効果、効能の疑問

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効果、効能を謳って商売をする。よくあることです。消費者の判断目安になるので、便利です。購買意欲にも影響するでしょう。

でも、その内容は本当に鵜呑みにしても良いものでしょうか?書いてあることが正しく、それ以外のものは間違ったことなのでしょうか?


私が抱え居ている疑問


(その1)ペットの避妊、去勢:家畜でも去勢をすることで肥育効果を上げることはやっています。でも、避妊は無いですね。繁殖させる(お乳を出すためにも)のが大きな目的でもあるから当然のことですが。

ペットにおいては、繁殖目的以外で飼養する場合は、避妊、去勢をすることは当然至極のように言われています。理由は、疾病の発症を未然に防ぐため。これ本当??

子宮蓄膿症や乳ガン、睾丸ガンに罹患する率は、生後最初の発情が来る前に避妊、去勢をすることでほぼ防げることが報告され、獣医師の中でも暗黙の常識となっています。

実はこれ盲点があります。動物病院で把握できるのは、避妊、去勢を受けに来る患畜、発病して治療を受けに来る患畜の数だけです。母数がこれだと、疫学的に偏りが出てきているのは一目瞭然。避妊、去勢を受けているペットが上記の疾病を発病しない確立はほぼ100%になるでしょうし、避妊手術等を受けていないで、上記疾病の治療を受けに来る率も極めて高くなります。だって、避妊手術を受けていないペットが世の中にどれくらいいるかなんて把握しきれないからです。(唯一、ワンコの場合は、狂犬病予防接種時に行政登録しますが、これだって全てではありません)

 我が家の愛犬は避妊手術を受けていません。雑種ですから繁殖する目的も皆無です。ただ、無駄な繁殖にならないように発情時は細心の注意を払っていますし、疾病の予兆についても毎日触診するなどして変化が無いか観察しています。

 避妊は全身麻酔の開腹手術で子宮と卵巣を取り除きます。リスクは上記疾病の手術をするのに匹敵します。また、避妊、去勢により崩れるホルモンバランスにより新たな疾病を引き起こしたり、性格が変わってしまう可能性もあります。私は、それを理解しないで言われるままに手術をする飼い主、説明不十分な獣医師、両方に問題があると思います。


(その2)ペットフード:巷には各種多様なペットフードが販売されています。輸入、国産の違いは元より、原材料についても飼い主の購買意欲をそそるような素材や成分が記載されています。人間が食べているのと同じように加工された肉や野菜類を謳っている物の人気は高いですよね。

記述が嘘とは言いません。ただ、物は言いようです。私たちが食べる肉の食肉加工処理過程おいても、流通に乗らない残さ(残り物)は出てきます。それをペット用飼料に回したとしても食肉処理施設で加工された肉ということで上記の記述には合うでしょう。人間とペットが同じ物を食べているなんて感覚は手作り食で無い限り、錯覚にしか過ぎません。ただ、産業廃棄物として出る副産物(肉骨粉、フェザーミール、獣脂粕)には抵抗があるというのも頷けます。が、これらを食べて肥育された家畜の肉を食べているということを忘れてはいけません。


(その3)特殊な効能、効果を謳ったもの:サプリメントや治療法、体質改善法等についても、避妊と同じようなことが言えます。改善事例しか表面には出ませんから、過度な期待を飼い主がする可能性があります。体質や環境等の個体差があるため、一律の効果が得られないことは明白なのに、そういった事例は水面下に追いやられ、白日の下にさらされることはありません。

医療行為でなければ、効果効能を検証したり効果の可否を明確に表記する必要も無いので、非常にファジーな部分だと思います。


 飼い主はこのことを十分理解した上で、獣医師等とインフォームドコンセント十分にとり、自己判断することが必要だと思います。

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カリスマ

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どこの世界にもカリスマ的存在という人物は居るものです。

現実世界でも仮想世界でも...。

カリスマを崇拝するのは個人の自由、制約はありません。

しかし、崇拝する余り、そのカリスマと自分との区別ができなくなっている人も中には居ます。

自分がカリスマの伝道師なんだと勘違いしている...のかな?


ペットの世界もそういった感じします。

特にブログやコミュニティーサイトに参加するようになって強く感じます。

有資格者がカリスマの場合、無資格者の伝道師が勝手に動き出すと、カリスマの失墜になりかねません。


近々、ペットフードに関する規制や法が整備され、医療的な効能・効果を謳うフードやサプリメントについては、動物用医薬品として取り扱うことになります。つまり、獣医師の処方もしくは有資格の販売業者しか取り扱えなくなるのです。また、獣医医療等の広告についても法の整備が進み、明文化され、本格的な規制が始まろうとしています。


伝道師の方々には、先走った行為でカリスマに迷惑をかけないように、気を遣う必要があると思います。

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インターネットの弊害

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かなりの放置プレイでした。m(__)m

さて、この間、ブログやサイトでいろんな人と出会い?ました。特に某コミュニティサイトに登録してからは、見ず知らずの人達がどんどんお友達になってくれることにびっくりしています。このコミュニティにはペットに関するものが無数にあります。「しつけ」「病気・怪我」はたまた「ワンコとキャンプやアウトドア、旅行」なんてものも。同じ目的意識の中で集うこの手のコミュは当事者間では大変盛り上がって楽しいものです。私も楽しんでいるコニュはあります。しかし、中にはこれはどうかな?ってコミュ(内容)もありますね。それは、「相談もの」の類です。近頃、医療関係従事者に対する信頼関係の失墜は大変なもので、どんなに仁術を施しても感謝されるどころか某コミュ(ブログ)でボロカスに批判されている場合もあるようです。こうなってくると、お互いの信頼関係を損ね、どちらに転んでも得になることはありません。「近所の動物病院」より「会ったこともない他人」のアドバイスを信頼するという変な構図がこの世界では横行しています。中には、単なる受け売りや根拠のない妄想話、扇動(愉快犯)、営業トーク的なものもあり、見るに耐えないものもあります。こういったコミュやブログに口出しすると後々大変なことになるので私はROMしています(恐らく、多くの獣医療関係者もROMしていることと思います)。自分も知識が偏った獣医師なので、専門外の事については(獣医師として)一般的な見解は申し上げるものの、詳しい内容についてはかかりつけの獣医師と相談するようにアドバイスし、根拠の無いことは口に出さないようにしています。

また、今問題となっている点については、自分も興味があるのでこれからも勉強していきたいとも思っています。

そのいくつかを挙げると

1)飼い主とペットの関係

2)ペットの食の安全・安心に関わること

3)高齢ペット医療、末期患畜のペットと飼い主の緩和ケア

こういったものは既に専門家の中で論じられ確立されつつある分野でありますが、一般への浸透はまだまだです。私はるる(ワンコ)を溺愛する一飼い主であると同時に獣医師であること(自分が獣医師でありながら他の動物病院で獣医師のお世話になっている立場)を生かし、獣医師と飼い主のパイプ役の一助ができたらと考えています。

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