吸性アシドーシスの改善、

心性浮腫、肝性浮腫、月経前緊張症、メニエル病及びメニエル症候群、
睡眠時無呼吸症候群

 

■ 作用機序

炭酸脱水酵素を特異的に阻害。

 

炭酸脱水酵素は腎上皮、赤血球、脳、毛様体上皮等に存在する。

生体内で、炭酸ガスと水から、炭酸を生成する反応に関与する酵素である。

 

1. 眼圧低下
毛様体上皮中に存在する炭酸脱水酵素の作用を抑制。

房水の産生を減じ、眼圧を低下させる。


2. てんかん発作の抑制
中枢神経組織内に存在する炭酸脱水酵素を抑制。

脳のCO2濃度を局所的に増大させることにより、

脳の異常な興奮を抑制、精神神経系の諸症状を緩解する。


3. 呼吸性アシドーシス・睡眠時無呼吸の改善
炭酸脱水酵素抑制作用により肺胞中のHCO3-の尿中排泄を増加させる。

さらに、他方代謝性アシドーシスを起こし、H+を増加させる。
増加したH+により呼吸中枢が刺激され、換気量が増大、

併せて、低酸素・炭酸ガス換気応答が改善される。
この換気量の増大により血中O2が増加し、CO2は減少、

呼吸性アシドーシス・無呼吸による睡眠中の低酸素血症が改善。
また、換気応答の改善により睡眠中の呼吸感受性が維持され、

無呼吸の回数が減少する。


4. 利尿効果
腎上皮において炭酸脱水酵素の働きを抑制。

Na+並びにHCO3-の尿細管からの再吸収を抑制、利尿効果を示す。


5. 月経前緊張症の緩解

体内貯留水分の排泄、神経系に対する抑制作用が本症の症状を緩解。

 

6. メニエル症候群の改善

内耳の局所的リンパ分泌抑制作用、利尿による内耳水腫の除去、

中枢神経系に対する抑制作用等によるといわれている。

 

■ PK

健康成人, 5 mg/kg

 

Cmax: 20000 ~ 30000 ng/ml

Tmax: 2 ~ 4 h

T1/2: 10 ~ 12 h

 

■ 製造販売

三和化学研究所

 

■ 医療用医薬品添付文書情報 / iyakusearch

ダイアモックス末, ダイアモックス錠250mg

 

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■ 一般名

パルボシクリブ / Palbociclib


■ 先発品
イブランス


■ 構造式

 

 

■分子量
447.53

 

■分配係数 (計算値)
logP = 2.77 (MarvinSketch / Consensus)

 

■ CAS

571190-30-2

 

■ 効能・効果

乳がん治療

 

■ 作用機序

CDK選択的なキナーゼ阻害剤。

CDK4/6とサイクリンDの複合体の活性を阻害し、

網膜芽細胞腫(Rb)タンパクのリン酸化を阻害。

細胞周期の進行を停止し、腫瘍の増殖を抑制すると考えられる。

 

※CDK: サイクリン依存性キナーゼ

 

■ PK

健康な成人男子, 125 mg

 

Cmax: 86.64(26)ng/ml

Tmax: 6.05(6.00-12.0)h

AUCinf: 2497(22)ng・h/ml

T1/2: 23.4(14.2)h

 

■ 製造販売

ファイザー

 

■ 医療用医薬品添付文書情報 / iyakusearch

イブランスカプセル25mg, イブランスカプセル125mg

 

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Organocalcium-mediated nucleophilic alkylation of benzene

Science, 2017, 358, 1168.

 

 

有機カルシウム求核剤によるベンゼン環の直接アルキル化反応。

基礎的な観点でも興味深い内容。示唆に富む重要論文だと思う。

 

カルシウムヒドリド二量体は、カルシウムアミドとフェニルシランの反応により、

70% 以上の収率で容易に合成することができる。

 

 

著者らは、カルシウムヒドリド二量体と末端アルケンを重ベンゼン中で反応させることにより、

アルキルカルシウム二量体が生成することを、X線結晶構造解析により明らかにした。

 

Science, 2017, 358, 1168, Figure. 3, 著者らの論文より引用)

 

ところで、アルキルカルシウム二量体の反応条件を検討中、

この二量体が溶媒の重ベンゼンと反応していることが分かった。

すなわち、ベンゼン環に対する直接アルキル化反応が進行したということである。

 

 

ベンゼン環のアルキル化が進行した後、

カルシウムヒドリド二量体が生成することも明らかになった。

実験担当者の注意深い観察によって得られた、セレンディピティの一例であると言える。

 

「凄い反応だな・・・」 というのが、論文を読んだ時の率直な印象でした。

 

以下は、著者らの実施したDFT計算の結果。

個人的には、これを見てさらに驚きました。

 

Science, 2017, 358, 1168, Figure. 5, 著者らの論文より引用)

 

まず、この反応の律速段階は、アルキルカルシウム単量体の生成段階であることが分かる。(G)

