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     もっちの銀恋∴銀魂夢小説 もっちの銀恋∴銀魂夢小説  (ギン、ヅラ猫:ぁぃさん作)

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お休み中は受付も停止させてもらいます。(二週間申請に気がつかないと、消えちゃうので(´Д`)ゴメンなさいね)


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こんな私へ声をかけていただき、ありがとうございます~!

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2012-01-01 20:23:44

銀魂二次 幸運のアイテム

テーマ:夢小説 沖田

※沖×神
※3Z
※シモ☆ネタ

natsuちゃんはじめ、受験生の皆さまに贈ります。



「がははははっ、総悟どうした?」

教室中に近藤さんの笑い声が響く。
この人に悪気なんて存在しない。
そんなことはわかってる。
だけど――

「暗い顔しやがって。受験くらいで、らしくないぞ?」

ゴリラに近い顔を寄せてくる近藤さんを、電子辞書のキーを押しながら見上げた。

「そんなこと言われやしても、俺は打たれ弱いガラスのハートなんで。体どころか心臓にまで毛が生えてるゴリ……近藤さんがうらやましーや」
「あれ、なにか総悟の言葉が心に刺さって泣けてくるんだけど、どうしてかな」

近藤さんは一筋の涙を頬に伝わせている。

「総悟、てめーな……自分ばかりが受験で大変だなんて思ってんじゃねーぞ」

マヨネーズ愛好家が、近藤さんの背後から目を吊り上げて覗き込んできた。

「へーへー、そいつはすいやせんでした。俺が目障りなら、お望みどおり消えやすぜぃ」
「おい総悟、お前どこ行くんだ。今から銀八の授業だろうが」

席を立つと、おせっかいなマヨ愛好家に肩をつかまれる。
その手をすぐさま振り払った。

「精神修行にでも行ってきまさぁ」
「んな訳あるか! てめーのはただサボリだろーが!」
「土方さん、俺に怒鳴ることでストレス発散するのは、やめてくだせぇ」

切れ込んだ目を更に吊り上げる土方は、何か言いかけた言葉を飲み込んでいた。

「おいおい総悟、いくらなんでもそれは言い過ぎ……」
「近藤さん、俺の口の悪さは今さらですぜぃ?」
「そ、それは、まぁ……」
「じゃあ、そういうことで銀八には適当に言っておいてくだせぇ」

電子辞書を片手に教室を後にした。


***


屋上の片隅、粉雪が舞う風を避けるように、貯水タンクにもたれかかった。

「なにやってんでぃ、俺は」

青臭い自分の行動にため息を吐いた。
土方への毒舌はいつものこと。
だけど近藤さんに心配させて、しかもそれでストレスを発散させている自分の行動に、情けなさが募る。

「――はぁ……」

上着から取り出した電子辞書を手にしても、まるでやる気が出てこない。

「CTまであと2週間……か」

つぶやきは、肌を刺すような冷たい風にかき消されていった。

キィ……。

さび付いた鉄の扉がこすれる音が微かに聞こえて、電子辞書から顔を上げる。

「よお」

そこにはビン底眼鏡をかけ、時代の遺物のようなジャージをまとう留学生が立っていた。

「よお……って、声をかけてくるってことは俺になにか用ですかぃ」

犬猿の仲と周囲とから言われ、本人達も自覚している。
だからチャイナに声をかけられるなんて意外すぎて、虚勢を張るように低い声で返すのが精一杯だった。

「用があるから声をかけたネ。それくらいわかんねのーか。そんな煮えた脳みそじゃCTもあぶねーな」
「てめぇ、ケンカ売ってんのか」
「売ってもいいアルけど、今日はそうじゃないネ」

