民法改正8〔詐害行為取消権〕

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 タイトルを聞くだけで難しそうという印象を受けられるかもしれません。確かに,難しいお話しになってきます。

 

 詐害行為取消権とは,債務者がみるべき財産もないのに最後の砦となって財産を第三者にあげてしまったような場合に債権者があげる行為を取り消すというものです。この制度についても様々な論点があり,判例法という形で事件処理が行われています。

 今回の改正法では,判例法理を明文化するところに中心が置かれました。


 具体的には,受益者に対する詐害行為取消権の要件を明確化したり,論点になっていた各種類型の処理方法を明文化したりしました。


 一番重要な点は,転得者に対する詐害行為取消権の問題になってきます。

 判例に従えば,受益者が善意の場合であっても,転得者が悪意であれば,詐害行為取消権の行使が可能とされていました。しかしながら,同判例の考え方は破産法170条1項1号と整合しないものになっています。そこで,改正法で受益者が善意であれば,転得者に対する詐害行為取消権の行使を認めないことにしました。


 その他,要件・効果に関わる改正が行われています。


 金融関係者の皆様方にとって重大な影響がありそうです。


                弁護士 西口竜司



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