コクーン歌舞伎 東海道四谷怪談「北番」
テーマ:演劇の目平成6年(1994年)5月。東京渋谷にあるBunkamuraシアターコクーン
という現代劇場で、
歌舞伎の公演が行われるという快挙がありました。
その快挙の理由。。。
歌舞伎といえば歌舞伎座
の場合、昼の部が11時開演、夜の部が16時半開演という、
じつに社会人には観劇の難しいもので、会社帰りに観られるような気軽さは消え、
わざわざ、お休みの日に足を運ぶような縁遠いものへとなっているのです。
ところがコクーン歌舞伎は、開演時間を退社してからでも間に合う時間に設定、
お洒落な街の渋谷で歌舞伎公演という、歌舞伎の側が抱える問題を、
自らクリアして公演するという英断に踏み切ったのです。
もちろん公演は大成功。学生だった僕も何度も足を運び、いつもの歌舞伎座とは違って、
お着物姿のご婦人だらけではなく、背広姿の勤め人が多く見られたのも不思議な感覚でした。
ロビーにはグラスワインを傾ける人々。とてもモダンな歌舞伎の観劇のように思えたものです。
それから10数年。コクーン歌舞伎は渋谷の風物詩のひとつとして定着しました。
そして今年の3月18日から4月24日。
そのコクーン歌舞伎の第7回として、第1回に上演された「東海道四谷怪談
」が再演されるのです。
数回目のコクーン歌舞伎から始まったとおり、
今回のコクーン歌舞伎も「南番」と「北番」の2パターンが上演されます。
その中でも拙筆がオススメしたいのが「北番」。
もう手にされている方もいらっしゃると思うのですが、チラシなどにもあるとおり、
「南番」が平成6年の「東海道四谷怪談」の再演であるのに対して、、、
「北番」では「南番」に加えて、
「三角屋敷(さんかく・やしき)」と「小仏小平内(こぼとけ・こへい・うち)」という、
通常の歌舞伎公演における「東海道四谷怪談」でも上演される機会の少ない、
だけども非常に面白い物語が上演されるのです。
ご参考までに通常の「東海道四谷怪談」は、、、
浅草額堂(あさくさ・がくどう)・宅悦内(たくえつ・うち)・地蔵前(じぞうまえ)
裏田圃(うらたんぼ)・浪宅(ろうたく)・伊藤邸(いとうてい)・元の浪宅
隠亡堀(おんぼうぼり)・蛇山(へびやま)・仇討(かたきうち)
という、順番で上演されるのですが、
今回の場面が加わると、隠亡堀(おんぼうぼり)と蛇山(へびやま)の間に、、、
三角屋敷(さんかく・やしき)・小仏小平内(こぼとけ・こへい・うち)・元の三角屋敷
が入ることになります。
では、どれほど「三角屋敷」と「小仏小平内」が珍しいのかといえば、、、
僕の手持ちの資料に拠れば、「三角屋敷」は昭和54年(1979年)9月の歌舞伎座、
「小仏小平内」は昭和43年(1968年)7月の歌舞伎座まで遡らねばなりませんでした。
だけどね、僕も観たことはないんですけど、
岩波文庫の「東海道四谷怪談」
を読む限り、非常に面白いんですよぉ。
多分、時間の関係でお岩様を中心にした編成になってしまうから、
お岩様が主役ではない、上記の物語はカットされているだけだと思うのですが、
「三角屋敷」なんて、一般的に想像するような歌舞伎の世界の女性ではない、
とても現代的といいましょうか、面白い女性像を描いているのです。
今日はその「三角屋敷」についてご紹介させて頂きます。
それでは専門知識なんてクソくらえっ!
な解説をば。。。

塩冶判官(えんや・はんがん=浅野内匠頭)が切腹したのち、
その家中の四谷左門(よつや・さもん)は浪人となっていた。
左門にはお岩とお袖という2人の娘がいて、
お岩は同家中の民谷伊右衛門(たみや・いえもん)の妻となったが離縁、
妹のお袖は同家中の佐藤与茂七(さとう・よもしち)という許婚がおりました。
ところが左門は伊右衛門に殺害され、
与茂七は同家中・奥田将監(おくだしょうげん)の僕(しもべ)であった、
直助権兵衛(なおすけ・ごんべい)に殺害されてしまうのです。
しかも自らが殺害しておきながら、仇を探し出して討つからと説き伏せて、
お岩は伊右衛門と、お袖は直助と夫婦になったのでした。
このあとお岩様にいろいろありまして、三角屋敷の幕が開きます。
あれからお袖は深川にある三角屋敷で直助と暮らしておりましたが、
姉お岩の死を知って、武家の娘と武家の僕では身分が違うと、
形だけの夫婦になっていたはずの直助に身を許してしまいます。
するとそこへ現れたのは、死んだはずの許婚の与茂七。
どうしようもなくなってしまったお袖は、与茂七には直助を殺させる、
直助には与茂七を殺させると偽って、2人の刃にかかるのです。
そこでお袖と直助、与茂七と間違われて殺害された男と直助の2組の関係が明らかになり、
直助は今までの自らのことを悔いて自害します。
その明らかになる事実は・・・ここでは内緒にしておきますね。
歌舞伎に登場する女性は貞女の誉れ高い者ばかりで、
浮気をしたと疑われただけで果てるような者ばかり。
そんな歌舞伎の世界で、女性を真ん中に両脇に男性が寝て、
それぞれに都合の好いことを囁いて行動する女性は面白いものです。
この春に上演されるコクーン歌舞伎の「東海道四谷怪談」、
拙筆は「北番」をご覧になることをオススメします。
ちなみにチケット発売は、1月29日(日)午前10時から、
チケットWeb松竹
、チケットホン松竹
、Bunkamuraチケットセンター
などで販売開始です。
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1 ■課題
そういえば、上演時間の課題は宝塚も同じようで、
以前の夜の部は5時か5時30分だったのが
6時30分に変わりましたからね。(東京の場合)
帝劇も観やすい時間になっているんですが
一昨年上演した「ミスサイゴン」は小さい子役が
必要な演目だったので、労働条件とぎりぎりのところだったので
いつもより早めの上演で働いている方泣かせでしたね。
東海道四谷怪談と番町皿屋敷がごっちゃになっていて
頭にあるので本を読んで整理したいですね。