歩み寄ってきたチャイナは、大きな瞳をわずかに伏せた。

「はぁ? じゃあ、いったいなんの用でぃ」
「……」

怒ったように赤い頬を膨らませているチャイナを、首をかしげながら眺めた。

卒業したら……コイツともお別れだな。

ふと、思い浮かんだ考えに、胸がきゅっと痛くなる。

「……っ」

何を感傷的になっているんだと、立ち上がってチャイナを見下ろした。

「用があるならさっさと言いやがれ、俺はおまえほど暇じゃねーんだよ」
「この寒空の下、ボケーと座り込んでいるおまえはどう見てもただの暇人ネ」
「あーそうかい。用がねぇなら、もう行きやすぜぃ」
「……待つヨロシ」

チャイナの横をすり抜けようとしたとき、ガクンと体に衝撃を受けた。

「ぐっ……ゲホ!」

制服の裾を怪力につかまれ、首が絞まって思い切りむせこんでしまう。

「なにしやがんでぃ」
「これ、おまえにやるヨ」

ずいっと目の前に差し出されたのは、フェルトで作られたお守り袋だった。
しかもお約束のごとく、チャイナの指にはバンソウコウが何枚も巻かれている。

「なんでい。呪いの呪文でも埋め込みやがったのか?」
「違うネ!」

ムキになるチャイナの頬が、ますます赤くなった。

「銀ちゃんがこういうのを作れば、おまえが喜ぶって……」
「……」

また銀八か……と、僅かに唇を噛んで、フェルトのお守り袋を見つめた。

「……まぁ、もらっておいてやりまさぁ」
「欲しくないなら、別に構わな……」

お守り袋を下ろそうとしたチャイナの手首をつかむ。

「な、なに……放すヨロシ!」
「もらってやるって言ってんだよ」

チャイナの手から、お守り袋をかすめとった。

「ついでに礼だ。もらっておきやがれ」
「……っ?」

チュ!

チャイナの柔らかな唇に、一瞬だけ自分の唇を重ねた。

「な、な、な……っ!」

口をパクパクしているチャイナを、口端を上げて見下ろす。

「別にこれくらい……おまえなら、逃げようと思えば逃げれたはずだろぃ?」

悪役真っ青な顔で微笑んでやると、チャイナはジャージの袖で自分の唇をごしごしと拭った。

「ふざけるなヨ! こんな不意打ちじゃ納得できないアル!」
「っ?!」

胸倉をつかまれたかと思うと、怪力に引き寄せられる。
そしてバランスを崩し、チャイナに倒れこんだ。

チュー!

今度はチャイナから唇を重ねられる。
さっきより濃厚なキスに、頭の中が真っ白になった。
そしてキュポンと音が聞こえそうなキスが終わると、めまいで真っ直ぐ立っていられなくなる。

「てめー、なにしやが……」
「は。これくらいで赤くなるなんて、おまえもまだまだお子ちゃまアルな」
「どっちがお子ちゃまか、はっきりさせるか」
「望むどころネ!」

チャイナの肩に手を置いて抱き寄せた。
反抗しないチャイナから眼鏡をはずしとり、体をかがめてゆっくり口付けを落とした。
冷たい風が全く気にならない、体の熱に浮かされる。
まるで時間が止まったよう。
ありえないとわかっていても、世界に二人だけしか存在しない感覚。
このままいっそ二人でとけてしまえたら。
それが受験からの完全な現実逃避とわかっていても、あれほど苦しかった気持ちが、いつのまにか薄まっていることに気がついた。

