2012-01-26 20:07:14

TFCC損傷:治療

テーマ:TFCC損傷

あしかけ3年にもおよんでしまったTFCC損傷・・・なかなか重い腰をあげずすいません・・・


で、治療。


まず保存的治療します。身体所見や、画像所見で疑わしければ、サポーター固定して原則3カ月待つ。これで70%ぐらいは良くなりますが・・・残念ながら30%の患者さんは良くなりません。




TFCCに対する治療は主に2つ。


切れたTFCCを

①縫合する


整形外科医の独り言  

こんな感じに縫う。縫えるところは縫うけど、血行のないところは縫ってもくっつかないので、②をします。

②部分切除する
整形外科医の独り言

わかりづらいと思うんですが・・・すいません。

黄色のところがTFC。真ん中は血行がないので、こんなかんじにくりぬいてしまう。



・・・・あらこれで終わり?

ではない。

みなさん覚えているだろうか?

去年の画像所見の部分。



整形外科医の独り言


太い方が橈骨、細い方が尺骨、んでTFCCは尺骨の上にのっかっているようなかんじ。

で、TFCCは尺骨が橈骨よりも相対的に長いと、指側の骨にぶつかって痛みやすい。

ということで尺骨が長すぎる人には、尺骨短縮術、というのをやることもあります。

文字通り尺骨を一部削って、短くして、プレートで固定してしまう・・・

ただしもともと尺骨は骨癒合しづらいところなので、どーしても偽関節(骨がつかないこと)が起こることがあります・・・手術はなんでも合併症がある程度つきものなんですが・・・



患者さんの年齢、TFCC損傷の場所、程度、尺骨が長すぎるかどうか、罹病期間、患者さんの希望、既往歴・・・なんかをいろいろ加味して考えるのです。

といっても僕は手の外科専門というわけでもなく、手術もほとんどやったことないので偉そうな口は聞けませんが・・・苦しんでいる患者さんの参考にでもなれば幸いです。


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2011-09-15 19:25:42

画像所見。

テーマ:TFCC損傷

昔の記事を読み返していて、そーいやこのシリーズを完結させなきゃ・・・と思いつつもう2年(笑)

誰も需要はないかもしれませんが、最後まで書こう。


身体所見をとって、TFCC損傷が疑わしい場合、さらに検査にすすむ。
とりあえず安価で情報がたくさん得られるX線写真をたぶんどこの整形外科でも行う…と思う。



整形外科医の独り言

↑X線写真。

この時のTFCC損傷のポイントは…軟骨なのでX線ではみえない、ということ。
なんじゃそりゃポイントじゃないじゃん、見えなきゃX線撮らなくてもいいじゃんかーと思うかも。だが、実はTFCC損傷になりやすい骨の形、っていうのがあるんです。だからX線は撮るんですよー。
もしくは他の病気、という可能性もありますから。


親指側の太い骨を橈骨(とうこつ)という。
小指側が尺骨(しゃっこつ)という。

この写真でいえば右側の細い骨が尺骨、左側の太い骨が橈骨。


ふたつとも手首の土台となる骨なんですな。

TFCは尺骨の上にある。
もともと尺骨が橈骨に比べ長い人もいるんです。
眉毛がながかったり顎が出てたり、鼻が低かったりするように。


もし尺骨が橈骨より長いと…手首に負担がかかると、尺骨の上にあるTFCが壊れやすい。

とかいろいろ考えるのです。




で、TFCC損傷が疑わしければ、お値段が高い検査にうつります。

次の検査はMRI。
MRIの機械も新しいのから古いのまでいろいろあるので、一概にはいえませんがTFCC損傷の時にはこんな具合に写ります。↓



整形外科医の独り言

うーんわかりづらいですねー微妙ですねー
いちおうTFCは軟骨なので黒く写るもんですが、切れたりとかしていると白く写るんです。
だけどスライスの向きや厚さや、それこそ機種なんかが違うとよくわからない…なんてことになるんだが、医者の読影力も問われるんですな。


あとは造影検査、というのもやりますが、これは手首にX線に写る液(造影剤といいます)を注射してどんなふうにうつるか?という検査。↓


整形外科医の独り言


これは注射してイターイので、いきなりはしません。

やっぱりTFCC損傷が疑わしい人のみに行う、上級の検査です。

えーと一応尺骨と橈骨の間(DRUJといいます)に液がもれると、TFCC損傷と診断するんです。

ちなみにこの写真ではだだもれです。なのでTFCC損傷ですねーと考えるのです。


まああくまでも画像所見は画像所見。身体所見とあわせて総合的に僕ら整形外科医は評価するのです。



次回は治療。いつになることやら・・・



2009-08-11 17:59:01

TFCC損傷 第2回:診断

テーマ:TFCC損傷

えーと。


忘れている人は第1回(もう一年以上前)を見てください。


思い出しました?


