最近よく寄せられるご住職方の相談として財布の紐を総代に握られており,自由にお金を出すことができない。

 お布施の金額を勝手に決められている。通帳の内容も分らない。どうしたらいいのかというような内容です。

 

 もちろん正解があるわけではありませんが,一般的に住職は寺院の代表役員です。代表役員は宗教法人法上寺院を代表します。代表する以上,通帳も管理できますし,代表役員として様々な収支の検討をすることができるのです。

 他方,総代(総代会)は宗教法人法上任意の機関でありたとえ規則に書いていたとしても諮問機関の域を出ません。

 したがって,悩ましい問題もあろうかとは思いますが,法律的な立場に照らせば住職は総代に対し通帳を渡すよう要求ができますし,また,様々な事項も決定を責任役員会にも図りつつ決めて下さい。そして総代には法律の説明をし,不満であれば辞めてもうらべきなのです。毅然とした対応をし,寺院を取り戻して下さい。

 私たち専門家はそのようなお手伝いもしますので気軽にお声がけして下さい。

 

                    弁護士 西口 竜司