チャイナのおかげだとは、口が裂けても言えそうにないけれど……。


  ***


教室に向かいながらチャイナと階段を下りる。
ペタンペタンと上靴の底をわざと大きく響かせるのは、そうでもしないと胸の鼓動がチャイナに聞こえてしまいそうだったから。

「……」
「……」

お互い無言のまま、それでもこの距離感は心地よかった。

「よぅ、人の授業さぼってなにやってたんだ?」

声をかけられて、我に返る。
階段の先を見ると白髪の教師が、廊下の壁にもたれ立ってタバコをふかしていた。

「いいかげんにしとかねーと、肺の中が真っ黒になりやすぜぃ?」
「いーんだよ。それでなくても俺真っ白だから」

厚ぼったい瞼の教師が、ニシシと笑った。
いつもならかなり腹が立つ態度も、今なら余裕でスルーできる。
無言のまま銀八の前を通り過ぎようとした、そのとき――。

「神楽、お守り袋に、例のもの入れたか?」
「なっ……、い、いれ、入れてないネ」

チャイナがめずらしくというより、見たことがないほど動揺している。

「あーそりゃ、総一郎君も残念だな」
「総悟でさぁ。それでチャイナに、なにを入れさせようとしたんでぃ」

ポケットにしまっていたお守り袋を取り出した。

「ふっ」

銀八が目を細めて、なれなれしく肩を組んできた。

「ぎ、銀ちゃん! 言ったら半殺しにするアルヨ!」
「神楽、この時期に問題行動起こすと、命取りだぜ?」

教師の権限を最大限に使う銀八のすねを、神楽はそれでも蹴り続けている。

「なんでぃ、はっきり言いやがれ」
「おまえは聞かなくてヨロシ!」

チャイナが半泣きで怒鳴る。
赤い瞳を細める銀八が、ニタリとほくそ笑んだ。

「やだな、総一郎く~ん。幸運のアイテムといえば、下の毛に決まってるだろ? マージャンをやる人間の常識」
「……」

囁く白い悪魔を、チャイナと一緒に回し蹴りで倒したことは、学校側にはもちろん内緒でよろしくお願いいたします。


おわり


*******


皆様、あけましておめでとういございます。
新年最初の夢がこんなんですみません。
本当にすみません。


受験生の皆様は最後の追い込みをされているところでしょうか。
あとは体調管理に気をつけて、ラストスパートに励んでくださいませ~~~!


そして前回の鴨にもコメ、ありがとうございます!

まじでコメ返す時間がなくて……15名の方、本当にごめんなさい!

ご新規さんも、お久しぶりの方も、毎回コメを下さる方も、ほんまありがとうございます!

うう、元気の源です~~~~~!!!


それではアホなうえにめったに顔を出せないもち子ですが、本年もよろしくお願いいたします~!




