■26歳になった児童らへ

 平成7年の阪神大震災で被災した神戸市立明親小学校(同市兵庫区)5年1組の児童36人が描いた「震災の絵」を、当時校長だった山口恵子さん(70)が冊子にまとめ、大人になった児童たちに配り始めた。「この絵には震災を後世に伝える使命がある」と学校側で預かって以来、冊子の発行を考えていたという山口さんは、「やっと返すことができた」と話している。

 冊子のタイトルは「あの日あのとき-26歳になったあなたへ」。山口さんが自費で200部印刷し、当時のPTA役員を通じて配布。「これからの人生を前向きに力強く生き抜いて」とはしがきを添えた。

 「震災の絵」は、学校の再開から間もない震災の約1カ月後、山口さんがボランティアから「震災を全国に伝えたい」と要請されたのがきっかけ。5年1組の担任だった橘俊一郎さん(62)と相談し、子供たちに無理のない範囲で描いてもらうことにした。

 1組の児童36人が描いた絵は、国内外で巡回展示され、会場で集められた募金は震災で全壊した神戸母子寮の再建に役立てられた。児童たちの卒業に際し、山口さんは「本来は絵を描いた本人に返すべきだが、この絵には後世に伝える使命がある」と、学校に絵を残すよう保護者に依頼。さらにいずれ冊子にまとめようと、絵を1枚ずつ撮影した。

 本紙で今年1月、絵と作者が「あの日の絵」として掲載された記事を読んだ山口さんは、冊子にまとめることを決意。絵を保管している神戸市中央区の「人と防災未来センター」では、散逸などで絵が6枚足りないことも判明したが、自身の写真をもとに全36人の絵を冊子にまとめることができた。

 「記事を通じ、子供たちが立派に成長して頑張っている姿に感激した。何よりあの時の経験がいろんなところに生きていることがうれしかった」と笑顔を見せる山口さん。「震災について、大人が書いたものはたくさんあるが、被災から間もない時期の、子供たちによるメッセージは少ない。震災を伝える貴重な資料の一つとして、責任をもって伝えていきたい」と話している。

 

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