このアルキルカルシウム単量体が非常に高活性であり、

そのあとの素反応は "滝から水が落ちるように" 進行している。

 

極めて興味深いのが、H → I に進行するところで、

遷移状態 HI の活性化障壁がほとんどないことが分かる。

つまり、ベンゼンのアルキル化反応そのものは、

極めて円滑に進行するという話。

個人的にはここが、かなり驚いたポイントになります。

 

有機カルシウム求核剤を用いた反応の特異性は、

σ錯体生成時の活性化障壁が問題にならないという点だと思う。

それくらいカルシウム単量体の反応性が高いということである。

 

カルシウムアルキル単量体とベンゼンの反応は、古典的なσ結合メタセシスではなく、

従来の反応形式に分類すると「SN2 反応の形式に最も近い」と、著者らは主張している。


分子軌道的な洞察を必要とする類の反応だとは言え、

ベンゼン環上でSN2反応みたいなことが起こるというのは、

非常に興味深い知見だとは言えないだろうか。

 

ベンゼン環の修飾は、古来より多くの研究者が検討を続けてきた。

 

代表例の一つは、ルイス酸によって活性化された求電子剤による求電子置換反応である。

(ベンゼン環のアルキル化と言えば、すぐに思いつくのは、フリーデル・クラフツ反応)

もう一つは、芳香族求核置換反応であり、活性基を持つ芳香環と求核剤の置換反応である。

上記の反応の共通点は、σ錯体の生成が律速段階だという点である。

 

有機カルシウム求核剤による求核置換反応は、

こういった古典的な反応とは異なる特異性を持つと言える。

 

本論文は示唆に富む内容である。

けっこう楽しく読ませて頂いて、

素人ながら個人的にも、よく知りたい点が出てきた。

 

1. 反応の最後にカルシウムヒドリド二量体が生成しているので、

  反応プロセスの触媒化が可能なのではないか?

  (カルシウムヒドリド二量体は触媒量で良い?)

 

  → 著者らも言及しており、今後検討されると思われる

 

2. 置換ベンゼン、ヘテロ芳香環、

  多環芳香族炭化水素に対する反応性、選択性はどんな感じなのか?

 

3. アルキル基の先に官能基は許容できるのか?

 

  → 可能ならば、2Cを介した官能基導入が可能になるということで、

   創薬における構造活性相関研究なんかでも使えそう

 

4. アルキルカルシウム二量体の分子軌道情報、Ca - C に関する結合論の詳細

 

5. Ligand の最適化による収率向上、溶媒検討、反応温度の低下など

 

つい先日、創薬化学における元素化学の潮流について簡単に言及した。(Link)

これは、構造有機化学における元素化学的な発展の例である。

そして、同様の傾向は、反応有機化学の分野でも見られている。

 

クロスカップリング反応を見れば分かる通り、

カップリングパートナーの研究は、元素化学の発展そのものである。

それぞれの元素の持つ特異性が研究され、実用性の高いものは人名反応として定着する。

 

現代の有機化学者は、周期表にある元素を、片っ端から使い倒す勢いを持つ。

そして、元素に関する研究の中で、基礎化学的に重要な知見が多数報告される。

基礎化学的な知見が固まれば、次第に応用研究にも活用されるようになる。

医薬品の構造に、ホウ素やケイ素が組み込まれるのも、必然的な流れだと言える。

 

周期表の元素は、有機合成化学者にとって、絵具のようなものだと思う。

その絵具を使って、どういう絵を目指すか。

これは、有機合成化学者のパラダイムに依存する。

 

絵具の新しい使い道、特異性については、

元素化学における基礎研究の役割が大きい。

周期表にある元素の新しい使い道については、

積極的にインプットを行い、知識を刷新していく必要があると思う。

 

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Quest for Novel Chemical Entities through Incorporation of Silicon in Drug Scaffolds

J. Med. Chem. Article ASAP

 

 

ケイ素原子のドラッグデザインへの応用。

 

有機元素化学は、反応有機化学、構造有機化学のいずれに対しても、

アクティブな貢献を続ける研究分野である。

元素に固有の電子的性質、その結合論に関する洞察は、

有機化学の本質に対して、いつも多大なインパクトを与えている。

 

最近、有機元素化学の波が、ドラッグデザインにも波及している気がする。

重要なリード化合物の骨格に、ケイ素原子が導入されていたり、

医薬品の最終形に、ホウ素原子が組み込まれていたりする。

 

このような研究例は、タンパク質とリガンドの分子間相互作用の観点だけでなく、

生体内における代謝安定性、ドラッグライクネス、

特許における新規性・進歩性の点でも興味深い。

 

Erlenmeyerの等価性の概念は、

ドラッグデザインにおける基礎中の基礎である。

しかし、その教科書的な知識も、決して硬直的なものではない。

日に日に進化しているわけである。

 

有機元素化学の発展は、ドラッグデザインに対して、

少なくないインパクトを今後も与え続けると思う。

実際に自分の研究で積極的に使うかは別にして、

選択肢としては準備しておくべきである。

 

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