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2011-12-13 00:00:54

鴨誕1213 愛してる

テーマ:夢小説 伊東

*真選組の女中さん設定です。





うとうとと、まどろんでいた。

背後に誰かの体温が感じる。

抱きしめられてる……。

そう感じながらも、疲れきった体では重い瞼を持ち上げられない。

「ん……っ」

少し身じろぎしたのは、寒さのせい。

冬の気配を強めた空気に、体を震わせた。

あれ……。

とたん、暖かな何かに包まれた。

毛布……誰かがかけてくれたんだ……。

体を丸めて、毛布を体に巻きつける。

スンと鼻をならすと、よく知った香りに包まれた。

「あれ……」

目をこすって、よくやく体を起こした。

「誰か……居たと思ったんだけど……」

無人の女中部屋を見回した。

「寝ちゃってたんだ」

ここのところ無理をしすぎていた体が悲鳴をあげて、部屋に帰るなり倒れてしまっていた。

「今何時だろ……寝てる場合じゃないのに」

ぼんやりする頭をふって、大きくアクビをこぼしながら立ち上がった。

ふわり……と、体から何かが畳に落ちる。

「あ、誰かが毛布を……」

そう思って、毛布を拾い上げた。

だけどそれは毛布ではなかった。

「え? あ……これ」

何度か目を瞬かせたあと、ニンマリと笑顔が浮かんだ。


 ***


「先生……入っても、いいですか?」

月明かりを受ける障子越しに声をかけた。

「寝ていなくて、いいのかい?」

障子越しの柔らかな声に、鼓動が早まっていく。

そっと障子を開けて、膝で中に入った。

「失礼します」

「おはよう……と言ったほうがいいかな?」

小さな明かりをつけた文机の前に座っていた先生が、肩越しに振り返ってくる。

眼鏡越しの吊りあがった目が、やんわりと細まった。

「先生、あの、これ……ありがとうございました」

畳んだ漆黒の隊服を置いて頭を下げた。

「あんなところで寝ていては、風邪を引いてしまうよ?」

「ここのところ忙しくて、ついうとうとと……」

肩をすくめると、苦笑された。

「まったく……」

ツイと眼鏡を押し上げる先生の指は、相変わらず長くて形が良くて見ほれてしまう。

「おいで」

その指に手招きされると、あがなうことなんて出来なくて、吸い寄せられるように近づいてしまった。

「さあ、座ってごらん」

「はい……」

彼のひざ上に座らされて、先生を見下ろす形になる。……ちゅ。

障子越しに月光を浴びて、青白さを増した先生に自分からキスをした。

二度……三度……。

角度をかえて唇を合わせるたびに、お互いの呼吸が荒くなっていった。

「あ、先……生っ」

舌が深く差し込まれてきた。

「いつからそんなに……キスが上手に……なったんだい?」

「先生の……おかげ……です」

「可愛いことを言うね」

煙草を吸わない先生だけど、かすかに香るのは、副長のせい。

この煙草の香りが好きなんていったら、きっと先生は拗ねてしまう。

隊始まって以来の有能な参謀と言われる先生だけど、案外可愛いところがあった。

そんなところも好きなんだけど……と、キスの合間に薄目を開けて先生を眺めた。

「そんなに煽らないでほしいな」

眼鏡をはずした先生に、横に寝かされる。

「え、ちょ……」

覆いかぶさってきた先生の、肩を慌てて押し止めた。

「せ、先生……ちょっと待ってくだださい!」

「いまさら、恥ずかしがることはないだろう?」

口端をあげると、悪人面が際立つ先生に、首を振って見せた。

「ち、違います! わ、渡したいものがあって……」

「渡したいもの?」

いぶかしがる先生を押しのけて、畳んだ隊服の横に置いてあった紙袋を引き寄せた。

そして取り出した箱を先生へ差し出す。

「あの……お誕生日、おめでとうございます」

「ああ……そうだったね」

眼鏡をかけなおした先生が、フッと頬を緩めた。

「開けても?」

「どうぞ……気に入ってもらえると、うれしいんです……けど」

受け取った箱を、先生が開けてみる。

「……」

眼鏡を押し上げる先生に、視線を向けられた。

「綺麗な色だね」

「先生が好きな色かなって……」

「ああ。好きだよ、それにとても肌触りがいい」