ぬぬ?誰だよくわからないなんていう人は???

ありゃー確かに写真がいまいちだあ・・・

すいません。

そして放置しててすいません。




えーと。注意ですが。

TFCC損傷なんて興味なーいという人は、読むとつかれます。

だから読まない方がいいんじゃないかなと思います。


それと。

僕は手の外科専門ではないので(整形外科にもいろいろあるんですよう)、教科書をもとにつくっています。

だけど教科書になるころには新しい知見があるという・・・

つまり最先端とはいえないかもしれない、ということです。ご了承ください。



本編です。



で、だ。

TFCC損傷はどのようにして診断するのか。

これ読んでいる人は、あんまり興味ないかもしんないけど。

お医者さんがなんで痛いところこねくり回して、わけわかんないことやっている・・・と思われないために書きます。


一応痛いところをいろいろ探しているわけですよ。実際に触り、熱感や圧痛がないかどうか。

痛いところはどこなのか。それを探しているわけです。


で、だ。

TFCC損傷になるとでる症状。

それは、TFCCがあるところが痛くなる。(手首の小指側)

それと手首を回すと痛い。(回内外と言います)

もしくは握力が落ちちゃう。


なぜそういった症状がでるのか。

これはTFCCが損傷しているだけでは説明がつかないそうな。

損傷部がどこかに引っ張られたり、関節の間にはさまったりして痛みがでているのではないか・・・

つまりよくわかってません。

いやこれはぼくのせいじゃなくて、教科書にそう書いているのよ・・・




症状からも診断可能だけど、より鮮明にするために、

TFCCストレステスト(TFCCのあたりをぐりぐりしちゃうテスト)

piano key sign

とかいろいろあるけど、要はTFCCや周辺組織の痛み具合をみているとおもっていただいたらいいのではないのかなあと思います。


以上書いてきたものを身体所見と言います。

これでだいたいの「あたり」を僕ら整形外科医は考えるわけです。



で、だ。

あい。次が画像所見です。


だけどおなかへってきたので、次回(あるのかなあ)に・・・



2008-05-19 19:30:39

TFCC損傷

テーマ:TFCC損傷

ずいぶん前からブログでできるだけわかりやすく説明しようと思っていたTFCC・・・

ようやく説明できます。すみません。






TFCCとはTriangular FibroCartilage Complexのことである。


なんのこっちゃと、いきなりめげないでください。


手首の痛みで、このTFCC君が悪いぞというのがこの20年ぐらい?でわかってきた。


このTFCC君、日本語では三角線維軟骨複合体といいます。


Triangular=三角

Fibro=線維

Cartilage=軟骨

Complex=複合体


ということです。




・・・まだめげないでください。



いちいち三角線維軟骨複合体とか書いていたら腱鞘炎にもなるしめんどくさいので、TFCCと呼ぶのです。


で、TFCCは手首のどこにあるのか???



もさもさした手だな・・・僕の左手ですが。

手首の小指側のところ・・・ちょっとみにくいですが、ボールペンで印つけています。

手首の小指側は、なんかぽこっと出っ張ってますよね?

そこからちょっと指側にいったところらへんにTFCCがあります。




わかりにくい?すみません・・・

じゃこの画像で。
Image0025.jpg


わ・・・わかりづらっ・・・

下の少し黒いところが出っ張っている骨です。尺骨といいます。

その上にある少し青っぽいのがTFCCです。

まあ、とにかくこんな形をしているのです、TFCC。


で、TFCCは何をしているのか?

手元の教科書には

「尺骨手根骨の支持性、遠位橈尺関節間の支持性、尺骨と尺側手根骨の荷重伝達・分散・吸収および手関節の複雑な運動性の達成があげられる」



ZZZ・・・

寝ちゃダメドキドキ



えーと噛み砕くと、

TFCCは手首の小指側の周囲を支えていて、かつクッションの役割もしている

ということで良いのではないでしょうか。



逆にいえば、

TFCCが壊れると、手首が支えられない(手首の動きが悪くなる)し、クッションの役割もできない(圧が上昇して痛い)。

ということです。



病態は理解できました?

なんかわからないことがあったらコメントに書いてください。

ささいなことでもかまいません。




えーと、続きは明日暇なら明日アップします。

次は診断。







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