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2015-01-10 09:33:17

小指が、ない!

テーマ:医療系エッセイ

あれは10年以上前…僕がまだ研修医だったころ、当直医に呼び出された。
当直の耳鼻科の先生「せんせ、ちょっとけが人が何人か…ごめんけどすぐきてくれる?」
僕「りょーかいでーす」


住んでる官舎から歩いて3分。だいたい下っ端は病院の近くに住むことを強制されます♪
救急外来の前には明らかにその筋の方々が。

あーなんか抗争?なになにいったい?

と思いながら外来のドアを開けると、3人くらい手にタオルを巻いている。

みなさんドアで小指をはさんでなくしたらしい。うんうん。小指なくなっちゃうよね。(なくならんわい)
そのあと僕では処理しきれないので、上司を呼んでもくもくと指を丸めました。



その筋の方々が小指をつめちゃう理由として堅気にはもどれるけど肉体労働できないように、とか、刀を持てないように、とかいう嘘か本当かよくわからない説を聞いたことがある。
小指がないだけで肉体労働できないほど握力が落ちてしまうのだろうか?
小指がないことと握力低下の間に関係はあるのか?


暇に任せてそんなことが書いてある論文を探してみた。

で、けっこうあるんだなーそういう論文。

Can J Plast Surg. 2010 Spring;18(1):e10-4.
Contribution of the ulnar digits to grip strength.
Methot J1, Chinchalkar SJ, Richards RS.

全文はこちらhttp://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2851460/

100手の握力を調べていて、薬指+小指がないと平均55%減、小指がないと33%減、薬指がないと21%減になるという。


ほかには

J Hand Ther. 2004 Jul-Sep;17(3):364-7.

Individual finger strength: are the ulnar digits "powerful"?

MacDermid JC1, Lee A, Richards RS, Roth JH.

こちらは小指がないと14%減らしい

などなどいろいろ論文がヒットした。


なんにしろいらない指なんてないわけで。指を大事に。(なんのこっちゃ)

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同じテーマ 「医療系エッセイ」 の記事
2014-12-02 19:08:42

切断

テーマ:医療系エッセイ

誰もがハッピーにならない手術というのもある。

切断がもっとも整形外科医にとってハッピーじゃない手術だろう。

患者さんにとっても患者さんの家族にとっても。


ほとんどが糖尿病だったり閉塞性動脈硬化症だったり腎不全だったり、はたまたそれが全部合わさっていたりと、なんらかの基礎疾患があって動脈に血が通えなくなり、足の先が腐っていってしまう。


そのまま放置していると最悪敗血症という状態になって死んでしまうことだってある。


なんてことを言ってしぶる患者さんを説得し、ひざ下とか膝上とか足の指だけとかで切断するのだけど、さっき言ったように基礎疾患が治っているわけではないから、切断したところからまた腐っていくことだってある。。。


Aさんもそんな切断した人だった。結局彼は両方の足を大腿部で切断したのだった。

もともと糖尿病があり、本当に足の先の一部が壊死しただけだったのに。あれよあれよというまに足が壊死していき、ひざ下で切断しても菌(MRSAという性格の悪い菌だった)が治らず、結局大腿部で切断した。


僕の見込みがあまかったのか。

それとも手技が悪かったのか。

抗生剤の選択がダメだったのか。


ただ単に菌の種類が悪かったのか。

ただ単に運が悪かったのか。

ただ単にAさんの血行が悪かったのか。


僕の出来る範囲で100%やろうと毎日思ってはいるけれど、何か甘えがでたり投げやりになったり、どうせこんな手術だからと思ってないかな。経験を積んできたきたからこそ考えること。


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2013-09-29 14:46:29

PRP療法(Platelet-rich plasma therapy)

テーマ:医療系エッセイ

自転車の話題ばかりなので(笑)

ちょっと整形外科医っぽい話題も。



PRP療法というのを聞いたことがある人がいるかもしれない。


Platelet(血小板)

Rich(たくさんの)

Plasma(血漿)