渋い色をしたタータンチェックのひざ掛けは、厚地の上質なウール。

ひと目で先生に似合うと購入した代物だった。

「書き物をされてるとき、膝が寒そうだと思って……」

「毎日、使わせてもらうよ」

ひざ掛けを広げた先生が、動きを止めた。

「ん……これは……」

「あ、その……私、手芸とか苦手で……」

視線をさまよわせながら、しどろもどろで口を開く。

「でも……、つい……先生の名前を入れたいなって考えてしまって……」

「それで僕の名前を、刺繍してくれたのかい?」

「はい……でも、すごくいびつになっちゃったんです……」

「なるほど……それで寝不足だったのか」

つぶやく先生が、楽しそうに笑った。

「君に誕生日を祝ってもらうのは、何度目かな」

「えっと……」

指を折って数えようとすると、腰を抱き寄せられた。

「え、あっ……先生?」

唇をふさがれて、祝った回数を告げられなかった。

「ん……っ、先生……」

さっきよりももっと濃厚な口付けに、意識がとろけていった。


   ***


開いた障子から、上空に浮かぶ孤高の月を、先生と眺めていた。

二人がまとうのは、プレゼントしたひざ掛けだけ。

「寒くはないかい?」

「はい、大丈夫です」

答えながら、隣の先生を見つめた。

先生も初めて会ったときは、月のように孤高だった。

だけどゴリ……近藤局長や、マヨ……土方副長、それに多くの隊士と触れ合ううちに、先生は変わっていった。

若木のことく土に根をはわせ、枝を広げていった。

もう誰も先生を孤高だとは思わない。

嬉しいと思う反面、少しだけ寂しさを感じていた。

私だけに心を開いてくれていた頃の、先生はもう居ない。

なんて、拗ねてしまっている自分の心の狭さに泣けてきそうだった。

「温かいな」

「え……?」

たくましい腕に抱きかかえられて、短いキスをおとされる。

「君も……君がくれたひざ掛けも……」

「先生……」

「これからも……ずっと、君に祝って欲しい」

真剣な眼差しに戸惑いながら、コクンとうなずいた。

「私でいいなら……」

「君からしか、要らないんだ」

欲張りな心を見透かされたみたいで、恥ずかしくなった。

だけど……。

「嬉しい」

照れ屋な先生からの言葉は、胸に染み渡って、拗ねていたことなんてどうでもよくなった。

長い時間一緒にいると、夫婦は似てくるって聞いたことがある。

だったら恋人同士も?

拗ねやすい先生に、似てしまったのかもしれない。

温かな肌から伝わる気持ち。

愛してる。

囁いたのは先生が先だった。



おわり


****



今年も祝えました!

つうか、タイトルまったくもって、ひねりなしw

でもそれが一番言いたかったのw

鴨ー愛してるー愛してるー! 愛してるわー!

なかなか記事には出来ないけど、私の中で彼は一等賞です!

また来年祝えたらいいな!


そして先日の記事にもコメありがとうございます!

きょんさん、女王様、杏@tns.AI さん、猿飛隼人、まーさん、Noaさん、kotaさん!

本当にありがとうございました!


それではまた消えます。

皆様、よいお年を~~~~~~~~~~!!!


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2011-12-04 00:00:00

仁王誕生日企画 甘さ控えめの恋

テーマ:テニプリ夢小説

今年も雪ちゃんの企画に参加させられ……てもらいました。


肝っ玉母ちゃんのひとり言


テニプリの仁王を愛し続ける彼女に捧げます。



***



「あの……な、雅治」


時は日曜、場所は彼の部屋。


ダーツ遊びも飽きたところで、雅治に声をかけた。


「なんじゃ、雪」


「ちょっとだけ、手ぇ緩めて欲しいねんけど」


ソファにすわって、背後から抱きしめてくる雅治の腕を押し返した。


せやけど、雅治の鍛えられた腕はびくとも動かない。


「嫌じゃ言うたら、どうするんじゃ?」


「いいから、手ぇ緩めろ! 人を窒息しさせる気か!」


「そんときは人工呼吸してやるから、心配せんでよか」


「あーもー……」


ああ言えばこう言う雅治には、暖簾に釘、豆腐に腕押し……あれ? 


