シリア制裁、拒否権行使の中国の本音 | 中谷良子の落書き帳

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【新唐人2011年10月8日付ニュース】
市民への武力弾圧を続けるシリアに対し、国連安全保障理事会は先日、制裁決議案を採択したものの、中国とロシアの反対に遭い、否­決されました。

中国がかたくなに反対する理由について、自らも独裁政権として同じ目に遭うのを恐れているとの指摘があります。

今年の3月から、シリアではアサド大統領の退任を求めるデモが勃発。
これを受け、当局は48年続けてきた非常事態法を解除したものの、「動乱」との理由で、武力弾圧を始め­、すでに2700人が亡くなりました。

アメリカは4月29日、シリア高官への制裁を実施。
EUも5月9日、シリアの制裁を宣言。
8月3日には、国連安保理がシリア当局の武力行為を非難しました。

10月4日の安保理決議では、草案から厳しい文言が3回も削られましたが、中国とロシアはそれでも拒否権を行使。

アメリカやイギリスの国連大使は怒りの余り離席しました。

アメリカのヒラリー国務長官は「責任逃れ」だと国連安保理を非難。
イギリスやフランス、ドイツの外務大臣も遺憾の意を表しました。

国連の潘基文事務総長は、シリアの流血を止める道義を国際社会は背負っていると指摘。
トルコのエルドアン首相も、「庶民が殺戮に遭うのを黙ってみていられない」と自主制裁­を決めました。

時事評論家 蘭述さん:
「シリア制裁決議案のきっかけは9月27日シリア軍が庶民への空爆を始めたことです。欧米の文化として、人道を何より重んじる特徴があります」

AFP通信はシリア大統領の補佐の話として、中国とロシアはシリアに改革に必要な時間を与えたと報道。

ロシアの国連大使は、ロシアはシリアを支持しているわけではないと釈明。
ただNATOのリビアへの空爆がシリアでも繰り返されるのを案じていると述べました。

《北京の春》編集長 胡平氏:
「ロシアはいまだに真の民主国家からはほど遠く。外交問題でも中国よりも強気です。中東で欧米が存在感を増すのを望まないのです」

リビアに対する安保理決議では、中国とロシアは採決を棄権し、NATOによるリビア空爆を妨害しませんでした。

しかしシリアはイスラエル、イラク、サウジアラビアに接する­位置にあり、政治的戦略的な意味で、リビアよりずっと重要だといわれます。

中国とロシアはまた、リビアへ大量の武器を提供しているほか、石油などの利権も捨てがたいのだとみられます。

《北京の春》編集長 胡平氏:
「中国が今回反対したのは独裁政権として、シリアの独裁政権に同情したのもあります。また国連が中国独裁政権に対しても、同じような態度をとるのを恐れています」

北京大学国際政治学科の朱鋒(しゅ ほう)教授はBBCに対し、中東の民主革命は想像を超える速さで進み、カダフィ政権崩壊は中国政府も予想だにしなかっただろうと指摘。

国際社会が独裁政権に干渉する流れを­断ち切りたいのが中国の本音だと分析します。

中国人作家 荆楚氏:
「世界の独裁政権が一つでも減れば、中国はより孤立します。そう考えたはずです。中国政権の反人権 反社会性はますます目立っています」

民族主義をかき立てることで有名な人民日報傘下の環球ネット。
しかしシリア情勢の特集では、多くのユーザーから「なぜ反対票を投じたのか」と中国政府を非難する声であふれ­ました。

力で押さえつけようとするシリア政府に対し、大多数のシリアの反体制派は、平和的抗議を訴えています。

10月2日、シリアの反体制派からなる国民評議会はアサド大統領の退­任だけを求めました。

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