という意味だけど、知らない人にはなんのこっちゃ??という感じだろう。



PRP療法は自分の血液を利用した比較的新しい治療法で、骨折とか腱板損傷だとか肉離れとか靭帯損傷とかいわゆる外傷に効果があるよ、と論文がでている。今ちょこっと調べてみると2000以上はあるみたいだ。


自分の血液を少しとって、それを遠心分離器にかける。そして血小板を集める。

血小板の中には色々外傷を治すものがつまっているので、それを外傷部位に注射すると効果的に治るよ。


という仕組みらしい。すいません、受け売りで。いやほとんど医学の知識なんてなかなか確かめられない受け売りなんだけど。実際に見えているわけじゃないし。





Int J Immunopathol Pharmacol. 2013 Jan-Mar;26(1 Suppl):61-8.

Allogeneic adipose tissue-derived mesenchymal stem cells in combination with platelet rich plasma are safe and effective in the therapy of superficial digital flexor tendonitis in the horse.

Ricco S, Renzi S, Del Bue M, Conti V, Merli E, Ramoni R, Lucarelli E, Gnudi G, Ferrari M, Grolli S.


お馬さんの腱鞘炎(というのか?)も治っちゃうらしい。




Knee Surg Sports Traumatol Arthrosc. 2013 Sep;21(9):2035-9. doi: 10.1007/s00167-013-2549-1. Epub 2013 Jun 1.

Progression of patellar tendinitis following treatment with platelet-rich plasma: case reports.

Bowman KF Jr


人間にも効くみたいという論文。



もちろん大金が動くスポーツの世界ではすでに受け入れられているようで、MLBやNBA、NFLなんかの選手も受けているらしい。ドーピングではない、という判断のようだ。今後どうなるかはわからないけど…


でも、これって、もともと人間の体がやっていることじゃないの?と僕は思う。

骨折や、捻挫なんかしたら人間の体は反応して内出血する。腫れる、という状態だ。そして血小板がその内出血した中につまっている。


そういうのを効果的に人為的に行って、回復を早めようというのがPRP療法なんだろうな。アレルギーもないし。でもだからって万人にやっていいという治療法ではないと思う。ふつうの傷ならふつうに治療しても時間はかかるけど治るんだけど…プロスポーツ選手は一日でも早く治らないとお金が稼げないからやっているだけであって。うーん、個人の見解なのであしからず。



問題は、保険がきかないということ。自由診療になる。だから普通の病院じゃやってない。(こそっとやっているかもしれない)だもんで、興味がある方は調べてから行かれた方がいいかな、できれば良心的な価格で良心的な医者のもとで、と思う。


あ、ちなみに皮膚のたるみやシワなんかにもPRP療法が使われるようです。ですがこの辺は専門外なんでわかりません。

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2013-04-17 17:57:41

ジャックナイフ・ストレッチ

テーマ:医療系エッセイ

腰痛と「体の硬さ」には切っても切れない関係がある。
大腿の前側の筋肉を大腿4頭筋
大腿の後ろ側の筋肉を大腿2頭筋
というけど、この筋肉が硬いと



前屈する→2頭筋硬いので骨盤が前に倒れない→脊骨で曲げないと曲がらない→背骨に負担かかりやすい→腰痛


整形外科医の独り言



後屈する→4頭筋硬いので骨盤が後ろに倒れない→背骨で曲げないと曲がらない→背骨に負担かかりやすい→腰痛


整形外科医の独り言

という理屈。

つまり大腿2頭筋&4頭筋をやわらかくすると、腰に負担がかかりにくくなって、腰痛も少なくなる、ということ。

ジャックナイフ・ストレッチとは大腿2頭筋のストレッチで、効果的らしい。



写真のようにしゃがんだ状態で足首を握る。
整形外科医の独り言

徐々に膝を伸展させる。
整形外科医の独り言

できるだけ伸展させて10秒ストップ。頑張れ。
整形外科医の独り言

で、これを5回。そして朝晩二回セット。つまり一日10回やる。

4週間でかなり大腿2頭筋がやわらかくなる…はずだけど、年齢や筋肉量にもよります。あしからず。

写真のモデルは気にしないでくださいw

どこらへんがジャックナイフかは、わかるでしょ。

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2013-04-16 20:06:04

アキレス腱障害

テーマ:医療系エッセイ




アキレス腱は下腿三頭筋(ふくらはぎの筋肉)の集合した腱であり踵の骨に付着する。アキレス腱は人体最大の腱で約1トンの牽引力にも耐えるような強固な構造をしている。逆に言えば、それだけ負荷のかかる部分だということ。