とにかくちっとも言うことを聞いてくれない雅治の、頼みごとなんて聞くんじゃなかったと、盛大にため息を吐いた。


「どうした……色っぽいため息なんぞ、吐きおって……誘っとるんか?」


「違う……誰かさんの誕生日だからって、素直に言うことを聞いた自分が馬鹿やったなって」


「ほう?」


首もとに顔を寄せてきた雅治が、わざと艶を含んだ声を出してくる。


「ちょ……くすぐったい」


「くすっぐったいようにしとるんじゃ」


「せっかくの誕生日なのに、こんな過ごし方でええの?」


彼氏である雅治の誕生日を、お祝いしようといろいろ考えていたけど、本人の望みは……。


「雪を抱きしめて過ごしたい」


の、一言だった。


バースデーケーキを作ってきた以外、まったく普段の休日と変わらない。


「どこか出かけんでもええん?」


「かまわん。いつもテニスボールばかり追いかけて走りまわっとるし……今日ぐらいは雪を感じときたいんじゃ」


確かにそういわれると、こんな風にゆっくり過ごす時間はかなり貴重に思える。


「雅治は私より、テニスに夢中だしね」


「ふ、妬いとるんか?」


「ちょっとだけ……」


いつも夜遅くまで、汗を流す雅治の姿を見るのは好きやけど……寂しいとも思ってしまう。


「じゃからこうして、時間をとっとる」


「それじゃこの時間は、私へのプレゼントみたいやな」


「そのつもりなり」


「ふふふっ、ええ彼氏やん」


今頃気がついたのかとばかりに、切れ長の瞳を細める雅治に、胸が熱くなった。


思えばこうして雅治のお祝いをするのは、何度目だろう……。


回を重ねるごとに、好きの気持ちが大きくなっている。


大好き……・。


なかなか素直に口には出さないのはお互い様。


せやから黙って腕の中に納まった体を、そのまま雅治にもたれさせた。


「そろそろケーキ食べへん? 雅治が前においしい言うてくれた、甘さ控えめのチョコムース作ってん」


「そうじゃのう、味あわせてもらおうか」


「じゃあ……」


テーブルの上にあるケーキをのせたプレートを取り上げた。


「はい、どうぞ」


背後の雅治に差し出そうとしたのに、やっぱり手は緩めてもらえない。


「もしかして……食べさせろって……そういうこと?」


「雪にしては、勘がいいなり」


「雪にしてはって、余計やろ」


「プリ」


ニッコリ微笑む雅治は、ペテン師以外の何者でもない。


「なのに、言うこと聞いてしまうのは、なんでやろ……」


チョコムースをスプーンですくって、雅治に差し出した。


「言うことをきくんは俺に惚れとるから……とは、思わんのか?」


「それ以外にないやろな」


もう一度深いため息を吐いて、雅治の口にチョコムースをスプーンごと押しこんだった。


ちょっとだけ目を瞬かせた雅治が、ニンマリ口元を三日月の形にする。


「素直な雪は、俺以上のペテン師に思えるぜよ」


「どーいう意味よ」


「褒めとるんじゃがのぅ」


ん、うまい。と唇についたチョコムースを舐める雅治の仕草に、頬が熱を持った。


それに気づき、クククと肩を揺らす楽しそうな雅治。


ほんま相変わらず、意地悪やな……。


すこしだけ頬を膨らませ顔をそらした。


それでも普段と変わらない誕生日も、案外楽しいと思ってしまう。


また来年も、こうして雅治と過ごしたい。


素直に口にするのはやっぱり照れくさいから、チョコムースをもうひと匙すくってさしだした。


甘さを控えたチョコムースは、一見私たちみたい。


だけど、本当はとろけるように相手をいつも思ってる。


「ハッピバースデー……雅治」


彼の腕の中、そっと囁いた。



おわり



****


と言うわけで、ハッピバースデー仁王!

本当に彼は艶があって、言動すべてがエ口……゚・゚*・(゚O゚(☆○=(`◇´*)oす、すまん

ついでに近況。


元気です! 風邪も引いておりません。

ひたすら毎日文字を打ち続けています。

その隙間をぬって、企画に参加させてもらいました。

楽しんでいただければ嬉しいです!


そして、前回の記事にも温かいお言葉、ありがとうございました。

皆さんの生活の中で、ちょこっとでも気にかけてもらえて本当に嬉しいです(´艸`)

個別にお返しは出来ておりませんが、頂くたびに感謝して読ませていただいています!


に・し・て・も


兄銀……かりあげと、から揚げでえらいことに!

あれよりピ○子のほうがよっぽど苦情来ると思ったんだけど……世の中ってわからない。


それでは、次回は12月13日にupの予定です。

よろしければ覗いてやってくださ~い( ̄▽+ ̄*)

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