税務調査の種類
テレビや映画では、抜き打ちで現れた査察官が会社の資料を隅々まで調べ上げ、脱税の証拠を押さえる、というシーンがよく取り上げられます。これは、「強制調査」と呼ばれるも
ので、悪質な脱税を行っている可能性が高い場合に実施されます。調査対象を脱税の容疑で告発することを目的をしているので、一般的な税務調査である「任意調査」とは性格が異なります。
任意調査には、「準備調査」と「実地調査」とがあります。
準備調査とは、実地調査の対象を選別し、実地調査が行われる前段階において、調査対象の税務上の問題点を把握するために行われる調査で、①机上調査と②外観調査とに分かれます。
実地調査では、調査官が実際に調査対象を訪問して、帳簿書類をはじめ、各種書類などの検査および質問を行います。実地調査には、③一般調査、④現況調査、⑤反面調査、⑥特別調査、⑦特殊調査に区分されます。実際にどの方法で行われるかは、課税当局が調査対象をどのように捉えているかで異なります。したがって、実地調査の事前に行われた準備
調査などの結果次第で決定されることになります。
①机上調査
税務署内で行われる調査。調査対象から直接提出された資料(確定申告書や決算書、事業概況説明書など)と、調査対象の 関与先などから間接的に収集した資料(取引先から提出された法定調書や取引のある銀行への反面調査によって得た資料など)を基にした調査が進められます。
②外観調査
対象となる会社の営業活動の状況や日々の業務の流れをチェックし、調査対象の概況を事前に把握することで、実地調査をより効果的に進めることを目的としています。飲食店などの、現金商売が対象の場合は、調査官が客として店を訪れ、来客数や座席数、販売単価、実際に伝票が切られているか、などの確認を行います。
③一般調査
調査対象の申告内容を税法に照らし合わせることで、その申告内容が正しかったかどうかを確定するための調査。準備調査の結果、調査対象者に特別な問題が認められない場合には、通常、この調査が行われます。
④現況調査
事前の通知無しに抜き打ちで行われる調査で、不正が予想される場合や現金商売などを対象とします。強制調査とは違い、調査の着手にあたっては、調査対象の同意が必要となります。調査時点における調査対象の状況の把握を目的をしています。時には、現金管理の状況や会社で利用している預金口座を把握するために、金庫の中身まで調べられる場合があります。
⑤反面調査
調査の過程で疑わしい取引が出てきたり、調査官が納税者の説明で納得できなかったりした時は、調査対象を直接調べるのではなく、その取引先や銀行などに対して調査が行
われることとなります。
⑥特別調査
準備調査の結果、悪質で多額の不正を行っていると見込まれるものや、申告の内容に不審な点が多いものを調査対象とし、一般調査では十分な調査ができないと判断された場合に実施される調査です。税務署の特別調査班が調査を担当することになります。
⑦特殊調査
単独での調査では、有効な調査結果を得られないと見込まれた場合に実施される調査。一社のみならず、グループ系列の会社や同業種まで調査の範囲を広げることによって、調査対象の実体の把握を目的としています。
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