http://www.achilles-nabi.com/ にかなり写真とか使ってわかりやすく書かれているけど、メインは「アキレス腱断裂」のようだ。


アキレス腱障害は以下のように分類される。
①アキレス腱付着部障害
    1 アキレス腱付着部症
    2 アキレス腱滑液包炎
②付着部以外
    1 アキレス腱周囲炎
    2 アキレス腱症



まず、アキレス腱付着部障害について。


アキレス腱付着部症
アキレス腱は踵の骨に付着しているが、付着部の血行は乏しく、いったん損傷が起きると修復には時間がかかり、かつ完全な修復は困難で、さらに修復不良の状態で牽引ストレスがかかると変性がさらに強まる。
圧痛を付着部やや遠位内側に認める。付着部全体が広くなっていることが多く、アキレス腱の拘縮による背屈制限、背屈時痛、運動後の踵全体の痛みなどがでる。


アキレス腱滑液包炎
アキレス腱付着部周囲にはいくつか滑液包(すべりをよくする袋みたいなもの)があり、これが炎症を起こすことがある。靴を新調したのを契機に発症することもある。(皮下に滑液包が存在するため)アキレス腱付着部内側のやや近位に圧痛がある。



治療
局所の安静
消炎鎮痛剤&外用剤
滑液包炎の場合:靴の修正
付着部症の場合:ストレッチ、heel-upする装具

どれだけストレッチするかはあまり詳しくのっていない。膝を完全に伸ばしてアキレス腱を伸ばすストレッチが良い…みたいだ。


6か月以上保存的治療に抵抗性の場合→手術療法
踵骨後上隆起&滑液包切除術(骨の一部を削って&滑液包を除去する)
最近は内視鏡下に行うこともある。


どちらにしても保存的治療がメインで、安静&ストレッチが大切かなーという印象です。手術までする人はあんまりいないような。





次に付着部以外のアキレス腱障害について。


アキレス腱症
付着部から近位2-6cmにおける変性が原因
この部分は腓骨動脈によって血液が供給されているが血行が乏しい。


病因
使いすぎ
誤ったトレーニング
腱の血流不全
下肢アライメントの不良
遺伝的素因


症状
疼痛(特に動き始めの痛みstarting pain)
活動制限
局所の腫脹


所見
アキレス腱周囲炎では足関節を底背屈しても圧痛部位は同じ
アキレス腱症では圧痛部位は変化する。しかも若干の背屈制限がある。
靴のチェックを行い、サイズの適合性・ソールの減り具合を見る。


治療
アキレス腱のストレッチ(膝を伸ばして、1回20秒1日10回)
Eccentric exercise

整形外科医の独り言

背伸びしますw


整形外科医の独り言

できれば踵を前足部より低くします。モデルの僕は足首が硬いのでできませんw


などを1~3か月行う。圧痛の消失がスポーツ復帰の時期。
運動療法の具体的な方法論ははっきりしない。
ステロイドの局所注射は腱断裂する危険性があるので禁忌。


アキレス腱症は「変性」がポイントだと思う。アキレス腱は巨大な負荷がかかるわけで、小さな傷が毎日ついてしまう。それは仕事であったり、スポーツであったり、原因はさまざまだろう。小さな傷を治そうとして人間の体は頑張るのだけど、血行が少ない部位には傷が治りにくい。よって徐々に腱ではない組織が少しずつ多くなってしまう。ストレッチをすることで腱の血行を良くし修復過程を正常に戻すことで症状がとれる…のかなあと思っている。

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